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医療法人光仁会 南部厚生病院

(埼玉県 春日部市)

玉野 正也 院長

最終更新日:2026/05/21

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緩和ケアと療養で地域の「安心」を支えたい

1972年の病院開設を原点に、春日部地域で慢性期医療を担ってきた「南部厚生病院」。現在は108床の医療療養病床に加え、30床の緩和ケア病棟を備え、長期療養や終末期ケアを必要とする患者に対応。中でも緩和ケア病棟は同院の大きな特色で、がんによる苦痛の緩和をめざすだけでなく、明るく開放的な環境の中で、患者とその家族が穏やかに過ごせる時間を提供している。2026年4月に就任した玉野正也院長は、この緩和ケアの専門性を生かし、在宅療養中の急変時や介護施設からの相談に応えるバックベッド機能のさらなる強化を見据えるほか、大学病院で培った消化器・肝臓診療の経験をもとに、外来や訪問診療にも力を注いでいく構え。「病気になってから行くだけでなく、地域の人が早い段階から相談できる病院」をめざし、療養、緩和ケア、外来、在宅支援、予防までをシームレスにつなぎ、地域の安心を支える同院の取り組みについて、玉野院長に聞いた。(取材日2026年4月28日)

こちらの病院の歩みと役割を教えてください。

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当院の開設は1972年にさかのぼります。その後、2004年に春日部厚生療養病院、2009年に現在の南部厚生病院として歩み始め、長く春日部地域に根差し、医療療養病床を担う病院として、療養中の患者さんの生活の質の向上をめざしてきました。急性期病院が「病気を治療する場所」であるとすれば、当院は「地域での生活を支える場所」です。時には「ついのすみか」としての役割も求められるからこそ、病状の回復や安定だけでなく、その人らしい生き方や最期の迎え方にも向き合っています。また、地域のかかりつけ医を支える後方支援病院として、在宅療養中の容態急変や、がん終末期の入院にも柔軟に対応する体制を整えています。長期療養と緩和ケアの病院として培ってきた信頼を、今後は広域にも発信していきたいですね。院長としては、患者さんやご家族に「安心と満足」を届け続けるとともに、職員が誇りを持って働ける病院づくりも大切にしています。

緩和ケア病棟の特色はどのようなところにありますか?

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当院の大きな特色は、30床の緩和ケア病棟を備えていることです。緩和ケア病棟としては全国的に見ても規模が大きく、当院の強みといえる部分です。がんによる痛みや不快な症状の緩和を図り、患者さんの尊厳を尊重し、ご家族と過ごす時間も大切にしています。病棟は明るく開放的で、広い空間や屋上庭園があり、ご家族に泊まっていただき、寝食をともにすることもできます。そのため、亡くなる直前だけでなく、比較的お元気なうちから利用し、ゆっくり過ごしていただけるのも大きな特徴です。また、身体的な痛みの管理に加え、精神的な不安にも多職種で対応しています。緩和ケアを専門とする医師や心の診療に関わる医師、医療ソーシャルワーカーも連携し、患者さんとご家族に寄り添います。今後は、在宅療養中の急変時に避難所のように入院できるバックベッド機能も強化し、がん患者さんに限らず、介護施設や訪問診療の先生方も支えていきたいと考えています。

療養病床の特徴を教えてください。

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当院には108床の医療療養病床があり、急性期の治療後も継続的な医療ケアを必要とする患者さんを受け入れています。難病や意思疎通が難しい方、終末期にある方にも、病状の安定だけでなく生活の質を支える医療・看護を大切にしています。近年は介護施設や訪問診療が広がっていますが、施設や在宅では十分な医療介入が難しいケースも少なくありません。そこで当院では、自宅にいるような落ち着いた雰囲気の中で必要な医療を受けられる療養環境を整えています。入浴設備も充実しており、満床時でも患者さんが週2回入浴できる体制を維持。終末期の方に限らず、治療やケアを重ねながら地域での生活に戻ることをめざす方も受け入れていきたいと考えています。入退院時には医療ソーシャルワーカーが患者さんやご家族の状況を丁寧に把握し、訪問看護、訪問リハビリテーション、ケアマネジャーなど多職種と連携しつつ、地域での療養生活まで見据えて対応しています。

外来診療の強みは何ですか?

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外来では、生活習慣病や循環器疾患に加え、整形外科、皮膚科、泌尿器科、心療内科など幅広い領域に対応しています。各診療科では専門の医師が担当し、小規模病院ならではの円滑な動線で、受付から診察、処方箋発行までスムーズに進むことも強みです。患者さんの中には「今は混んでいるからまた後で来ます」と声をかけてくださる方もおり、地域の方にとって身近な外来として利用されていることを実感しています。さらに私は大学病院で41年間、消化器内科、特に肝臓を専門に診療してきました。院長に就任した2026年4月からはその経験を生かし、慢性肝炎、脂肪肝、アルコールによる肝障害の診療を強化しています。B型・C型肝炎は治療や進行抑制が図れるようになりましたが、一方、健診で脂肪肝を指摘されたまま放置している方も少なくありません。大学病院と遜色ない医療に努め、異変は地域で早く拾い上げ、生活の質も踏まえて支えていきます。

今後の展望と地域への思いを聞かせてください。

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病院全体としては「療養」と「緩和」という2つの軸を大切にしながら、受け入れる患者さんの幅を広げ、外来診療や訪問診療、相談機能を充実させていきたいと考えています。高齢化が進む中、病院内だけで医療を完結させるのではなく、当法人内の各事業所とも連携し、施設や居宅で療養する方を地域全体で支えるべく、24時間365日の対応を見据えた訪問診療の準備を進めています。また、将来的には緩和ケアを専門に行う外来や相談窓口を設け、今は元気でも将来に不安がある方、緩和ケアを受けるか迷っている方、通院が難しくなった方にも早い段階で関われる体制を整備していきたいと考えています。病院はつらくなってから行く場所と思われがちですが、健康診断やフレイル健診などを通じて、病気になる前から相談できる存在へ進化したいと思います。グループの病院とも協力し、市民の方へ健康づくりの情報を届ける機会も広げていきたいですね。

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玉野 正也 院長

1985年獨協医科大学卒業。大田原赤十字病院(現・那須赤十字病院)内科副部長、獨協医科大学消化器内科学講師を経て、獨協医科大学埼玉医療センターの消化器内科主任教授、副院長、獨協医科大学埼玉医療センター附属越谷クリニック院長などを歴任。2026年4月より現職。日本内科学会総合内科専門医、日本消化器病学会消化器病専門医、日本消化器内視鏡学会消化器内視鏡専門医、日本肝臓学会肝臓専門医。

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