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医療法人財団興和会 右田病院

(東京都 八王子市)

右田 隆之 院長

最終更新日:2025/06/24

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地域の人々に寄り添うホームホスピタル

八王子市暁町の緑あふれる環境の中、地域に根差した医療の提供をめざしているのが「右田病院」だ。前身となる診療所の開設から100年以上の歴史を持ち、「救急こそが医療の原点という考えを代々踏襲してきました」と語るのは、院長の右田隆之先生。1933年に病院としての歩みを始めて以来、一貫して救急を中心とした医療の提供に力を注いできた。2012年の現在地への移転時には、複数台の救急車が同時に到着しても対応できる体制を整備。東京都指定の二次救急医療機関として、多くの救急患者を受け入れている。また、高齢化が進む地域の特性を踏まえ、全118床を地域包括医療病棟として運用し、急性期の治療からリハビリテーションまでを院内で一貫して行うことで、患者のスムーズな在宅復帰をサポート。さらに、退院後も訪問診療を通じて自宅や高齢者施設での継続的なケアを提供するなど、地域に求められる医療の実現に取り組んでいる。そんな、「地域のホームホスピタル」をめざし続ける同院の現在とこれからについて、右田院長に話を聞いた。(取材日2025年4月17日)

病院の歴史と理念についてお聞かせください。

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当院の始まりは、1919年に祖父が八王子市内で開設した皮膚科と泌尿器科の診療所「右田医院」です。その後、1933年には病院となり、救急医療をスタート。以来、戦前から戦後を通じて、地域の救急医療を支える病院として歩んできました。当時は、今のように予防医学が進んでおらず、「救急こそが医療の原点である」という考えのもと、代々にわたり救急医療に力を入れてきました。そして、2012年に現在の場所へ新築移転した際には、救急専用のスペースを拡張し、複数の救急車が同時に到着しても対応できる体制を整えました。「困ったときに頼られる病院でありたい」「地域のホームホスピタルでありたい」という想いは、病院としてスタートした当初から変わることなく、今も運営の基盤となっています。私たちは、医療が必要な方を迅速に受け入れ、患者さんやご家族に安心していただけるよう、丁寧でわかりやすい情報提供を心がけています。

特徴や地域における役割は、どのようなところでしょうか?

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当院では多くの救急患者さんを受け入れており、中でも高齢の患者さんの入院が増えています。高齢の方は、入院のきっかけとなった病気に加えて肺炎などを併発することが多く、入院期間が長くなりがちです。こうした状況に対応するため、これまですべての病床を最長60日間の入院が可能な「地域包括ケア病棟」として運用してきましたが、昨年からはすべてを「地域包括医療病棟」へと移行しました。「地域包括医療病棟」は、高齢の救急患者さんに、より適切な医療やケアを提供することを目的とした病棟です。看護やリハビリテーション、薬剤師、管理栄養士など他職種の体制をこれまでより少し充実しましたが、救急患者さんを受け入れ、治療とリハビリテーションを行い、在宅復帰をサポートするという基本的な取り組みに変わりはありません。ただ、今回の変更により、当院が高齢者の救急医療にこれまで以上に力を入れていることが、より明確になったと思います。

他に力を入れていることはありますか?

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通院が難しくなった患者さんも住み慣れた地域で長く生活していくことができるよう、訪問診療にも積極的に取り組んでおり、高齢者施設はもちろん、患者さんのご自宅にもお伺いしています。特徴的なのは、がんの終末期を迎えた患者さんへの訪問診療にも対応していることです。がん患者さんの訪問診療では、緩和ケアでの痛みのコントロールなど専門的な知識が求められる上、終末期には体調が急変することもあり、夜間などの緊急対応や入院が必要になることがあります。一般的な訪問診療クリニックでは対応が難しいケースもあると思いますが、当院では24時間365日体制でそうした事態にも対応できる体制を整えています。実際に、「いざというときに入院できると思うと安心です」といった声を、患者さんやご家族からいただくことも多くあります。

病院を運営する上で心がけていることはありますか?

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私は、風通しの良い病院づくりを大切にしています。組織づくりについて考えるとき、いわゆるピラミッド型の上下関係がはっきりした組織が本当に良いのだろうかと、いつも考えさせられます。もちろん、役職や責任の所在を明確にすることは必要ですが、それにとらわれすぎることなく、どの立場のスタッフも意見を出し合える、そんなフラットな雰囲気の病院が理想だと思っています。特に、今は「多職種連携」が重視されていて、さまざまな職種のスタッフが力を合わせて、患者さんの治療やケアに取り組む時代です。しかし実際には、どうしても医師の意向が強く反映されてしまうことがほとんどです。だからこそ、立場に関係なく意見を出し合い、医師以外のスタッフもそれぞれが責任を持って考え、行動できる環境づくりが大切です。そうすることで、より患者さんやご家族の気持ちに寄り添った医療や、きめ細かいサポートができるようになると信じています。

最後に、今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

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基本的には、「地域で何が求められているか」が大切だと考えています。以前は医師の「こういう医療をやりたい」という思いで開業するケースが多かったように思います。でも、最近では「地域に求められる医療を提供しましょう」という考え方が主流になってきていて、私もまさにそのとおりだと思います。実際、救急医療に関わっていると、地域でどんな医療が必要とされているかを肌で感じることが多いんです。だからこそ、「今、地域でこういう医療が求められているんだな」と感じたら、それにしっかり応えていきたいと考えています。そして、「地域のホームホスピタル」という理念は、これからも変わることはありません。すべての医療に対応できるわけではありませんが、専門外のことは信頼できる病院をご紹介します。医療、そして介護のことも含めて、「こんなこと、相談していいのかな?」というようなことでも、どうぞ遠慮なくご相談ください。

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右田 隆之 院長

1989年東北大学卒業。初期研修を経て1992年同大学医学部第一外科に入局し、同大学病院や関連病院、埼玉県立がんセンターなどの勤務を経て、2006年に右田病院の4代目院長に就任。日本外科学会外科専門医。専門の消化器外科に加え、総合的な診療にも豊富な経験を持つ。医学博士。

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