ロボット支援下手術診療(地方独立行政法人東京都立病院機構東京都立多摩南部地域病院)

最終更新日：2024/05/30

ロボット支援下手術診療

診療科・部門紹介

前立腺がんと大腸がんに対するロボット支援下手術を導入。より精度の高い手術で地域医療の充実を図る

重点医療の二次救急やがん医療に取り組む同院では、2023年8月より順次、消化器外科と泌尿器科でロボット支援下手術を開始した。消化器外科では、結腸がんに対するロボット支援下手術を実施。操作性の高さと3Dの高画質の視野によって狭い骨盤内でも精密にがんを切除することが可能になり、再発率の低減にもつながることが期待されている。今後は直腸がんや胃がんにも対応できるよう準備を進めている。泌尿器科では前立腺がんに実施。従来の開放手術と比べて低侵襲で傷が小さく出血量も少ないため早期回復が見込めるほか、術後の尿失禁や性機能など機能温存も期待でき、順次、腎臓がんやその他の手術にも導入する予定だ。

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手術で使用する手術支援ロボット

スタッフ紹介

スタッフ

矢野雅隆副院長

東京大学工学部、東京医科歯科大学医学部卒業。県西部浜松医療センター、関東中央病院、獨協医科大学臨床助手、獨協医科大学越谷病院（現・獨協医科大学埼玉医療センター）助手、東京医科歯科大学泌尿器科助手を経て2006年より多摩南部地域病院泌尿器科で勤務。泌尿器科部長を務め、2024年4月より現職。専門は泌尿器がん、排尿障害、尿路結石。感染制御医師として感染対策、DMATとして災害対策も担当する。

メッセージ

手術支援ロボット導入にあたっては、医師や看護師、臨床工学技士は手術のトレーニングを、医事課や地域連携のスタッフは地域に向けて情報発信するなど、多職種が協力し皆で準備を進めてきました。現在、泌尿器科分野においては前立腺がんでロボット支援下手術を実施しておりますが、今後、腎臓がんをはじめ、その他の手術にも導入する予定です。当院で対応が難しいものも、お話を聞き診断をつけてから然るべき医療機関にご紹介をしています。わかりやすい説明で病気や治療を理解していただいた上でベストな治療法を検討することを心がけていますので、気になることはご相談ください。

畑地健一郎外科部長

1996年聖マリアンナ医科大学を卒業後、東京女子医科大学消化器病センター外科に入局。都立府中病院（現・東京都立多摩医療センター）、板橋中央総合病院、城東社会保険病院、都立豊島病院などでの勤務を経て、2011年より多摩南部地域病院外科にて勤務。2023年より現職。日本外科学会外科専門医、日本消化器外科学会消化器外科専門医。専門は、胃・大腸内視鏡外科、消化器外科一般、消化器内視鏡。

メッセージ

当院では先進の技術を活用し、できる限り侵襲の少ない治療を提供しています。腹腔鏡手術や内視鏡治療はもちろんのこと、2023年8月からはロボット支援下手術も導入し積極的に活用しています。治療の選択においては、患者さまのご希望を最優先に考え、ご自身やご家族が納得いただける治療を提供することを重視しています。ご自宅でゆっくりご家族と話し合いいただき、その上でお気軽にご相談いただければと思います。また、病気の早期発見・治療のためにも、定期的な健診を受けていただくことをお勧めします。ご自身の健康を大切にしていただきたいと考えています。何かお困りのことやご質問がありましたら、いつでもお気軽にご相談ください。

紹介医療機関の先生方へ

関節があり自由に動く鉗子や手ぶれ防止機能、3Dの鮮明な画像により、ロボット支援下手術は細かな神経を温存しながら、従来よりも精密な手術が可能です。この技術は術中出血量の低減、身体機能の温存、予後の改善が期待されており、新しい治療法を地域に広めていく意欲を持って導入しました。前立腺がんや大腸がんの患者さまがいらっしゃいましたら、ご紹介いただければ幸いです。連携医療機関の先生方からのご紹介患者さまについては、可能な限り受け入れたいと考えています。緊急性の高いケースや早期治療を希望される方については、必要に応じて対応させていただきますので、お困りの際はお気軽にご相談ください。