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医療法人財団興和会 右田病院

(東京都 八王子市)

右田 隆之 院長

最終更新日:2023/06/27

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地域の人々に寄り添うホームホスピタル

八王子市暁町の緑あふれる環境にあるのが、「右田病院」だ。前身である診療所開設から100年以上という長い歴史を持つ同院は、「救急こそが医療の原点という考えを代々踏襲してきました」と右田隆之院長が話すとおり、1933年に病院となって以降、一貫して救急を中心とした医療の提供に尽力。2012年に現在の場所に移転した際には、一度に複数台の救急車が来ても対応できる体制を整備し、東京都指定二次救急医療機関として多くの救急患者を受け入れている。また、高齢者が増加しているという地域の特性により即した医療の提供をめざし、118ある病床のすべてを地域包括ケア病床にすることで、急性期から回復期まで患者を転院させることなく、同院で治療やリハビリテーションを行って在宅復帰をサポート。退院後も訪問診療にて手厚いケアを提供するなど、地域で期待されている役割を果たすべく努めている。そんな同院について、右田院長に詳しく話を聞いた。(取材日2023年3月23日)

病院の歴史と理念についてお聞かせください。

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1919年に祖父が皮膚科と泌尿器科の診療所だった「右田医院」を八王子市内に開設したのが当院の始まりです。1933年には病院となり救急医療を開始したことをきっかけに、戦前戦後を通じて救急を中心に医療に携わり、今日に至ります。病院としてスタートして以来、困った時に頼られる病院、「地域のホームホスピタル」という理念の実践を運営の基盤として活動してきました。今のように予防医学が発展していなかった時代の「救急こそが医療の原点である」という考えを代々踏襲し、救急医療に力を入れてきたのです。2012年に病院を現在の場所に新築移転した際には救急スペースを拡張し、一度に数台の救急車が来ても急患を受け入れられるよう体制を整えました。医療が必要な方を素早くその管理下に受け入れ、患者さんやご家族に安心していただける情報の提供を、責任を持って行いたいというのが、当院の理念です。

最近、増築したと伺いました。

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地域の高齢化もあり、当院の入院患者さんの多くは高齢者です。骨折手術や基礎疾患の治療、長期安静による活動性の低下で体に不調を来す廃用症候群を予防するためのリハビリも行っていることから、入院が長期化する傾向にありました。病床は常に空きがなく、救急搬送の受け入れを断らざるを得ない状況も増えてきたため、その解消をめざして2021年7月に新病棟を開設しました。病床を36床増やし、よりスムーズに救急の患者さんを受け入れられるようにしたほか、リハビリテーションのスペースもそれまでよりも1.5倍に広くしてスタッフも増員しました。同時期に新型コロナウイルスの流行が始まり、当院でも増床分も利用しながら患者さんを受け入れたことから、その目的は道半ばになっていましたが、徐々に平時の体制に戻していく中で、当初の目的であった救急患者さんのさらなる受け入れもできるようになってきました。

こちらの病院の特徴や地域における役割を教えてください。

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高齢者の救急医療を多く行う中で、急性期治療を終えてもすぐに在宅に戻れない方々が多いことを痛感していました。そこで、当院では病床のすべてを地域包括ケア病床にしました。一般的な急性期病院のように、治療後のリハビリテーションのために転院をすることなく、当院から直接在宅復帰していただけるようにしています。また退院後は、訪問診療にも対応していますので、当院で救急を含む急性期から回復期の治療、在宅療養まで、皆さまが住み慣れた地域で末永く安心して生活が送れるようサポートする体制を整えています。在宅療養をしている患者さんやそのご家族にとっては、当院が24時間体制で救急搬送を受け入れていることも、安心材料になっているのではないかと考えています。

病院を運営する上で心がけていることはありますか?

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風通しの良い組織にしたいと考えています。良い組織について考えると結構悩むのですが、一般的なピラミッド型の組織というのは、果たして本当に良いのでしょうか。私はそれよりもフラットな組織のほうが良いのではないかと思うのです。役職はつけないといけませんが、役職に関係なく、私を含めてどの立場の人でも意見を言えるような、風通しの良い病院にしたいと思っています。最近は医療でも多職種連携が重視され、いろいろな職種の人が集まって患者さんの治療やケアの方針を決めていくことになっています。しかし実際は医師の意向が強く働くことがほとんど。それよりもなるべくフラットなかたちで意見を出し合えるようにする。違う言い方をすると、医師以外のスタッフも責任を持って考え、行動する。そうすることで、患者さんやご家族のニーズに合った医療や、よりきめ細かなサポートができるようになるのではないかと考えています。

最後に今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

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「地域のホームホスピタル」という基本的な理念は今後も変わりません。最近では国でもかかりつけ医の機能を推進していますが、当院がこの理念をつくったのは20年以上も前になります。その頃から地域に求められる病院でありたいと思い続けてきました。ありがたいことに地域には「何かあったら右田さん」と言ってくださる方も多いのですが、一方で「右田病院ってどこにあるの?」と言われることもあり、少し寂しいなと思っているんです。そうした問題を解決するためにも医療以外でできる地域貢献があれば行っていきたいですね。これまでも子どもたちのスポーツ大会の協賛、子ども食堂のサポートと取り組んできましたが、今後もさらにさまざまなかたちでお役に立てたらなと思います。医療についても専門外で対応ができないことももちろんありますが、その場合には責任を持って対応できる病院に紹介しますので、困ったことがあればとにかく相談にお越しください。

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右田 隆之 院長

1989年東北大学卒業。初期研修を経て1992年同大学医学部第一外科に入局し、同大学病院や関連病院、埼玉県立がんセンターなどの勤務を経て、2006年に右田病院の4代目院長に就任。日本外科学会外科専門医。専門の消化器外科に加え、総合的な診療にも豊富な経験を持つ。医学博士。

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