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医療法人社団公仁会 大和成和病院

(神奈川県 大和市)

倉田 篤 院長

最終更新日:2020/11/25

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高度な循環器治療で地域のニーズに応える

「大和成和病院」は心臓・循環器疾患の治療に特化した専門病院で、地域の医療機関や近隣のクリニックからの紹介患者を中心に、院内のハイブリッド手術室やカテーテル室を利用し、患者の体への負担が少ないカテーテル治療、心臓弁膜症の外科治療や冠動脈バイパス手術、大動脈瘤手術などを行っている。倉田篤院長は「これからも循環器内科と心臓血管外科が密接に協力し、頭頸部を除く全身の血管治療など地域のニーズに応える治療を行いたい」という。「高齢者のフレイルの一つに血行障害による運動能力の低下がありますが、当院では全身を対象とした血管治療を通じてそれを少しでも解消したいと考えています」。またリハビリテーション科を設置し、心臓リハビリテーションによって早期の社会復帰・自宅復帰をめざす点も特色。「加えて在宅療養中の患者さんが生活に不自由を感じないよう、心機能や身体機能を維持するために通院での心臓リハビリも強化する予定です」。さらに心臓・循環器疾患の患者は24時間365日受け入れるなど、心臓・循環器疾患の高度医療とともに、地域医療に幅広く貢献する同院の取り組みについて聞いた。(取材日2018年2月7日)

こちらの病院が地域で果たす役割などをお聞かせください。

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一つには当院がある大和市を中心に、心臓・循環器疾患治療に強いかかりつけ病院という役割を持っています。住民の皆さんを普段から診ておられるホームドクターと連携し、心臓・循環器疾患が疑われたらすぐ紹介いただき、カテーテルによる血管内治療も含む高度な医療をご提供します。もちろん当院で対応が難しい場合は適切な大学病院・総合病院といった治療先をご紹介しています。手術後は早期の社会復帰をめざして心臓リハビリを行い、患者さんの退院後もホームドクターと相談しながら、QOL(生活の質)が落ちないよう通院の心臓リハビリテーションで支援するなど、住民の皆さんが心臓・循環器疾患で命を落としたり、寝たきりになったりしないよう地域全体で支えたいと考えています。加えて当院は循環器に特化した急性期病院として24時間365日対応し、心筋梗塞や急性大動脈解離などで緊急手術が必要な患者さんを随時受け入れています。

心臓・循環器疾患の治療ではどのような特色がありますか?

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循環器内科によるカテーテル治療から、心臓血管外科による外科手術やステントグラフトを使った血管治療まで幅広い治療の選択肢があり、さらに内科と外科が協力してより高度な治療を実践できることが特色です。外科手術による心臓弁の形成・置換は当院でも数多く行っていますし、カテーテルが使えず外科手術で対応していた症例では一部を外科的に処置し、その前後は体への負担が少ない血管内治療を組み合わせることが可能になりました。また循環器内科の土井尻達紀先生を中心とした治療チームでは、脳動脈と頸動脈以外の全身を対象とする末梢血管のカテーテル治療(EVT)にも力を入れ、間欠性跛行や重症下肢虚血といった下肢の血管病に有効とされる治療も行っています。末梢血管の血管病は糖尿病や腎臓病の患者さんが併発されることも多く、透析を行う医療機関からのご紹介も増えました。今後も多様な血管病に対しカテーテル治療を適用したいと考えています。

ここ数年でこちらの治療も大きく進化したそうですが?

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ええ、それは医療技術の進歩に加え、医師やスタッフが充実したことも大きな要因です。2017年に循環器内科に加わった柴山健理先生は不整脈が専門で、突然死にもつながる不整脈の適切な診断とカテーテルによる治療が可能になりました。また心臓血管外科には同年、日本血管外科学会心臓血管外科専門医の乗松東吾先生が加わりました。心臓血管外科といっても実際には心臓の大動脈以外に全身の動脈・静脈、末梢血管まで治療対象は広がっており、治療方法も開胸・開腹手術のほかカテーテルによるステントグラフト内挿術なども使用されるなど進化していますが、乗松先生はこうした血管治療が得意。今後は循環器内科との協力体制で、患者さんの体への負担が少ない治療をさらに進めたいと考えています。さらに末梢血管の治療に欠かせない血管造影装置DSAの導入、高性能の検査機器を備えたカテーテル室の増室など設備面でも増強を図ってきました。

心臓リハビリテーションについて詳しく教えてください。

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整形外科的なリハビリは知られていますが、心臓・循環器疾患の治療後のリハビリも非常に重要で、適切な時期から始めることで体力の回復も早まり、安心して退院していただけます。このため当院では専任の医師1人、理学療法士5人が、患者さんの症状や体力に合わせた回復プログラムを提供しています。さらに今後は在宅療養中の患者さんに向けた、通院での心臓リハビリもお引き受けする予定です。高齢の方もご自宅で無理なく暮らせるよう、心機能や身体機能を維持していただくことが目的で、その中から慢性心不全などの兆候をすくい上げ、病気を悪化させない指導も行いたいと思います。在宅療養の担当医師、栄養指導を行う管理栄養士、服薬指導を担う薬剤師、在宅介護の在宅支援ステーション、介護プランを作るケアマネジャーといった多職種の協力を仰ぎ、地域のニーズに応えながら、当院の心臓・循環器治療という専門領域を地域医療に生かしたいと考えています。

最後に受診のアドバイスや地域へのメッセージをお願いします。

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当院は心臓・循環器疾患の高度な治療を、より多くの患者さんに身近な場所で提供することが目標です。近隣のホームドクターとも情報交換し、当院で治療可能な疾患の幅広さもお伝えして、適切なご紹介につながるよう連携を深めています。また地域の皆さんには「カテーテル治療の基礎」「弁膜症を知る」など、医学知識を紹介する医学講座を月1回実施するほか、皆さんからの質問に医師がメールで回答する「心臓 相談室」もホームページで受け付けます。このように当院は地域に開かれた医院なので、気負わず楽な気持ちで受診していただきたいですね。今後ますます高齢化が進み、健康寿命をいかに延ばすかが地域医療では重要な課題です。当院では在宅療養中の患者さんがかかった循環器疾患の治療に加え、通院・通所の心臓リハビリテーションなどで「病気にならない医療」を提供し、高齢になっても安心して暮らせる地域づくりに貢献したいと考えています。

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倉田 篤 院長

1989年北里大学医学部卒業後、同医学部胸部外科入局。研修を経て、1993年榊原記念病院外科レジデント、1994年北里大学医学部胸部外科助手。1996年から大和成和病院心臓血管外科に勤務し、2010年病院長に就任。2013年副院長に就任、2014年3月から現職。日本外科学会外科専門医。

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