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医療法人光仁会 南部厚生病院

(埼玉県 春日部市)

池田 真 院長

最終更新日:2022/11/28

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声なき声を聞き、患者と家族に寄り添う

東武伊勢崎線・武里駅から車で約5分、のどかな田園地帯が広がる場所にある「南部厚生病院」。療養期から終末期までを過ごすことができる病院だ。院内は広くゆとりのある造りで、各階にあるロビーは車いすやストレッチャーのままで家族などとくつろげるよう十分な広さが取られており、廊下や診察スペースなどすべての空間がゆったりとしている。そのため長くなりがちな入院期間でも心地良く過ごせるような雰囲気となっている。そんな南部厚生病院を率いる池田真院長に医療に取り組む姿勢や今後の展望など、さまざまな話を聞いた。
(取材日2018年8月16日/情報更新日2022年11月22日)

創業から50年、移転されてから12年たちますね。

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おかげさまで私たち南部厚生病院は、このエリアでは終末期も見据えた療養病院として認知されてきております。当病院は春日部市内に展開する医療法人光仁会の一員であり、お隣のさいたま市に展開する医療法人聖仁会と合わせて、聖光会グループとして地域医療に少しでもお役に立つべく精進しております。グループ内には、急性期から回復期、療養期まで病床がそろう総合病院や、在宅医療を担う事業所、デイサービスセンターなどもあり、地域のあらゆる医療ニーズに応えられる体制を整えています。また職員がお互いに切磋琢磨できるよう勉強会を開いたり、安心して働けるように寮や24時間保育所を整えたりしています。外来は内科、整形外科、皮膚科、心療内科、泌尿器科、緩和ケア内科などがあります。

どのような患者さんが多いのでしょうか。

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当病院は療養期から終末期の医療を担う療養病床のみの病院です。急性期の治療後に、引き続き医師による医療を必要とする患者さんの療養を目的としていますので、比較的介護度や重症度の高い方々が中心となっています。がんや脳神経疾患の方などが多いですね。気管切開をしておられたり、脊椎損傷で四肢があまり動かせない方など、患者さんご自身からコミュニケーションが取りづらい方々も多くいらっしゃいます。大学病院や地域の基幹病院など急性期医療を中心に担う病院では対応が難しい患者さんが集まる当病院は、お看取りをするケースも多く地域でも少々特殊な位置づけになります。

院長から職員へ日頃から伝えていることはありますか?

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「病める人に対し良き奉仕者たれ」を院是に、医師も看護師も事務スタッフも全職員が患者さんやご家族に寄り添い、患者さんの声なき声を聞く努力をしながら、地域の方々にどのようにして医療貢献できるかを常に考えていくようにしています。先ほどお話ししたように当病院の患者さんはコミュニケーションが取りづらい方が多いのですが、そこで大切になってくるのが「声なき声を聞く」ということです。同じ「あー」という発声でもうれしいのか苦しいのか痛いのか、さまざまな「あー」があるものです。表情や態度、声音などから気づけるよう意識しています。患者さんは声を上げることはできなくとも意識はあり、なんでも理解しています。自分や家族が患者さんの立場だったらどうしてほしいだろうか、ということをまず考えてもらえるよういつも職員へお願いしています。

緩和ケア病棟30床についてお聞かせください。

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2015年度に埼玉県で増床に関する公募があり、当病院が緩和ケア病棟30床の申請をしたところ、全30床のご許可を頂きました。2019年夏に運用を開始いたしました。急速に進む高齢化社会にあってがん患者は増え続けています。もちろん治癒につながるケースも多いのですが、積極的な治療を行ったものの治癒に至らなかった場合に、この地域はもともと、そのような患者さんを受け入れられる医療機関が少ないという現状がありました。今回の増床の許可は地域の基幹病院などからも期待されており、私たちも大いに張り切っています。これまで緩和ケア病棟は、急性期医療を担う病院に造られることがほとんどで、私たちのような療養病院が新設するのは、実は珍しいことなのです。当病院は長年、慢性期の療養、終末期医療に特化してきた実績がありますので、その特徴を大いに生かしてこの大事業に取り組んでいく意気込みです。

最後に地域の方々にメッセージをお願いします。

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近年は周辺の大学病院や地域中核病院、基幹病院との信頼関係も築かれ、地域の方々にも療養入院ができる病院として認知されてきています。また在宅医療、訪問看護ステーションなどとの連携により、さまざまな医療資源を活用しながら生活の質を維持しながら療養生活を送っていただけるようにネットワークも構築されております。さらに緩和ケア病棟が開設いたしましたので、地域の方々にはご自分の地元で療養生活を送り人生をより良い形で全うしていただけるようになるかと思います。大切な人の人生の終末期を当病院に任せて良かったと皆さまに思っていただけるよう、これからもより一層精進してまいります。

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池田 真 院長

1990年順天堂大学医学部卒業。カリフォルニア大学ロサンゼルス校にて3年間リウマチについて研究。2007年に前身である春日部厚生療養病院の院長に就任。2009年病院の移転に伴い名称変更した南部厚生病院の院長に引き続き就任。患者や家族に真摯に向き合う医師としての顔のほか、食生活や体型維持にも気を配るストイックなバンドマンの一面も持つ。

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