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医療法人徳洲会 千葉徳洲会病院

(千葉県 船橋市)

池田 佳広 院長

最終更新日:2023/09/29

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救急・がん・リハビリテーションで地域貢献

1986年に船橋市北習志野の地に病床数200床で開院した「千葉徳洲会病院」。2014年7月に現在の地に移転し、447床を有する中核病院として徳洲会グループの「生命だけは平等だ」の理念のもと、地域密着の急性期医療に取り組んでいる。救急・がん・リハビリを3本柱とし地域ナンバーワンになることを目標に掲げる同院では、ロボット支援手術や、腹腔鏡治療、定位放射線治療など高度な医療を提供。さらに回復期リハビリテーションや緩和ケアなど、急性期の治療を終えた患者が地域に戻って自分らしく過ごすためのサポートにも力を入れ、切れ目のない医療を実践している。2023年4月に就任した池田佳広院長は、循環器内科の医師としてカテーテル治療などを得意とする傍ら医療経営学にも精通し、これまで宇和島徳洲会病院、鹿児島徳洲会病院の状況を好転させてきた。その知識と経験で、同院のさらなる飛躍をめざし、あらゆる角度から病院の改革に取り組む。やりたい医療ではなく必要とされる医療とは何かを追求し、病院の強みを伸ばしていきたいと話す池田院長に、同院の現状とめざす姿を聞いた。(取材日2023年7月6日)

重点医療の一つである救急にはどのように取り組んでいますか?

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まずはここ数年、新型感染症の影響もあり減りつつあった救急車の受け入れ台数を昨年の3500台(2022年1月〜12月)から、ピーク時の4700台(2019年1月〜12月)まで戻したいと考えています。当院は二次救急病院のため、どうしても三次救急の施設にはかなわない面もあるのですが、外科治療に強いことや先端の設備がそろっているなどハード面の充実から考えると、十分に救急で地域ナンバーワンをめざせると自負しています。残念ながら救急専門の常勤の医師はいないのですが、非常勤の救急専門の医師が毎日来てくれていて、12床あるICUも満床に近い状態になっています。また、循環器内科では私を含む3人の医師が心臓カテーテルをはじめとする緊急処置ができるので、24時間体制で心臓救急に対応しています。救急を断らないのは徳洲会のモットーでもあります。職員一同、心機一転、救急医療の充実を図ってまいります。

がん医療や回復期リハビリテーションについてはいかがでしょう。

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当院は代々外科系の院長が多く、その先生を慕ってここへ来た先生もいるため、消化器外科の医師は8人と充実しています。消化器内科では消化管のがんを中心にロボット支援手術や腹腔鏡手術など専門的な治療を行っているほか、泌尿器科や婦人科でも腫瘍の治療を得意としており、入院患者さんの約30%ががん患者さんとなっています。手術のほか、緩和ケア病床24床、放射線治療もそろっており、がんの集学的治療を実践しています。今後は呼吸器外科の医師が増える予定で、これまで以上に多くの肺がんの手術に対応できればと考えています。回復期リハビリテーションについては30年以上の歴史があり、規模の大きい病院ではありますがリハビリ目的の紹介患者さんも増えています。2021年には回復期リハビリ病棟を102床に増床しました。今後はセラピストを増員し、病床をフル稼働して、地域のニーズに応えていきたいです。

地域の医療体制についてはどのようにお考えですか?

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この地域は大規模病院もそれほど多くなく、当院も循環器内科や外科を中心に地域からたくさんの患者さんをご紹介いただいています。私が院長に就任した時点では、447床に対してまだまだ病床には余裕があったので、とにかく急性期の患者さんを受け入れてきましたが、地域には急性期を終えた後の慢性期の病院や施設が少なく、長期的なサポートが必要な患者さんの送り先の確保が難しいことが課題になっていました。そこで当院では、徳洲会グループの介護老人保健施設である「千葉徳洲苑」や「はさま徳洲苑」と連携し、患者さんをスムーズに移行できるようにしました。病院としてはもっと急性期病院をうたっていきたいと思っているのですが、今はまだその過程にあるといえます。前任地である鹿児島徳洲会病院で在院日数を4日短縮してきた経験を生かし、当院でも2023年7月現在の平均である15日からより短くしていけるように取り組んでいければと思います。

これまでの経験を生かしてどのように改革を進めていかれますか?

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前述したように紹介患者さんは多く、いわば自然に患者さんが集まってくるような状態なのですが、これまでは感染症対策などを理由に受け入れをお断りすることも多々ありました。ですから、まずはとにかく断らないこと。現状に甘んじることなく、困ったら私のところに相談に来るようにと伝えています。また、非常勤の先生も含めてある程度人員が充足されていることで、医師事務作業補助者がほとんど機能しておらず、医師が担う業務が多いのが現状です。そこで、タスクシフトを進め、無駄を省き業務の効率化を図っていきたいと考えています。これは私が得意とするところで、鹿児島徳洲会病院や宇和島徳洲会病院での成功例をもとに改善していきたいです。具体的な目標を定めて、求められている医療を行う、それを徹底してまいります。

最後に、今後の展望や病院としてめざす方向性を教えてください。

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多様な救急のニーズに応えるため、循環器内科、脳神経外科、整形外科をさらに充実させていきたいです。特に脳神経外科では、これまで回復期に力を入れて取り組んでいたことに加え、医師を増やすことで緊急性の高い患者さんをより多く受け入れることができます。脳神経外科や循環器内科の急性期が増えればより急性期病院としての特徴をより強く打ち出せるので、人員の補充に努めていきたいです。理想は、手術メインに急性期医療で頼られる存在となり、病態が落ち着いた患者さんはどんどん地域へ戻っていただくということですが、地域密着の病院としては、回復期リハビリテーションや、看取りを含む緩和ケアまでを一貫して提供できることも強みであると考えています。できることは自分たちで、あとは地域の医師会や大学病院と協力しながら、地域密着の医療を展開していきたいです。

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池田 佳広 院長

1999年札幌医科大学卒業。同大学附属病院第二内科入局。北海道内の複数の病院で勤務し、2011年国際医療福祉大学大学院に入学。東大宮総合病院(現・彩の国東大宮メディカルセンター)、宇和島徳洲会病院院長、鹿児島徳洲会病院院長を経て、2023年より現職。医学博士、h-MBA(医療経営学修士)。日本循環器学会循環器専門医。専門は心不全などの重症患者の全身管理、心臓カテーテル検査・治療。

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