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医療法人社団葵会 AOI国際病院

(神奈川県 川崎市川崎区)

古川 良幸 病院長

最終更新日:2020/11/25

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先端医療と地域医療のハイブリット病院

2013年に川崎南部病院として新規開院し、2016年に「AOI国際病院」と改名し再スタートを切った同院。開院当初の地域に密着した医療というコンセプトを継承しながら、国家戦略特別区域高度医療提供事業を行う病院として先端医療に取り組んでいる。国家戦略特区とは、スピーディーな先進医療の実用化を促進するため、保険外併用療養特例、病床規制に係る医療法の特例を適用するもの。同院もこの選定を受け、循環器領域における再生医療、低侵襲治療機器を駆使した先端医療の提供をめざす。また、羽田空港に近いことから、ライフサイエンスを中心に世界水準の研究開発を行う企業・施設が終結した川崎市殿町の「キング スカイフロント」にも近い好立地を生かして、国際医療交流にも取り組んでいる。「一般急性期から療養、また終末期の看取りまですべてを自己完結できる病院として、地域の皆さまの人生に寄り添える病院でありたい」と話す古川良幸病院長に、日々の取り組みや地域や患者への思いを語ってもらった。(取材日2017年7月26日)

大きな強みである先端医療とはどのようなものなのでしょうか?

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一つは再生医療部門での、PRP (Platelet Rich Plasma)療法です。これは、自己血液を手術前に採血し、その血液から濃縮した血小板を採取して手術部位へと注入するという治療法で、わかりやすく言うと年をとった細胞や組織に再生因子を注射して若返らせることで元に戻すというような仕組みになっています。整形外科のほか、口腔外科のインプラント治療で取り組んでいます。もう一つは、リハビリテーションのロボットの導入です。神経疾患の領域についてはすでに保険が適用されるようになり、ALS、小脳変性症等の方にサイボーグ型ロボット の補助を利用してリハビリを行うことで、病気の進行が穏やかにすることができます。また、がんの免疫療法にも積極的に取り組んでおり、肺がんだけでなく、膵臓がんや消化器系のがんにも最後の手段として応用していきたいと考えています。

地域に密着した病院としてどのような取り組みをされていますか?

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多くの方に当院を知っていただくため、近隣の6つの町内会の方に病院を見学していただき、定期的に意見交換会を開催するなど、当院を身近に感じていただけるような機会や、診療科ごとの健康教室やイベントを定期的に開催することで、地域の皆さまと積極的な交流を図っています。地域住民の皆さまからの紹介でネットワークが広がり、患者さんも増えてきました。今後は眼科、耳鼻咽喉科、泌尿器科といった診療科の充実を図り、地域密着型でありながら先端の医療設備・医療技術を備えた「ハイブリッド型の病院」として幅広いニーズに応えていきたいです。病診連携については、開業医の先生がこの病院の施設を使っていただけるように登録医制度を設けて、検査や入院を通じて紹介・逆紹介も盛んに行っています。また、川崎市内だけではなく、当院の立地を生かした救急隊との連携で、アクアラインを利用して千葉県の木更津方面からも患者さんを受け入れています。

各診療科の特色や強みについて伺います。

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幅広く診療科をそろえた中規模病院でありながら、気軽に受診できるという点が当院の最大の強みだと思っています。もし何かあれば当院で検査から手術まで一貫して行い、必要に応じて大学病院などへのご紹介も可能です。設備面については、2015年9月に血管撮影と各種血管治療・手術に対応するハイブリッド手術室を開設し、先進の多軸型血管撮影装置も導入しました。通常の手術とカテーテルを使った血管内治療を同時に行うことができるようになったほか、カテーテル治療から外科手術への移行もスムーズになりました。何よりも、低侵襲で患者さんに負担の少ない治療ができることが大きなメリットです。また、脳卒中ホットラインを開設し、救急隊からの要請があれば迅速に受け入れ、症状により、開頭手術やカテーテル手術等の緊急手術にも対応しています。その他、羽田空港に近いことから、飛行機事故など予期せぬ災害を想定した訓練にも参加しています。

医師として院長としてのモットーは何ですか?

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大学病院時代は、専門である消化器外科分野の研究と臨床、学生の指導に明け暮れる毎日でしたが、当院では、じっくり患者さんの話を聞く時間を取れるようになり、病気だけでなく人間そのものを診ることができるようになりました。このことが何よりもうれしいことであり、やりがいでもあると実感しながら日々の運営と診療にあたっています。私がいつも考えているのは、医療は医師一人では成り立たないということ。医師の独断で診断・治療するのではなく、医師、看護師、コメディカルなど多職種で和を持って診療に当たるチーム医療を大切にすることを心がけています。一人の力には限界がありますが、いろいろな人がいれば1+1が10にもなります。二次救急も受け入れる中、診療科間の垣根のないチームワークの良さで多発性の外傷にも対応するなど、医療の現場で広く生かしていければと思っています。

今度の展望についてお聞かせください。

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また、地域の中核病院として、超高齢化社会にしっかりと対応していくため、近隣の開業医の先生および大学病院などとの病病連携を確立して、私たちにできることを模索していく必要があります。同時に、職員のモチベーションを向上させ維持していくことも非常に重要です。ミーティングなどを通じて、私たちが提供し得る高度医療がどのようなものかを理解し、先端の医療技術に携われることに誇りを持って働ける環境を整えていきたいですね。川崎市医師会とも協力し、川崎市市民が川崎市内で質の高い医療が受けられるように、高度医療の提供と地域密着を両立したハイブリッド型の病院として、患者さんのみならず職員をも惹きつける「マグネットホスピタル」をめざして努力していきたいです。

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古川 良幸 病院長

1982年東京慈恵会医科大学卒業。医学博士。専門は消化器外科。同大学病院で准教授まで務めた後、2011年に副院長として就任。2017年より現職。日本外科学会外科専門医、日本消化器病学会消化器病専門医、日本消化器外科学会消化器外科専門医。

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