医療法人社団創進会 みつわ台総合病院
(千葉県 千葉市若葉区)
中田 泰彦 病院長
最終更新日:2026/08/12


救急を軸に地域医療を支え続ける病院
1988年に開院した「みつわ台総合病院」。開業以来、救急医療を軸に地域医療に貢献してきた病院だ。2012年から同院を率いる中田泰彦院長は、創始者が掲げた基本理念を常に心にとどめ、弱者に寄り添う医療を追求してきた。「当院は、『高い徳性と深い知性を培い、生命の尊厳に寄与する』という理念を掲げています。専門職として、医師や看護師が技術と知見の向上に励むのは当然のこと。この理念は、弱者に寄り添う道徳心と知性がそのベースにあるべきだと思い出させてくれます」と中田院長。近年は検査棟の整備によりCTを2台体制とし、AI機能を備えた内視鏡機器も導入。さらに救急科外来の拡充も進め、受け入れ体制の強化を図っている。地域の病院としての思いや、「断らない救急」への歩みについて話を聞いた。(取材日2026年6月30日)
1988年の開業から、長く地域医療をけん引されていますね。

開業以来、救急医療を中心に地域医療に貢献するべく機能の充実を図ってきました。現在では、内科、消化器内科、循環器内科、消化器外科、脳神経外科、整形外科など幅広い診療科を設置しています。救急で受け入れた患者さんを適切な診断や治療につなげ、その後の在宅復帰まで支えることが当院の大きな役割です。リハビリテーション職は60人以上在籍し、理学療法士を中心に作業療法士、言語聴覚士も配置しています。近年は高齢の患者さんが増えていることもあり、身体機能の回復だけでなく、栄養状態も含めて支援することが重要になっています。退院後に必要な医療と介護を継続的に受けられるよう、慢性期の病院や介護老人保健施設とも連携し、急性期から回復期、その先の暮らしまで見据えた医療を提供しています。地域の医療機関や福祉施設とも連携を深め、必要な支援につなげています。
近年は施設面の整備も進められているそうですね。

検査棟の整備に伴いCTを増設し、2台体制としました。当院は救急搬送の受け入れが多く、救急患者さんの診断にCT検査を要する場面も少なくありません。従来は機器の不具合や修理が生じた際、検査の中断が発生し、外来予約患者さんや救急診療に影響することが課題でした。複数台で運用することで、検査体制の安定化を図り、中等症以上の患者さんにも遅滞なく対応できる環境を整えています。また、これまで外来患者さん用と人間ドック・健診患者さん用に分かれていた内視鏡室を集約し、内視鏡部門として再編しました。動線を整理し、準備や洗浄などを担うバックヤードの機能も高めています。新たに導入した内視鏡機器にはAIによる観察支援機能が装備され、検査中に粘膜の変化が疑われる部位を検出します。微細な病変を見逃さないための一助として活用し、検査精度のさらなる向上につなげていく考えです。
救急搬送の受け入れ体制も、さらに強化されているそうですね。

2012年の院長就任時から救急医療を病院の柱と位置づけ、地域で緊急時に頼れる体制づくりに取り組んできました。長年多くの救急搬送を受け入れて続けています。救急専任の常勤医に加え、千葉大学医学部附属病院や順天堂大学医学部附属浦安病院などからの非常勤医、さらに内科・外科の医師が日々対応にあたり、院内外の力を生かした受け入れ体制を築いています。今後は救急科外来の拡充も予定し、現在3床を基本とする救急室を7床まで広げる計画です。点滴などを行いながら経過を観察するリカバリールームも確保し、搬送後の処置や観察まで一連の流れで対応できる環境を整えます。また、帝京平成大学で救急救命士をめざす学生の実習を毎年受け入れ、現場で学ぶ機会を提供するなど、救急医療を担う人材の育成にも継続して関わっています。
各診療分野で力を入れている取り組みについて教えてください。

消化器外科では、私の専門である腹腔鏡下手術を大きな柱としています。胃がんや大腸がん、直腸がん、鼠径ヘルニア、急性虫垂炎、腸閉塞、膵がんなどに対し、できるだけ体への負担を抑えた治療を地域で提供してきました。胆石症や急性虫垂炎では単孔式腹腔鏡手術にも対応しています。近年は大腸肛門領域に研鑽を積む副院長のもと肛門疾患の手術も増え、痔核や裂肛、痔ろうに加え、高齢者に多い直腸脱など、相談しづらい症状にも丁寧に向き合う体制を整えています。また、高齢患者さんの多い地域性を背景に、整形外科領域も同院を支える重要な柱の一つです。手術にも多く対応し、大腿骨頸部骨折や変形性脊椎症、手の外科手術などに対応。術後はリハビリテーションへ円滑につなげ、栄養サポートチーム(NST)による栄養管理も組み合わせながら、身体機能の回復と在宅復帰を多職種で支えます。急性期から回復期まで、切れ目ない支援をめざしています。
今後の展望と読者へのメッセージをお願いいたします。

地域の医療ニーズや社会情勢は絶えず変化し、病院もその時々に求められる役割を見極めながら機能を整えていく必要があります。当院は現在261床を有し、リハビリテーションにも力を入れています。今後は地域の状況を踏まえ、回復期病棟を増やし、急性期病棟の在り方を見直すことも選択肢の一つになると考えています。救急や急性期医療を支えながら、治療後の回復、在宅復帰までを見据えた体制をより充実させていきたいですね。併せて、地域との接点づくりにも力を入れてまいります。整形外科で実施した健康教室は、今後も定期的に行いたい取り組みの一つです。地元のお祭りにも、協賛にとどまらず健康相談のブースを設けるなど、顔の見える関係を築いていければと思います。24時間365日の救急対応を続け、困った時に頼れる病院として、地域の皆さんの日々の安心をお支えいたします。

中田 泰彦 病院長
1988年日本大学医学部卒業後、日本大学医学部附属板橋病院や東松山市立市民病院などに勤務。専門は消化器外科、肝胆膵外科、腹腔鏡手術。1999年よりみつわ台総合病院に勤務し、2012年より現職。救急医療と腹腔鏡手術の普及、医療連携の強化に力を入れる。日本外科学会外科専門医。患者をはじめ病院スタッフとのコミュニケーションを重視した病院運営に取り組む。
自由診療費用の目安
自由診療とは人間ドック/4万8400円~





