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稲城市立病院

(東京都 稲城市)

齋藤 淳一 病院長

最終更新日:2024/05/13

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市民に親しまれ、よりどころとなる病院に

稲城市とその周辺地域の医療を支える「稲城市立病院」。1940年に設立された東京第二陸軍造兵廠多摩製造所多摩病院を前身とし、戦後、稲城村立稲城病院、町立国民健康保険稲城中央病院を経て、1971年の市制施行に伴い現在の名称になった。稲城市内の医療の中心となる総合病院であり、自治体病院として市民や近隣住民の医療ニーズに応えている。地域の医療機関と密に連携し、質の高い切れ目のない医療をめざす中、齋藤淳一病院長は2022年の就任以来、医療連携の強化、救急医療の充実、特色のある病院づくりに重点を置いて取り組んでいる。特に救急医療については、二次救急医療機関として地域医療への貢献とともに地域に安心感を与えるため可能な限り対応し、三次救急医療を担う病院との病病連携も強化に努めている。また、消化器センターや腎センターを開設するなど、一般診療の充実も図る。令和6年に勤続25年目を迎えるという齋藤病院長に、病院や地域への想いを聞いた。(取材日2024年1月23日)

地域での役割や力を入れて取り組んでいることを教えてください。

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当院は稲城市が運営する公立病院であり、常に稲城市民や近隣地域の人に何が必要かということを考え運営しています。新型コロナウイルス感染拡大下の3年間は、救急医療と一般診療と並行して陽性患者の入院加療にも対応してきました。加えて、稲城市役所や稲城市医師会との協働でPCRセンターを立ち上げ、検査を実施し診断をしてきました。この地域は若い人や、昔から住んでいる高齢者などさまざまな世代の人が住んでいることから、高齢者への医療はもちろんのこと、小児医療や夜間の救急医療に積極的に取り組むことを使命と捉えています。特に夜間の救急については、職員の働き方改革を推進しながらも、平日のみならず土日もできる限り応需していきたいと考えています。当院で治療が難しいケースは、近隣の三次救急病院や大学病院と連携することでスムーズな地域医療を展開する他、小児科に関しても毎日当直医を配置し、体制を整えています。

先生のご専門でもある消化器部門の診療について教えてください。

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私が所属する慶應義塾大学病院では、一般・消化器外科部門が、消化器外科の他、末梢血管や乳腺外科の診療も行っているため、当院の消化器センターもそれに倣い、おなかの外科と乳腺外科の診療をしています。私が病院長になる以前は消化器内科医が2人しかおらず、私たち外科医も内科的な診療をカバーしていましたが、それではマンパワーが足りないということで、現在は杏林大学から4人の消化器内科の医師を派遣していただき、消化器内科医6人体制で消化器疾患に対する診断・内科的治療をしています。消化器外科では、腹腔鏡を中心とした低侵襲手術を実施し、消化器センターとしてシームレスに内科的診療から外科的治療ができるように力を合わせて頑張っています。大腸がんや胃がんについては検査から手術までを行いますが、食道がんなど集中治療が必要になる大きな侵襲を伴うがんについては、大学と提携して治療をし、経過をこちらで診ています。

市立病院として、地域連携にはどのように取り組んでいますか?

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稲城市や近隣地域、稲城市医師会と連携し、地域の医療の向上に努めています。その一環として、昨年、地域医療支援センターを立ち上げ、患者さんやご家族が安心して地域に戻れるようさまざまな支援を行っています。また、紹介受診重点医療機関として、紹介・逆紹介を積極的に推進。病院が一丸となって顔の見える医療をめざしています。副院長時代は地域医療担当だったこともあり、近隣の開業医さんはだいたい顔がわかりますし、今も時間があれば近くの診療所にごあいさつに伺っています。その強みを生かして、病院全体で地域連携を深めていきたいです。さらに、病院間では、療養型の病院である稲城台病院との連携や、救急では、聖マリアンナ医科大学病院の救急科や総合診療内科の先生に週に3日トリアージと初期治療をしていただいていることから、高度医療が必要な患者さんをスムーズに聖マリアンナ医科大学病院へ搬送するという流れもできています。

病院長として大切にされていることはありますか?

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病院として、常に前向きな姿勢を大切にしていきたいという気持ちがあります。無理をしてはいけませんが、いろいろなことにトライしたいという人は応援したいですね。規模としては290床の総合病院ですので、風通し良く、コミュニケーションを取りながら、職員全員で患者さんを支えていけるような病院にしていきたいです。私は医師になって7年目にこの病院に着任しました。母校である慶應義塾大学の医局に籍を置きながら勤務してきましたが、この病院がとても好きで、気づけば今年で勤続25年目となります。自分の医師人生のほとんどを過ごしてきた病院であり、外科については、少なかった手術数を伸ばしてきた実績もあります。たいへん思い入れのある病院ですので、これからもこの病院がさらに発展していくように自分の人生を賭けて頑張っていきたいです。

最後に、今後の展望とメッセージをお願いします。

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今後、外科領域とロボット手術は切り離せないことから、手術支援ロボットの導入を検討しています。HCU(高度治療室)やICU(集中治療室)の設置、外科的治療の幅を広げ、治療後に患者さんをフォローできる体制もつくっていきたいです。また、手術以外のがん診療も充実させるべく、先端の放射線治療装置を導入し、化学療法室には日本看護協会がん化学療法看護認定看護師を配置しています。「地域の病気は地域で治す」を目標に、適切な治療が提供できる環境を整備していきたいです。そして何よりも大切なのが人材です。医療は人と人との対話で成り立つもの。知識と技量、そして心を持って自分の仕事に取り組める人材をそろえることが病院長の仕事だと思っています。そして全員が、ここで働くことを誇りに思えるような病院にしていきたいですね。地域の皆さまのよりどころとなるような病院をめざしていますので、お困りのことがありましたらご相談ください。

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齋藤 淳一 病院長

1993年慶應義塾大学医学部卒業。同大学病院外科、大田原赤十字病院(現・那須赤十字病院)外科、芳賀赤十字病院外科などで研鑽後、1999年より稲城市立病院へ。外科医長、外科部長、外科担当診療部長、副院長を経て2022年より現職。日本外科学会外科専門医、日本消化器外科学会消化器外科専門医、日本消化器内視鏡学会消化器内視鏡専門医、日本消化器病学会消化器病専門医。慶應義塾大学医学部外科客員教授、医学博士。

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