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神奈川県厚生農業協同組合連合会 伊勢原協同病院

(神奈川県 伊勢原市)

鎌田 修博 病院長

最終更新日:2021/11/29

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「患者さんに優しい病院」を基本理念に

病院開設から50年以上、伊勢原市をはじめ隣接する秦野市など人口約58万人の湘南西部エリア医療圏を支えてきた「伊勢原協同病院」。地域医療の中核を担ってきた同院は2014年に現在の場所に移転。これを機に、より高度な医療環境を整備し回復期リハビリテーション病棟、緩和ケア病棟も新設。東海大学医学部付属病院に隣接する同院は、医療機関の役割分担として求められている地域医療支援病院としての使命を実践すべく、近隣の医療機関と連携しながら、身近な外傷や疾病をはじめ、入院・手術といった高度な加療を必要とする疾患にも積極的に対応している。2020年7月から同院を牽引する鎌田修博病院長は、二次救急病院として数多くの患者を受け入れる救急医療体制、消化器系疾患診療、小児・周産期医療、整形外科診療を中心とした同院の強みを生かし、さらなる体制・環境の充実に向け取り組んでいる。「患者さんがかかりたい病院は、一人ひとりの職員がかかりたいと思える病院」と話す鎌田病院長に、同院の強みや地域医療における役割、これからの時代、患者から信頼され、選ばれる病院であるための医療への取り組み方などを聞いた。(取材日2021年11月2日)

貴院の特徴と強みをお聞かせください。

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当院は伊勢原市の人口約10万人に周辺地域の住民を加えた約58万人を担う医療圏の中核病院です。東海大学医学部付属病院に隣接しているため、同大学病院の三次救急、当院の二次救急と機能を振り分けた役割分担を求められ、内科、外科系、小児科では24時間365日体制で患者さんを受け入れています。高齢者が多い地域ですので、循環器、呼吸器、消化器、整形外科疾患をはじめ、男性であれば前立腺疾患など、高齢者に対する医療の提供は当院の大きな役割でもあります。医師の派遣に関しては慶應義塾大学、北里大学、杏林大学などと連携がありますが、特に東海大学からは多く、急性期後のリハビリテーションを当院回復期リハビリテーション病棟が担うなど、患者さんのスムーズな移動、紹介に努めています。今年に入り新たに耳鼻咽喉科と神経内科には常勤の先生が加わり、麻酔科の充実により外科の各科が手術で力を発揮できていることも当院の強みの一つです。

特に力を入れている領域、重視していることは何でしょう。

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診療体制としてマンパワーに恵まれている消化器系、整形外科を中心に大学病院にも引けを取らない専門的な治療を追求しており、当院の中でも充実している領域といえます。また、小児の二次救急には力を入れており、小児科の常勤医師5人と大学病院からの複数の応援医師で日々対応にあたっています。近隣に小児の二次救急を受け入れる病院が足りていないことは、日本の未来にも関わってくることですので非常に大きな問題です。そういったこともあり、小児の診療は注力しています。地域の皆さんに安心して医療を受けていただくための僕の信念は「自分がかかりたい病院」であることです。そこで、職員の皆さんにお願いしているのは、今、自分がやっていること、言っていることを患者さんの立場で考えてみること。自分がかかりたい病院が、患者さんにとっても「かかりたい病院」だと考えれば、判断基準にも自信が持てるのではないでしょうか。

病院長ご就任に伴い、新たな外来を開始されたと伺っています。

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病院長業務が多くはなりますが、もともと手術が嫌いなほうではないですし、自分自身の医師としての力を生かすことにも取り組みたいと考え、側弯症と胸郭出口症候群に特化した外来を行っています。特に胸郭出口症候群を診る外来は全国でも数が少なく、患者さんが診療を受けられる病院も限られています。疾患的に数が多いわけではありませんが、多くの不定愁訴があるため診断が難しく、他の病気の可能性を探って病院を転々としたり、精神科に通われているケースもあり、病名がわからないまま悩んでおられる方もいらっしゃると思います。胸郭出口症候群に関する講演会も行っていますが、整形外科の先生方だけでなく、精神科やペインクリニックの先生方にもアピールして、この疾患について知っていただくことで、困っている患者さんを救いたいという気持ちが大きいですね。

地域医療を充実させるために取り組んでいることは何でしょう?

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病診連携においては2019年11月に地域医療支援病院となったこともあり、地域医療連携室を中心に近隣の医療機関と日常的に連携を図っています。地域医療支援病院は70%以上の逆紹介率をクリアしなければいけないという義務があるため、周辺の医療施設、かかりつけ医の先生方へ積極的に患者さんを戻すことが求められます。当院の各医師が専門性を発揮した上で、大学病院や、かかりつけ医の先生方との紹介・逆紹介を円滑に行い、地域全体で取り組むチーム医療で総合的な力を発揮することをめざしています。幸い当院には意識の高いスタッフが多く、例えば、感染症対策として入り口で発熱のある患者さんとそうでない患者さんの振り分けを行っていますが、病院のゲートキーパーとしてスタッフ自らが積極的に続けてくれています。また自治体と連携し新型コロナウイルス感染症のワクチン接種や児童健診を行うなど、地域の方々への医療提供も心がけています。

今後の展望、地域医療にかける思いをお聞かせください。

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AI、ICTの進化など、医療や介護を取り巻く環境がどんどん変化していく中で、患者さんには今まで医療施設に対して抱かれていた固定観念を変えてほしいと思います。一方、医療者はこれまで積み重ねてきたことをただ漫然と続けているだけでは、時代のニーズに遅れてしまいます。患者さんにより良い医療やサービスを提供するために日々、新しい情報も取り入れて、少しづつでも変化していくのが良い医療機関だと思います。最先端ではなくても、先進的な医療やサービスを提供したい。医療機関側がもう一歩努力できるモチベーションは、そういうところにあるのではないでしょうか。

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鎌田 修博 病院長

慶応義塾大学医学部卒業後、同大学病院の整形外科に入局。横浜市の「けいゆう病院」に23年間勤務し、副院長を務める。同院の第9代病院長として2020年7月より現職。脊椎脊髄外科を専門とし、全国でも数少ないといわれる胸郭出口症候群に特化した外来を同院で開始。病院長職だけでなく医師として診療にもあたる。日本整形外科学会整形外科専門医。日本整形外科学会副理事長。医学博士。趣味はゴルフとランニング。

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