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地方独立行政法人東京都立病院機構 東京都立多摩南部地域病院

(東京都 多摩市)

桂川 秀雄 院長

最終更新日:2024/04/25

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地域の基幹病院として高度医療を提供

基本方針である「地域を支える・地域に支えられる病院」に基づき、高度医療を提供する「東京都立多摩南部地域病院」。二次救急とがん医療への重点的な医療提供を掲げ、地域医療支援病院として、多摩市および隣接する八王子市、町田市、日野市、稲城市の医療機関と密に連携しながら、多くの紹介患者を受け入れている。救急医療では、断らない救急をモットーに24時間365日体制で、軽症者から重症者まで広く応需。がん医療においては2023年8月にロボット支援下手術を開始し、さらに治療の選択の幅が広がった。緩和ケア病棟のリニューアルや内視鏡センターの拡充、多職種によるチーム医療の充実など地域のニーズに応えるために進化を続ける同院では、2024年4月に桂川秀雄先生が院長に就任し、新たな一歩を踏み出す。そこで同院の地域医療を支える同院の医療や連携体制について、桂川院長に聞いた。(取材日2024年3月11日/情報更新日2024年4月1日)

重点医療の一つ、救急医療の取り組みについて教えてください。

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当院では、地域のために断らない救急に努めています。連携先の先生からの救急要請に関しては地域連携支援グル-プが、救急隊からの連絡は応需までの時間を短縮できるように医師が直接受けています。24時間365日体制で、夜間や休日については、内科系、外科、小児科と診療科混合の4系列で対応し、軽症者から、三次救急手前の重症者までを幅広く受け入れ、吐血、下血に対する緊急内視鏡診療や、急性冠症候群に対する緊急カテーテルなども行っています。特に、循環器内科はマンパワーが充実していますので、CCUネットワークからの依頼に加えて、より多くの患者さんの治療にあたれればと思います。また、この地域は高齢の救急患者が多いため、総合診療を専門とする医師2人を中心に総合的な対応を重視して取り組んでいます。

がん医療についてはいかがでしょうか。

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2023年8月にロボット支援下手術をスタートし、消化器外科と泌尿器科において適応のある場合に実施しています。当院では内視鏡による検査・治療もがん医療の中で大きな役割を占めており、早期がんなど内視鏡で完結できるものは積極的に内視鏡治療を行います。化学療法については各診療科の医師が、常に研鑽して先端の保険適用の化学療法を取り入れ、がんゲノム医療についても、患者さんのご希望があれば、大学病院など然るべき医療機関との連携で対応します。放射線治療は主に、乳がん、泌尿器のがんのほか、骨転移の徐痛のための治療を行っています。また、末期がんの患者さんのためのものというイメージの強い緩和ケアですが、がんと診断されたときから途切れることなくサポートできる体制を整えています。このように包括的な医療を提供することで、地域で完結できる総合的ながん医療をめざしています。

その他の取り組みで特徴的なことはありますか?

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糖尿病の患者さんは非常に多く、外来だけでは治療が難しい人や救急患者さんも受けつけています。リウマチ膠原病も普段の薬の管理などは地域の先生が、高度な治療が必要になったときには当院でというように、地域と連携して対応しています。また、患者数が多い分野として、整形外科の人工関節部門やスポーツ整形のほか眼科の白内障手術があります。日帰り手術で行われることも多い白内障手術ですが、高齢者や併存疾患のある患者さんについては、入院することで安心して手術を受けていただけると思います。さらに当院はチーム医療が充実しており、栄養サポート、褥瘡、倫理コンサルテーション、術後疼痛緩和等に対して多職種によるチーム医療を展開しています。また、看護師を中心に対応するライフサポートの外来も開設し、緩和ケア、化学療法、乳がん術後のリンパ浮腫、糖尿病の腎症予防などのサポートを行っています。

地域連携を大切にされていると聞きました。

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当院は開院4年後の1998年に地域医療支援病院として承認され、以来、地域の先生のもとを直接訪問してご挨拶をしたり、勉強会を通じて顔の見える連携を構築してきました。おかげさまで現在、多くの患者さんで紹介および逆紹介の関係性が維持できています。日々の連携の中では、紹介したのに患者さんが戻ってこない、紹介後の報告がないということがないように丁寧に取り組むことを心がけています。当院では、日常の健康管理や健康診断、ちょっとした体調の変化は地域のかかりつけの先生に診ていただき、入院加療が必要な時はかかりつけ病院として当院を選んでいただくという二人主治医制を推進しています。ぜひ地域の先生をかかりつけ医とするとともに、私たちの病院もかかりつけ病院に選んでいただければと思います。そのためにも、診療体制を強化し、設備の充実を図っていければと思います。

今後の展望や地域の人へのメッセージをお願いいたします。

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ロボット支援下手術をはじめとする先端の医療を含めた総合的な診療が充実できるように、人材確保と育成にも力を入れて取り組み、病院全体で地域の高齢の患者さんを診ていきたいと思っています。2024年12月には内視鏡センターを3ブースから5ブースに拡張し、予約待ちの短縮や緊急内視鏡も実施できる体制を整えるなど、より多くの患者さんを受け入れていけるようにリニューアルをする予定です。緩和ケア病棟も、より患者さんやご家族のニーズに応えるため、トイレや手すりを整備し、リニューアルをしました。特に緩和ケアはご家族との時間が大切になるため、最期の時まで患者さんとご家族が一緒に過ごしていただけるような快適なスペースになっています。これからも「地域を支える・地域に支えられる病院」という基本方針のもと、選ばれる病院になるとともに、職員がやりがいを持って働ける病院にすることで、患者さんに良い医療を提供してまいります。

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桂川 秀雄 院長

1988年群馬大学医学部卒業後、東京女子医科大学消化器病センター入局、肝臓外科グループに所属。2007年より多摩南部地域病院で勤務、2024年4月に院長就任。医学博士。日本外科学会外科専門医、日本消化器外科学会消化器外科専門医、日本消化器病学会消化器病専門医。日本肝臓学会肝臓専門医。患者のニーズや希望に重きを置き、患者を取り巻く社会状況、家族環境、年齢に応じた真の患者中心の医療の提供をめざす。

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