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獨協医科大学埼玉医療センター

(埼玉県 越谷市)

奥田 泰久 病院長

最終更新日:2024/08/15

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大規模病院として実績で地域医療を支える

昨年、創立50周年を迎えた獨協医科大学の付属病院である「獨協医科大学埼玉医療センター」も今年、節目である開院40周年を迎える。これまで、質も専門性も高い急性期医療を提供する大規模病院として地域に貢献している同病院では、近年、ロボット手術や内視鏡下などの患者負担を軽減した低侵襲手術に注力し、脳疾患や心大血管疾患に対するカテーテル治療なども行っている。全国的に見ても年間多くの手術を実施する地域医療の要であり、リプロダクションセンターには海外からも患者が訪れている。最近では、ジェンダーの外来も開設した。先進的な医療に取り組む一方で、患者の採血・外来待ち時間対策などでも大きな成果を上げ他病院からも注目されており、病院一丸となって課題解決に向けて動くマインドも持ち合わせている。約2000人にも及ぶ職員を率い、コロナ禍を病院長として対応した奥田泰久病院長に話を聞いた。(取材日2024年6月10日)

設立40周年を迎えてますます発展中ですね。

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埼玉県東南部に住む方々の健康を守ることを使命としている私たちは、理念である「常に研鑽し患者の信頼にこたえる」の実践を目標に日々の診療にあたっております。幅広く専門性の高い医療を提供しておりますが、核となるのは手術です。院内には22の手術室があり、ロボット支援下手術専用の手術室や、血管内治療など低侵襲性治療に重要な放射線透視装置と従来の手術室機能を合わせ持つハイブリッド手術室なども備え、さまざまな高難度の手術を実施しています。ロボット支援下手術は従来の泌尿器科疾患に加えて婦人科疾患、消化器科疾患などにも対応しておりますし、今後も対応の幅を広げていく予定でおります。また2020年に開設した内視鏡センターでは6室の検査室が稼働し検査や治療を行っています。さらに移植センターでは北関東でも特に多くの生体腎移植を行っており、多くの症例実績でお役に立っています。

他に特徴的な診療などはありますか?

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当院は埼玉県の地域周産期母子医療センターに認定され、越谷市・春日部市・松伏町地域のハイリスク妊娠の入院管理や重症新生児を受けて入れています。現在MFICU(母体・胎児集中治療室)3床、NICU(新生児集中治療室)9床、GCU(新生児回復室)12床が稼働しています。遠方から患者さんが訪れるリプロダクションセンター、全国的にも稀少な子どものこころ診療センターも設けており、子どものこころ診療センターでは小児リハビリテーション部門と連携した療育プログラムで、摂食障害などにも対応します。血管内治療センターではカテーテル治療にも注力し、くも膜下出血のコイル塞栓術は関東圏の指導的な役割も担うなど、豊富な症例実績があります。欧米では内科医師が担当することの多いカテーテル治療ですが、当院では心臓血管外科の医師も担当し、違う角度からの診断・治療が可能であり、他の医療機関から見学者も多く来院されています。

地域の医療機関との連携についてはいかがでしょうか?

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当院は急性期を担う病院で、急性期治療後に患者さんを受け入れていただける地域の病院との連携がとても重要です。従来より、埼玉県東部にある11ヵ所の医療機関と連携しており、医療スタッフの相互派遣なども行います。もちろん地域の医師会とも連携を強化しています。当院ではさらなる地域連携を図るべく、総合患者支援センターを設置し、入院前から患者さんが安心して医療を受けられるようPFM(ペイシェント・フロー・マネジメント)システムを導入。患者さん一人ひとりを身体的、社会的、精神的背景から把握し、多職種スタッフとも連携しながら、入院から退院後まで一貫してサポートします。当院は大規模病院としては珍しく訪問診療も行っており、一般的な訪問診療では対応が難しい専門性の高い対応が求められる場合でも、在宅で医療を受けていただくことが可能です。訪問診療は、初期研修医にとっても地域医療の現場を経験する貴重な機会となります。

職員が一丸となって患者の待ち時間対策に取り組まれたとか。

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患者さんの待ち時間は長い間の懸案事項でした。そこで私たちはまずどこに問題があるのかを徹底的に洗い出し、診療前の採血などの検査に時間がかかっていることが判明したのです。表示だけではなく、案内・誘導担当を配置し患者さんの流れをスムーズにする、採血人員の増強、予約時間に合わせた検査のお願いなどを行い、診察も予約時間厳守の意識を医師や看護師、事務スタッフなどにも徹底しました。さまざまな施策の相乗効果で、最長90分以上だった検査の待ち時間が10分程度と大幅に改善し、診察も予約時間枠で行えるようになってきました。職員が意識を合わせ一丸となって取り組むと、このような素晴らしい成果が得られるのだと実感させられる出来事でした。この事例は同様の問題を抱える他の医療機関からも注目され、視察に来られることも増えてきました。今後も患者さんの負担を減らし、少しでも快適に受診していただけるよう努力していきます。

地域の方や患者さんへのメッセージをお願いします。

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患者さんの健康を守るのが私たち医療者の使命ですが、医療だけやっていればいいかというとそうではないと思っています。手術や治療を終えて退院されるとき、今後の金銭面や仕事、実際の生活などに不安を抱えておられる方も少なくないでしょう。できれば患者さんには、お体だけでなく心も元気になっていただきたい。患者さんの背景まで思いを巡らし、さまざまな制度などを駆使してお支えすることができないだろうか、と思っています。できれば、この病院にかかって良かった、と思っていただけるように。また職員がハッピーでなければ、患者さんをハッピーにすることはできないでしょうから、職員の頑張りにはきちんと報いて、モチベーション高く働いてもらえるように、もし自分が病気になったとき自分の働く病院に安心して相談できる病院をめざして、これからも精進していきたいと思っています。

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奥田 泰久 病院長

1983年獨協医科大学医学部卒業後、同大学病院麻酔科にて約20年勤務。2003年から獨協医科大学越谷病院(現・獨協医科大学埼玉医療センター)麻酔科勤務。2020年4月より現職。2024年4月獨協医科大学副学長就任。同大学にある3つの付属病院の麻酔科統括者。病院長室のある8階まで階段で2往復するのが日課。同大学埼玉医療センター麻酔科主任教授兼任、日本ペインクリニック学会ペインクリニック専門医。

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