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日本大学松戸歯学部付属病院

(千葉県 松戸市)

平山 聡司 病院長

最終更新日:2024/02/08

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歯科医科連携と地域連携で多様な患者に対応

松戸市西部にある「日本大学松戸歯学部付属病院」は、千葉県北西部の東葛飾地域を中心に周囲の東京都、埼玉県などからも患者が訪れる。地域の医療機関による紹介患者も多く、高度な教育・研究・診療を行う大学病院ながら、地域密着型の病院の側面も持っている。しかも歯科医療の多様な分野だけでなく、内科、脳神経外科など医科の診療科も開設。平山聡司病院長は「口の中と全身の健康は密接に関係するという『医学的歯学』が当院のベースにあるため」と、その理由を説明する。「本来の意味とは異なりますが、口腔機能の低下が全身の虚弱や病気につながるという点でも『口は災いのもと』。それが幸せのもとになるよう、当院では専門性の高い歯科治療に加え、口腔機能の維持・回復、歯周病の管理、摂食・嚥下リハビリテーションを目的とした外来診療も行っています」。このほか、口・顔・頭の痛みに総合的に対応する外来も開設するなど、歯科と医科の連携による専門的な診療も特徴の一つ。「近隣の医療機関や介護サービスとの連携で、地域の健康寿命の延伸にも役立ちたい」という平山病院長に、「医学的歯学」や地域医療に対する思いを聞いた。(取材日2023年10月3日)

こちらの病院は歯科単独ではなく医科も併設しているのですね。

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ええ、本院は松戸歯学部の教育理念である「医学的歯学」を礎に、「口腔の健康から全身の健康を支える」ことをめざした医科・歯科連携による専門診療を行っています。以前は日本大学松戸歯学部付属歯科病院と呼称していましたが、2006年の新病棟開設を機に「日本大学松戸歯学部付属病院」に変え、そうした方針をよりわかりやすくしました。現在は歯科の多様な専門分野に対応するとともに、医科では内科、心臓血管外科、脳神経外科、頭頸部外科、耳鼻咽喉科の5診療科を設置し、さらなる診療科増設も検討しています。また、当院には松戸市を含む千葉県北西部の東葛飾地域のみならず茨城県や埼玉県の医療機関からご紹介いただくなど、多くの患者さんが来院されています。多くのニーズに対して医科と歯科が専門医療を提供すると同時に、訪問診療にも力を入れる地域密着型の病院である点が、都市部にある日本大学歯学部付属歯科病院との違いと言えるでしょう。

診療内容ではどんな特徴がありますか?

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ご紹介の患者さんが多い部門は、親知らずの抜歯や口腔領域の腫瘍に関する口腔外科部門、歯の根の治療や虫歯治療を行う保存部門、歯槽膿漏の治療を行う歯周部門、入れ歯に代表される咬合機能を回復させるための補綴部門です。このほか当院には口腔インプラント部門、小児歯科、矯正歯科、障害のある方に特化した特殊歯科部門や歯科恐怖症などの患者さんの歯科治療を鎮静下で対応する麻酔科があります。さらに17の専門的な外来を設置しています。中でも医科・歯科の連携という点では、睡眠時無呼吸症候群の診療を行う「いびきの外来」や、歯が原因ではないのに歯に痛みを感じる非歯原性疼痛の診療を行う「口・顔・頭の痛みの外来」があり、歯科医師と医師で適切に対応しています。「スポーツ歯科の外来」では、スポーツを愛する皆さまに歯科領域からのサポートとして、健康かつ安全に競技ができるようマウスガードなどの作製を行っています。

口腔内と全身の健康についてはどんな取り組みがありますか?

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加齢などで体や心の活力を失った状態を「フレイル」と呼びますが、滑舌が悪くなったり、食べこぼしたり、むせたりする口腔機能の衰え、いわゆる「オーラルフレイル」は全身のフレイルより先に現れます。当院では、「口腔機能検査の外来」で噛む力や飲み込む力、舌・口の動きなどを検査・評価します。機能低下が認められた場合は「オーラルフレイルの外来」と連携して、必要に応じた歯科治療や食生活指導などのアドバイスを行い、機能を向上させるお手伝いをします。また、糖尿病などの慢性疾患と関連している歯周病ですが、「歯周病管理の外来」では軽度の歯周病患者さんに対して歯周組織の治療と定期的なリコールによる管理を行っています。さらに、「オーラル・リフレッシュの外来」ではお口の健康維持のため、虫歯や歯周組織の状態を確認後に自費診療による専用の機器や材料を使用した歯のクリーニングやインプラント治療後のメインテナンスを行っています。

訪問診療など地域と連携した医療にも力を入れるそうですね。

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当院は50年以上もこの地域に根を張り、歯科医師会をはじめ各種医療機関との結びつきも強固で、訪問診療の必要性は以前から痛感していました。幸い当院には、障害がある方や高齢者施設で長く訪問診療を行ってきた診療科もあります。そうした経験を病院全体で共有し、私も訪問診療に参加して導入すべき設備・器具を現場で確認しながら、訪問診療の体制づくりを進めています。対象は過去に当院への通院歴のある患者さんのうち、高齢などで通院が難しくなった方をカバーして地域医療の充実に努めたいと考えています。高齢の方で特に重要なのが、口からしっかりと栄養を取ること、そして誤嚥性肺炎を避けるための摂食嚥下機能の維持・回復です。訪問診療では難しいのですが、院内であれば「摂食・嚥下リハビリテーションの外来」による摂食・嚥下指導が可能です。エックス線や内視鏡、超音波検査機器も導入して患者さんに適した対応を行いたいと考えています。

ご自身の地域への思いやこれからの展望をお聞かせください。

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私は松戸歯学部を卒業し、38年間ずっとこの病院で勤務してきました。医療の在り方が様変わりする中で、次の50年に向けて地域の皆さんのお役に立ちたいという思いは強いですね。訪問診療はその一つですが、院内でも患者さんとのコミュニケーションを密にして、治療内容の説明だけでなく、お口と全身の関係についての情報も提供し、人生100年時代を健康で過ごせるようサポートしたいと考えています。これからは患者さんを中心に、地域の先生方や医療関係者の方々と当院の医療連携部門が窓口となり、特に高齢の方の歯科医療を支える体制を強化します。こうした取り組みが、健康寿命の延伸に少しでも役立てばと願っています。また本当に多忙な中で医療に従事する医師、歯科医師、コ・デンタルスタッフや職員の方々など多様な一人ひとりが、生き生きと仕事ができる環境作りをめざすとともに一致団結した信頼関係を構築していくための触媒役になりたいです。

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平山 聡司 病院長

1985年日本大学松戸歯学部卒業。同学部保存修復学講座に在籍し、助手、専任講師、准教授を経て、2014年12月より教授。その間1998年から2000年まで、アメリカ合衆国のNational Institute for Standards and TechnologyにGuest Researcherとして留学。2020年から日本大学松戸歯学部付属病院歯科専門診療部部長、2023年4月より現職。

自由診療費用の目安

自由診療とは

インプラント初診相談料/4180円、インプラント治療(1本)/60万円〜、予防処置メインテナンス(PMTC+歯周病検査)/7700円、マウスガード/1万2000円〜

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