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国家公務員共済組合連合会 立川病院

(東京都 立川市)

片井 均 病院長

最終更新日:2024/04/03

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特色ある診療で「立川ブランド」確立に注力

JR南武線西国立駅近く、JR中央線立川駅からも徒歩圏内。敷地内には公共バスが乗り入れ、アクセスしやすい環境にある「立川病院」。立川市・昭島市・国分寺市・国立市・東大和市および武蔵村山市の6市で構成される北多摩西部医療圏の中核的な病院として幅広い診療科をそろえ、地域の多様なニーズに応えている。同院を率いているのは、消化器外科のエキスパートであり、国立がん研究センター中央病院で副院長を務めた片井均病院長だ。「単なる総合病院ではなく、当院ならではの特色ある医療を提供したい」との思いから、2021年4月の着任以降「立川病院ブランド」の確立に注力。院内にがんセンターや患者支援センターを開設した他、内視鏡部門を新設。ロボット支援手術の導入や320列CT、強度変調放射線治療装置など先進機器の導入、女性専用病棟の設置、小児病棟の個室化など、さまざまな取り組みを進めてきた。「今は種まきが終わったところ。その種が芽吹き、大きな花を咲かせられるよう、職員と一緒に頑張っていきたいですね」と笑顔で語る片井病院長に、同院の特色や力を入れている取り組み、今後の展望などを聞いた。(取材日2024年1月19日)

この病院の特徴と地域の中での役割を教えてください。

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当院は専門性の高い医療の提供に加え、立川市および隣接地域にお住まいの方に向けた一般的な医療に対応する役割も担っています。その期待に応えるため、赤ちゃんから高齢の方まで世代を問わず、幅広い病気と出産に対応できる診療体制を整えています。出産に関しては、地域周産期母子医療センターに認定されており、東京都立小児総合医療センターなど周産期医療を担う他の病院と連携しながら、母体の救急搬送や早産・低出生体重児・双胎や母体疾患合併などのハイリスク分娩の赤ちゃんを受け入れています。また高齢者に多い運動器疾患に対応するため、整形外科には脊椎や股・膝関節の他、専門家の少ない肩関節、手、足、骨軟部腫瘍のスペシャリストも在籍しており、整形外科の分野を広くカバーしています。さらに、地域医療支援病院として近隣のクリニックや介護・福祉施設と連携し、地域の中で切れ目のない医療・ケアを受けられる体制づくりにも注力しています。

がん診療にも力を入れていると伺っています。

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当院は、がん医療では手術・化学療法・放射線治療の標準治療を確実に行うこと、それぞれが一定水準以上の診療を保つことが重要と考えています。さらに、患者さんの体への負担を減らす低侵襲治療に注力しており、ロボット支援による内視鏡外科手術を導入しました。ロボットの関節は人間の手首よりも可動域が広く、より精緻な手術をめざせる他、創部が小さいため出血量や術後疼痛が少なく、早期の離床が期待できるといったメリットもあります。また、2023年4月に新設した内視鏡部門では、早期の咽頭がん・食道がん・胃がん・大腸がんに対して、内視鏡による切除を積極的に行っています。内視鏡的切除により臓器の温存を図ることで、がん切除後の生活の質向上をめざしています。早期の咽頭がんに対する内視鏡的切除を行っている施設はまだ少ないため、多摩地域全域の患者さんのニーズに応えていきたいですね。

新たに患者支援センターを開設した目的を教えてください。

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当院は高度急性期医療を担う医療機関でもあり、この使命を果たすためにも急性期治療を終えた患者さんが安心して次のステップに進めるよう、退院後の療養支援が大切だと考えています。患者支援センターでは、入院前から多職種で介入して病状や生活背景などの患者情報を収集し、必要に応じて院内の専門職や地域の関係機関と連携して、患者さん・ご家族が抱えるさまざまな問題に対する早めの支援を行っています。患者さんから収集した情報は同センターで一元管理されるため、患者さんは異なるスタッフから何度も同じ質問をされることもなく、医療従事者は情報をもとに必要な検査を事前にオーダーできるなど、患者さん・医療者双方の利便性向上を期待しています。また、複数の診療科にかかっていて「質問したいがどの科で聞けばよいのかわからない」などお困りの場合には、同センターが窓口になって対応いたします。気軽にご相談いただければと思います。

その他、新たな取り組みがあればご紹介ください。

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病院長就任後、「自分が患者だったら」「自分の家族が患者だったら」という視点で、患者さんやご家族のニーズに応えることを目標に行動してきました。悪性腫瘍に放射線を集中させ、周囲の正常組織への照射を軽減する強度変調放射線治療装置や、被ばく量を減らし短時間で広い範囲を撮影できる320列CTなど、先進の医療機器の導入はもちろん、看護スタッフも女性だけの女性専用病棟の設置や、広い窓に面し外来順番案内表示システムが設置されたフードコートなど、患者さんにとって居心地の良い空間づくりも意識してきました。また、小児科病棟の個室化改修工事が終わり、2024年2月から稼働する予定です。以前は多床室だったのですが、感染症と非感染症の子どもは同室にはできないなど使いづらい面がありました。付き添いの親御さんにとっても個室のほうが快適だと思います。個室化による感染症対策と療養環境向上の効果を期待しています。

最後に、地域の皆さんにメッセージをお願いします。

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当院は地域医療支援病院として専門性を重視し、質の高い医療の提供をめざすとともに、地域の皆さまから親しまれ、信頼される病院でありたいと思っています。そのため、市民公開講座や地域の子どもたちを招いた病院見学ツアーなど、診療以外の活動にも積極的に取り組んでいます。また、がん教育にも力を入れており、立川市内の中学・高校で出張授業を行い、がんについての正しい知識や、早期発見・早期治療の重要性、がん検診の大切さなどを伝えています。私が着任してからの2年間は、先進の検査・医療機器の導入や診療科や部門の創設などさまざまな取り組みに着手してきました。これまで種をまいてきたものが芽吹き、花を咲かせ、実を結ぶことができるよう、職員一丸となって頑張っていきたいと思っています。これからの立川病院に、ぜひご期待ください。

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片井 均 病院長

1982年慶應義塾大学医学部卒業。同大学医学部外科学教室に入局後、慶應義塾大学病院をはじめ各地の関連病院で主に消化器外科の診療に従事。米国テネシー大学メンフィス校研究員、国立がん研究センター中央病院副院長などを経て、2021年4月から現職。慶應義塾大学医学部客員教授、日本外科学会外科専門医、日本消化器外科学会消化器外科専門医、日本消化器病学会消化器病専門医、日本消化器内視鏡学会消化器内視鏡専門医。

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