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医療法人大坪会 東和病院

(東京都 足立区)

中村 耕三 院長

最終更新日:2020/11/25

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医療と介護をつなぎ、地域に頼られる病院に

亀有駅より徒歩15分、緑豊かな公園の向かいに堂々と建つ299床の「東和病院」は、腎臓・透析、消化器、循環器の急性期医療に加え、小児科や整形外科など地域のニーズにも応えてきたケアミックス型の総合病院だ。日本社会における健康の考え方に一石を投じたロコモティブシンドロームを提唱してきた中村耕三先生を、2018年4月に院長として迎え、さらなる診療体制と地域連携の充実を図っている。
(取材日2018年5月14日)

東和病院の特徴を教えてください。

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前身は外来の透析クリニックです。1987年の開業から地域に根差し、近隣住民の方々のニーズに応えて診療科を充実させてきました。現在は、外科・整形外科・内科の一般病床と療養病床、合わせて299床を有し、小児科を含む23の診療科の外来診療を行っています。患者さんは主に地域の方々。日常的な疾患や生活習慣病などの慢性疾患はもちろんのこと、私の専門である整形外科でもお子さんのケガから高齢者の膝・腰の不具合や骨折など幅広く診させていただいています。また、呼吸器、消化器、腎臓、循環器、神経内科といった分野にもそれぞれを専門とする医師が適切に対応いたします。必要な場合には大学病院などの医療機関をご紹介しますので、まずはお近くの当院にご相談いただければと思います。また、地域の子育て世帯のニーズに応えて、小児科診療も行っています。

高齢の患者への対応もこまやかですね。

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やはり、療養病棟を備えていたり、リハビリテーションを積極的に行える介護老人保健施設もグループで運営しておりますので、急性期の治療を終えてから、ご自宅での療養生活に安心して戻れるようになるまで、時間をかけて体力を回復し、体調を整えられるお手伝いができるという特長があります。入院中の透析も可能ですし、入院患者さんに対して簡易な歯科処置も行っています。入院生活を支える看護師や介護助手も、地域柄、子育て中や子育て経験者が多く、まるで家族のように親身になって患者さんに日々接しております。こうしたスタッフの献身的な優しさは当院の伝統でもあるのですが、院長の私も頭が下がる思いです。ですから、患者さんやそのご家族の方々にも、気兼ねなく頼っていただければと思います。

在宅療養中の患者さんの入院対応にも積極的ですね。

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院長として地域の先生方などとお話していて、当院に求められると感じる1つが、ご自宅や介護施設で在宅医療を受けておられる方が、体調の急変や肺炎などのときに、一時的に入院できる場所という役目です。地域である程度の規模と体制を持つ以上、喜んでそうしたご協力をさせていただいています。また、ご自宅で介護をしておられるご家族の負担も大きいものですから、レスパイト入院といいますが、緊急避難的に当院をお使いいただいて、ご家族に休息をとって気持ちを整えていただくようなお手伝いもできればと思っております。足立区は歴史のある下町で、古くからお住まいの方も多いですが、高齢の方のお一人暮らしも年々増えているようです。不安なく、住み慣れた地域で過ごしていただけるよう、当院でも力を尽くしていきたいですね。具体的には、地域連携室のスタッフや看護師が、介護や福祉の制度、仕組みについてもご相談に乗らせていただいています。

ロコモティブシンドロームについて教えてください。

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これは、運動器の衰えのために移動機能が低下した状態をいいます。2007年に日本整形外科学会で提唱したのですが、私も推進に協力させていただきました。運動器の衰えとは、たとえば歩けなくなるというようなことで、年齢に関わらず、階段を上る時に思わずエレベーターやエスカレーターを探すようになったら、歩くことを体が嫌がっていると自覚できますね。早い段階で気付けば、動き続けられるよう運動をしていただくことで、衰えを止めることもできるでしょう。実は、歩けないというのは、生命予後といって、病気や手術の後に永らえられるかに大きく影響するものなのです。また、日本は世界の中でも座位時間の長い国ともいわれています。そうした生活態度は肩こりや腰痛の原因ともなり、生活の質を落としてしまいますから、若いうちからでもロコモティブシンドロームを意識していただきたいですね。

地域へのメッセージをお願いします。

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日本は長寿の時代になったものの、家族構成も核家族や独居が増えるなどの変化があり、ある意味で将来に不安を感じられる方も少なくないでしょう。健康が大事なのは昔からのことですが、今ほど、どうやって健康を維持して生きていくかが問われている時代はありません。私が当院の前に勤めていた、所沢にある国立障害者リハビリテーションセンターは、もともとは名称に「身体」とあったのを外した経緯があります。つまり、運動機能障害だけでなく、高次脳障害や発達障害、自立支援まで含めて、障害のある方と社会との接点をうまくつなぐ役割も求められているのです。障害も病気も大変なことではありますが、周りの環境を整えたり気づかうことで、生活の質を上げることが可能です。そのような視点も持ちつつ当院も、医療から介護、福祉までを一貫して支えるのが大事な役割と心得て、地域の方々にいつでも頼っていただけるよう、職員と一丸となってまいります。

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中村 耕三 院長

1973年東京大学医学部卒業後、同大学付属病院整形外科に入局。イギリス留学や自治医科大学を経て、1998年東京大学大学院整形外科教授に。2001年より同大学付属病院副院長。日本整形外科学会の活動を通して、ロコモティブシンドローム、通称「ロコモ」の概念を提唱し、普及に貢献。2011年より国立障害者リハビリテーションセンターにて総長、顧問を歴任。2018年4月より現職。

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