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独立行政法人国立病院機構 千葉東病院

(千葉県 千葉市中央区)

西村 元伸 院長

最終更新日:2024/01/22

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慢性疾患や神経難病、重症心身障害に注力

色づいた花と花の隙間から、鳥たちの頭が見え隠れする。優しい声で鳴き交わす鳥たちの様子を、数名の男女が目を細めて見守っている。まるでどこかの公園に迷い込んだかのように穏やかな光景は、「独立行政法人国立病院機構 千葉東病院」の正面玄関前に広がる日常だ。慢性疾患や神経難病、重症心身障害とともに生きる人たちにとって、同院は生活の一部といっても過言ではない。「だからこそ、面倒見が良く、安心して療養できる環境が大事」と西村元伸院長は強調する。広大な敷地を彩る季節の移ろいと、患者の「生」を支えるこまやかな気配りに励まされ、日々の治療の先の未来に思いをはせる患者は多いだろう。同院の治療の特徴や強みなどについて、西村院長に話を聞いた。(取材日 2023年2月22日)

国立佐倉病院と国立療養所千葉東病院を統合した病院なのですね。

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2004年3月に2つの病院が統合し、「国立千葉東病院」が生まれました。その後、2004年4月に独立行政法人国立病院機構千葉東病院に移行しています。もともと、佐倉病院は腎臓に強く、千葉東病院は神経難病に強い病院でした。それぞれの強みを持ち寄る形で一つになり、現在は入院から在宅医療の支援まで一貫して行える病院として地域医療の一端を担っています。私自身、1994年から国立佐倉病院に在籍し、統合とともに診療部長として当院に移ってきたんですよ。佐倉病院では、専門の糖尿病と、糖尿病性腎臓病 を中心に診てきました。当院でも、糖尿病治療から腎臓内科と連携した透析治療まで一貫した診療の体制を構築し、副院長を経て2020年に院長を拝命しています。糖尿病性腎臓病は慢性腎不全の原因として最も多い疾患ですが、千葉市内では包括的に治療できる病院が少なく、当院が果たす役割は大きいと自負しています。

糖尿病や腎臓病、リウマチなど慢性疾患の治療が得意分野だとか。

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長く付き合う必要がある、糖尿病、腎臓病、リウマチなどの慢性疾患を適切に管理して改善と進行阻止を図るとともに、QOL向上をサポートします。糖尿病・内分泌内科では生活習慣病や、甲状腺、脳下垂体、副腎のような内分泌臓器の疾患の薬物療法、生活指導など を行います。腎臓内科は糖尿病性腎臓病や慢性腎臓病(CKD)の重症化予防や、急発症したネフローゼ、糸球体腎炎など迅速な対応が必要な疾患の治療も得意分野。小児科も腎臓病が得意で、外科も腎移植後の方を多数診ています。当院では国内でも少ない腎臓の病理診断の専門家 が各科の腎診療を支えており、腎疾患診断に重要な腎生検の実施数も単独施設としては非常に多い部類です 。また進行した腎不全への血液透析、腹膜透析による腎代替療法も行っています。リウマチ・アレルギー科では、進歩著しいリウマチや膠原病の治療薬も駆使し、さまざまな合併症に対応しながら治療をしています。

神経難病、重症心身障害の治療についても教えてください。

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当院は千葉県の難病支援事業の神経変性疾患領域で中心的役割を担っており、脳神経内科では筋萎縮性側索硬化症(ALS)、パーキンソン病、認知症などの神経難病を主に診療しています。特にALSとパーキンソン病の症例数は豊富で、前者には進行度に合った治療を、後者には薬物療法を基本とします。認知症については、治療の鍵となる原疾患の診断をMRIやSPECTなどの機器を生かして行い、その方に合った薬の使い方を決定します。また重症心身障害診療は小児科が担当し、120床の重症心身障害児者病棟では治療と療養介護を行っています 。当院の歯科は神経難病、重症心身障害の方の口腔内を清潔に保ち、嚥下機能を維持するための診療も得意です。慢性疾患、神経難病、重症心身障害の方々と長くお付き合いしていく中で、職員一同、患者さんとご家族のご希望や困り事に寄り添った親身なケアに努め、快適な療養環境をつくるよう常に意識しています。

循環器内科、整形外科、形成外科なども標榜されています。

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はい。ほかにも外科から歯科まで、多岐にわたる診療科を備えているのも当院の特徴です。 当院の性質上、さまざまな合併症のリスクがある患者さんがとても多くいらっしゃいます。このような場合、他の病院を受診しなくてはいけなくなることは患者さんにとって大きな負担になってしまいます。こうした負担を軽減するために、各診療科が連携して、できるだけ当院で治療が完結するようにしています。もちろん当院で診療することが難しい場合は、連携する病院へ速やかにご紹介しますのでご安心ください。

最後に読者へメッセージを頂けますか。

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千葉東病院では、地域医療連携室、医療相談室、難病支援センター、入退院支援センター、療育指導室が院内、院外と有機的に連携をとり、回復期・慢性期の患者さんの速やかな受け入れを図っています。在宅復帰、および在宅からの入院に際しても、地域のケアマネジャー、訪問看護師、リハビリスタッフ、医療ソーシャルワーカー、臨床心理士らと連携してシームレスな移行が行えるようにサポートしていますので、安心してお任せください。今後も変わらず、神経難病、重症心身障害のセーフティネット医療と、慢性疾患をお持ちの方の総合的な管理・治療の2つを軸に、地域の皆さんに信頼していただける病院をめざしてまいります。

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西村 元伸 院長

1983年千葉大学医学部卒業。同年、同大学第二内科入局。大学病院で勤務した後、アメリカへ2年間の留学。国立佐倉病院で糖尿病治療に従事。佐倉病院が腎臓を強みとしていたことから、アメリカでの学びも生かして糖尿病に端を発する腎臓病まで包括的な診療を行った。2004年から国立千葉東病院診療部長となり、現在の同院における糖尿病治療、および腎臓内科との連携の礎を築く。副院長を経て、2020年より現職。

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