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医療法人社団厚潤会 日野駅前病院

(東京都 日野市)

伊藤 亮治 院長

最終更新日:2024/11/18

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各部門が密に連携して一貫した診療を提供

約80年もの長きにわたり日野市の人々に親しまれている「医療法人社団厚潤会 日野駅前病院」。2024年に「日野駅前病院」に名称変更をした。同院には何世代にもわたってかかっている患者も多いという。2021年1月から院長として同院を率いているのが伊藤亮治先生だ。伊藤先生は日野市出身。若い頃には同院で当直勤務した経験もあるという。「何かあればまずは日野駅前病院に相談に行こうと思っていただける病院でありたいですね」と話す。同院には内科や整形外科、外科、泌尿器科などが設置されているが、複数の疾患を持つ高齢の患者が多いため、各部門の医師や看護師らがコミュニケーションを取りながら一貫した診療を提供している。伊藤先生は診療環境の改善を図るため、院内改装にも着手。木目を生かした造りとなった待合室や受付には温かい雰囲気が漂う。日野駅前病院に吹く新しい風を発信していきたいと意欲を燃やす伊藤先生に話を聞いた。(取材日2021年11月18日/情報更新日2024年11月5日)

病院の成り立ちと理念についてお聞かせください。

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この病院は初代院長の花輪音三先生が1942年に花輪医院として開設されたのが始まりです。音三先生は小さなお子さんからご年配の方まで幅広く診療し、今でいう訪問診療まで行っていました。ご年配の患者さまからは「うちのおばあちゃんが音三先生にお世話になっていた」とか「何かあるとすぐにスクーターで駆けつけてくれた」といった話をよく聞きます。この診療精神は2代目院長で現在は名誉院長の花輪聰先生の時代も脈々と受け継がれ、今の病院につながっています。病院の基本方針は、これまでのように地域医療を担い、かかりつけの病院として充実したプライマリケアを提供することです。私はさらに人間愛を大切にしたいと考え、理念に盛り込みました。 患者さまとの一期一会を大切に、医療者として患者さまに何ができるか、患者さまが何を望んでいるのかを考え、信念と情熱を持って最良の医療を提供できる病院でありたいと思います。

こちらの病院の強みとしてどのようなことが挙げられますか。

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一つはご年配の方々に配慮した診療体制を整えていることです。というのも、この地域の方々は数世代にわたって生活されているからか、ご年配の方が多くいらっしゃいます。一般的にご年配の患者さまは複数の疾患を持っており、複数の診療科に受診する必要があります。足腰が弱くなってくる中で複数の病院へ行くのも大変です。そこで、当院では一人ひとりの医師が幅広くジェネラルに診療できるスキルを持ちつつ、診療科間の垣根を低くし、円滑にコミュニケーションを取ることで、ご年配の患者さまが一度の来院で済むように工夫しています。もちろん医師だけではなく、看護師、コメディカル職員全員で一つのチームとなり患者さまと向き合っていきます。当院のスローガンである『One Team One Stop For the Patient』はそのような思いを意味しています。

先生は総合診療と腫瘍内科の外来を担当されていると伺いました。

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総合診療では全身を診て必要な初期治療を行います。どんな訴えであっても患者さまを診ることを重要とし、専門的な治療が必要な場合は専門の医師への橋渡しのタイミングも重視しています。私自身は何科に行っていいかわからない症状について適切に診断する訓練を行っています。総合診療には北海道でへき地医療に携り、幅広い症状に対応してきた医師もいます。何か困った時にはご自身の症状や所見など、少しでもご不安に思われる際はお気軽にお声かけください。相談いただくことで、大きな病気の早期発見につながることもあります。困っている患者さまに、優しくお声がけする精神と情熱をスタッフ全員持ち合わせています。がんは年齢が一つの発症因子です。当院では私の専門でもある化学療法のほか緩和ケアなどにも積極的に取り組み、がん薬物療法専門医として予防のため検診や啓発活動、早期発見・早期治療の手助け、化学療法、緩和医療の実践を行っていきます。

外科の治療などで配慮していることはありますか。

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当院は消化器内科・外科を専門とする医師が常勤していますので、内視鏡検査・治療、手術含めて幅広く消化器疾患へ対応ができます。認知症を有する高齢患者さまに対して、侵襲的となる手術など、どこまで治療の幅を広げるかが高齢者医療において大きな課題となってきています。明確な意思表示は困難でも、ごはんをおいしく笑顔で召し上がれている患者さまに対して、一概に年齢を理由に手術不能とすることはせず、選択肢の一つとして提供できるように内科・外科で連携して準備しています。消化器疾患でお困りになってらっしゃるご家族さまや介護者さまがいらっしゃいましたらまずはご相談ください。

最後に今後の展望とメッセージをお願いいたします。

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地域医療をさらに充実させ、地域住民のニーズに応えていきたいと思っています。プライマリケアの質の向上、多疾患を持つ高齢患者さまへ診療の幅の拡充、がん治療から緩和ケアまで一貫した診療の提供を強化していきます。その中で重要となってくるのが医療機関との連携であり当院の課題です。当院ではどんな医療が提供できるのか、体制は整っているのかなど具体的な話を、高度医療機関、福祉施設や開業医の先生方、在宅診療されている先生方と顔の見える関係をつくっているところです。また、日進月歩である医療知識を職員全員で共有する教育体制の構築にも力を入れていきたいです。小さな病院でも最新エビデンスに基づいた標準治療を実践していくのも目標です。また今後日野市は若い世代の人口が増えてきます。一般健康診断、生活習慣病の予防・管理、がん検診を充実し、地域の皆さまの健康寿命を延ばすお手伝いができるよう尽力します。

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伊藤 亮治 院長

2011年杏林大学医学部卒業。医療法人徳洲会湘南鎌倉総合病院総合内科で約7年間、臓器横断的な幅広い診療を経験。その後、日本医科大学武蔵小杉病院で乳がん、婦人科がん、消化器がん患者の診療に従事。2020年4月から花輪病院(現・日野駅前病院)勤務。2021年1月院長に就任。外来では総合内科と腫瘍内科を担当。日本内科学会総合内科専門医。日本臨床腫瘍学会がん薬物療法専門医。

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