医療法人聖仁会 西部総合病院
(埼玉県 さいたま市桜区)
百村 伸一 院長
最終更新日:2025/12/22


充実のフォロー体制で地域の医療を支える
さいたま市や春日部市にて、病院や在宅ケアセンターなどを展開する聖光会グループの一つとして1980年に開設された「西部総合病院」。二次救急など急性期に対応する一方、回復期や慢性期までをサポートするケアミックス型の病院として地域に根づく。多様な症状に対応するため、急性期治療では脳卒中や骨折、心不全、肺炎など高齢者に多い疾患に対応するほか、糖尿病などニーズの高い疾患に特化した外来も開設しているのが特徴だ。入院では急性期病棟、地域包括ケア病棟、回復期リハビリテーション病棟、医療療養病棟と4種類の病棟機能を併せ持ち、入退院時の患者へのサポートや緊急時の受け入れをスムーズにするなど、医療と介護、在宅医療の橋渡しの実践に尽力。また、百村伸一院長が就任してから「心臓リハビリテーション室」「睡眠時無呼吸の外来」の他、一次検診で異常が指摘された患者をフォローするための「二次検診の外来」を新設。「地域住民の方の健康を支える仕組みを構築していますので、安心して受診してください」と語る百村院長に、力を入れている二次検診や地域の医療機関との連携、今後の展望などについて聞いた。(記事更新日2025年11月11日)
こちらの病院の特徴について教えてください。

当院は地域に密着したオールラウンダーとして急性期から回復期、慢性期までをサポートすることで、医療と介護、在宅医療の橋渡し役を担っています。急性期、地域包括ケア、回復期リハビリテーション、医療療養の4つの病棟機能を生かして患者さんを支えています。外来では各疾患に特化した診療の充実を図り、糖尿病は日本糖尿病学会糖尿病専門医が毎日診療を行っています。その他、甲状腺や副腎、下垂体などの内分泌疾患を専門的に診る外来もあります。加えて、内科や脳神経外科、泌尿器科での再診を対象としたオンライン診療や、64列CTの導入など、より良い医療を提供するための環境を整備しています。脳卒中や骨折、心臓病の患者さんには、社会復帰をめざして回復期リハビリテーション病棟で密度の高いリハビリテーションを受けていただきます。また、新型コロナウイルスやインフルエンザワクチンの接種業務にも積極的に取り組んでいます。
心不全治療と予防への取り組みについて教えてください。

心不全では急性期の治療に加え、回復期の心臓リハビリテーションが極めて重要であり、包括的リハビリテーションの実施によって再入院率や死亡率の減少が期待できることが明らかになっています。当院でも2025年4月より心不全を中心とした心臓病の患者さんを対象としたリハビリテーションを開始し、特にフレイルや栄養失調を併せ持つ高齢患者さんに対しては、運動療法だけでなく、栄養管理、生活環境の調整、心理的サポートなど、多職種が連携する包括的アプローチを実践しています。また予防の取り組みも重要です。心不全は高齢化に伴い増加していますが、その危険因子には高血圧、糖尿病、慢性腎臓病といった生活習慣病が大きく関わります。当院ではこれら基礎疾患の管理を強化するため、高血圧に対応する循環器の外来や、コレステロール管理も含めた糖尿病内分泌の外来の体制をさらに充実させ、心不全の発症予防と再発防止に取り組んでまいります。
睡眠時無呼吸症候群への取り組みについて教えてください。

睡眠時無呼吸症候群は夜間に10秒以上呼吸が止まる状態で、気道が塞がることで生じる閉塞性と、心不全や脳疾患により呼吸中枢の指令が低下して起きる中枢性に分類されます。特に閉塞性睡眠時無呼吸症候群は、肥満、首周りの脂肪、扁桃肥大などに密接に関連し、日中の強い眠気だけでなく、高血圧や心不全などさまざまな心血管疾患の危険因子として重要視されています。重症例を適切に診断し治療することで、生活の質が大きく改善することが見込めるだけでなく、心臓や血管の病気の予防にもつながることが示唆されています。当院では睡眠時無呼吸症候群専門の外来を毎週月曜日午前に設けており、自宅で実施できる簡易検査を用意しています。また、より精密な検査が必要な方には金曜日夕方からの1泊検査入院にも対応しています。大きないびきや夜間の呼吸停止、日中の眠気でお悩みの方は、どうぞお気軽にご相談ください。
二次検診の役割と患者にとってのメリットは何ですか?

二次検診は、一次検診で血液検査や画像検査に異常が見つかった方に対し、その結果を改めて評価し、必要に応じて精密検査や治療へとつなぐ重要な役割を担っています。C(要精密検査)やD(要治療)と判定されても、かかりつけ医がなく次にどう進めばよいかわからず、不安を抱えたまま時間が過ぎてしまう方は少なくありません。当院では一次検診のデータと比較しながら再検査を行い、異常が確認された場合には適切な専門診療へスムーズに移行できるよう、「二次検診の外来」を設置しています。内科や循環器を中心に、必要に応じて消化器・呼吸器などの専門科へ振り分ける体制を整え、地域の方々が迷わず次のステップに進める環境づくりを重視しています。予防医学を担う検診センター、治療部門、在宅医療を一体的に展開する当院だからこそ、患者さんの安心や、適切な医療につながる点が大きなメリットだと考えています。
今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

当院では、専門治療や高度な検査が必要な場合には近隣の医療機関へ紹介し、逆に通院の利便性を優先したい患者さんには、フォローアップ可能な状況であれば地域のクリニックを案内するなど、院内外を含めた適切な振り分けを行っています。急性期病院や地域のクリニックとは会合や勉強会を通じて情報共有を図り、顔の見える関係づくりを大切にしながら地域連携を強化しています。今後もこの交流を積極的に推進していく方針です。また、軽微な異常でも放置すれば重症化する可能性があるため、早期介入と早期治療が重要です。検診に抵抗を感じる方もいますが、早い段階で異常を把握することは健康寿命を延ばし、生活の質を向上させるために不可欠です。当院では地域包括支援センターの運営や認知症支援、市民講座などを通じ、地域住民の健康維持に今後も貢献していきたいと考えています。

百村 伸一 院長
1976年、東京大学医学部卒業。東京大学医学部第二内科に入局後、関東中央病院内科や虎の門病院循環器センターなどへの在籍を経て、2006年には自治医科大学附属さいたま医療センター循環器科教授に、2012年には自治医科大学附属さいたま医療センター長、そして2020年にはさいたま市民医療センター院長に就任。2025年より現職。自治医科大学名誉教授。日本循環器学会循環器専門医。





