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国家公務員共済組合連合会 平塚共済病院

(神奈川県 平塚市)

稲瀬 直彦 院長

最終更新日:2024/11/11

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湘南西部で地域医療支援病院の役割を果たす

1919年開設の海軍共済組合平塚診療所に始まり、現在は国家公務員共済組合連合会が運営する医療施設の一つとなった「平塚共済病院」。同院では「患者が安心でき、地域から信頼される病院」を基本理念に、平塚市や近隣の地域が必要とする医療の提供をめざしている。救急医療、脳神経領域、循環器領域を中心に、がん診療や整形外科などにも注力。2019年から院長を務める稲瀬直彦院長は「地域医療支援病院を一番の役割と考え、地域の先生方から専門的な治療が必要な患者さんをご紹介いただき、治療後は地域にお戻しするという連携を大切にしています」と話す。加えて同院では多様な診療科に加え、緩和ケア病棟の開設などで診療体制の充実を図ると同時に、市内で同規模の平塚市民病院、退院後の患者を支える在宅医療・在宅介護との協力体制も重視する。「地域の医療資源をフルに活用して、地域で医療が完結するよう努めたい」と語る稲瀬院長に、同院の特徴や地域連携での強み、今後の展望などを詳しく聞いた。(取材日2024年10月11日)

この病院の特徴や地域での役割を教えてください。

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平塚市をはじめ大磯町、二宮町などを対象に、救急医療や専門医療を提供する急性期病院です。さらに地域医療支援病院として近隣の医療施設や介護施設と密接に連携し、必要に応じて患者さんをご紹介いただき、平塚市民病院や大学病院とも協力して地域の中で医療が完結できるよう努めています。基本理念に「患者が安心でき、地域から信頼される病院」とあるように、「ここに来てよかった」と思っていただける丁寧な診療をめざし、例えば1階の入口近くには地域連携や患者さんのサポートを担う部署をわかりやすく配置しました。診療の特徴は救急医療、脳神経領域、循環器領域を中心に、地域が求める医療を広くカバーしていることで、手の外科、乳腺・甲状腺の診療などにも強みがあります。がん診療では地域の拠点病院でもあり、呼吸器、消化器、乳腺、泌尿器、血液系など多様ながんに対して標準治療を適切に組み合わせる集学的治療を行い、緩和ケアも提供します。

救急、脳神経、循環器の各分野にはどんな特徴がありますか?

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当院は「断らない救急医療」を目標に、病院群輪番制のもと担当日には24時間体制で診療にあたっています。救急の患者さんは内科、外科、脳神経領域、循環器領域の医師が担当し、可能なら脳卒中には薬による血栓融解や血管内治療、心筋梗塞にもカテーテルによる血管内治療を試みます。脳神経領域は脳神経内科と脳神経外科の連携により、くも膜下出血、脳出血、脳梗塞といった脳血管の病気に加え、未破裂の脳動脈瘤、脳腫瘍、外傷などを治療。循環器領域では循環器内科と心臓血管外科が連携して、狭心症や心筋梗塞のほか、不整脈のカテーテルアブレーション治療、弁膜症の手術などを行います。脳神経領域、循環器領域とも医師やスタッフの数は多く、専用のICUと病棟も備え、地域で高まる医療ニーズに応える診療体制に特徴があります。さらに当院に登録した先生方や救急隊から医師が直接連絡を受けるホットラインも開設して、より迅速な対応を図っています。

がん診療をはじめ、ほかの診療内容についてお聞かせください。

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胃がん、大腸がん、乳がん、肺がんのほか、前立腺や膀胱のがん、悪性リンパ腫など、当院のがん診療は多岐にわたります。内視鏡を用いたがんの早期発見や治療にも以前から熱心に取り組み、消化器領域では肝臓・胆道・膵臓を専門とする医師が着任して治療件数も増えました。外科治療、薬物治療、放射線治療という標準治療をすべて実施可能な体制で、これまで行っていた緩和ケアは2025年には緩和ケア病棟を設けてさらに力を入れる予定です。呼吸器内科では睡眠時無呼吸症候群を専門的に診る外来のニーズが高く、ご自宅での簡易検査後、必要なら当院で入院検査も行い、病気と診断された患者さんにはCPAPによる治療も提供しています。整形外科領域では高齢の患者さんの骨折治療や人工関節置換術に加え、手先から肩までのケガや痛み、しびれなどは手の外科を得意とする医師の専門的な診療が受けられ、県外の医療施設からのご紹介も多くなっています。

地域医療支援病院として地域とはどう連携されていますか?

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私は2019年から当院の院長を務めていますが、多くの患者さんは当院と平塚市民病院で診療し、より専門的な医療は大学病院が対応するなど、医療連携が非常に良好な地域だと感じています。そうした中で当院は平塚市医師会にも加わって地域の先生方と「顔の見える関係」を築くほか、登録医の皆さんには患者さんを紹介いただく参考になるよう、勉強会などで当院が得意な治療を定期的に情報発信しています。さらに受け入れ窓口となる医療連携室では電話でご紹介の連絡が可能で、夕方以降も連絡を受けられるようシフト制でスタッフを配置しました。一方、退院時には当院の入退院支援室が患者さんの経済的・社会的な問題のご相談を受け、ご自宅以外への受け入れが必要な場合は湘南西部病院会の連携システムも活用し、回復期病院など適切な受け入れ先をご提案します。加えて在宅医療を担う訪問看護や介護施設など多職種との連携にも力を入れています。

今後の展望や地域の皆さんへのメッセージをお願いします。

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当院には脳卒中、心不全や心筋梗塞、多様ながんなど、今後も増え続ける病気の治療を得意とする診療科がそろい、救急医療や整形外科なども充実しています。さらに2025年開設予定の緩和ケア病棟では、これまで以上に多くの患者さんに緩和ケアをご提供できる予定です。こうした診療体制のもと地域医療支援病院の役割を一番に考え、時代ごとに変化する疾病構造や医療ニーズに対応しつつ、地域に必要とされる病院であり続けることを目標にしています。もちろん患者さんの在宅医療や在宅介護を担う皆さんとの協力も重視し、「いつもは在宅で、何かあったら当院で」という地域連携を一層強めていきます。病院運営では職員のライフステージに合った多様な働き方ができる職場づくりに配慮しつつ、地域の皆さんからのご意見も参考に必要な点は改善を図っていくつもりです。理念である「安心でき、信頼できる」病院として、多くの皆さんに利用していただきたいですね。

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稲瀬 直彦 院長

1985年東京医科歯科大学医学部卒業。同大学病院や国立がんセンター内視鏡部、横須賀共済病院呼吸器内科で研鑽を積む。米国留学を経て母校に戻り、統合呼吸器病学分野教授や副医学部長を歴任。2017年10月平塚共済病院副院長に就任。2019年4月より現職。専門は呼吸器内科、間質性肺炎、過敏性肺炎、睡眠時無呼吸症候群。平塚市在宅医療介護連携推進協議会の委員も務める。趣味はバイオリンやビオラなどの弦楽器演奏。

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