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医療法人社団福寿会  慈英会病院

(東京都 足立区)

多井 晃 院長

最終更新日:2020/11/25

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外来診療と在宅医療を2本柱に、地域に貢献

西新井駅西口より続く商店街を歩くこと約2分の場所にあるのが、「慈英会病院」だ。2019年10月より、足立区を中心に医療と看護、介護、福祉などを幅広く提供する福寿会グループ入りした同院は、幅広い病気やけがに対応する外来診療で地域住民のプライマリケアを担うと同時に、在宅医療にも注力。一般病床48床があることから、必要なときには入院による加療も可能なほか、より専門性の高い治療が必要となった際には、近隣の大学病院や基幹病院に紹介することで、適切な医療につなげられるよう尽力している。「病院をお城とするなら、城下町に住む人たちに貢献したい。当院はそのために存在していると考えています」と話す多井晃院長に、同院の特徴や地域医療にかける思いを聞いた。(取材日2020年3月3日)

こちらの病院の概要について教えてください。

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月曜日から土曜日まで一般外来を行っており、生活習慣病や軽いけが、急性期の病気などを、プライマリケアとして診ています。先端の医療で治療をするというわけではなく、肺炎や腹痛などの方で当院で対応できる範囲であれば、当院には一般病床が48床ありますので、必要に応じ入院もしていただきながら治療をします。一方で、三次救急医療が必要であるとか、悪性腫瘍など、より専門的な治療が必要な方には、近隣の大学病院や基幹病院に紹介するなど、しかるべき治療につなげることを大切にしています。要するに地域の人々のためになる、病院の近隣に住む人たちに貢献するための病院です。外来診察においては、内科では日替わりで循環器や消化器を専門とする医師に来ていただいていて、内視鏡やエコー検査にも対応しています。ただ基本的にはプライマリケアということで、体のことで何か困り事があれば、専門に関係なくまずは来ていただきたいと考えています。

訪問診療にも力を入れていると伺いました。

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当院は、昨年の10月に福寿会グループ入りしたのですが、その中心である福岡クリニックで行っていた在宅医療を引き継いで診ています。携わるにあたり、足立区全体を病棟と考え、患者さんの自宅が病室、患者さん一人ひとりが持っている携帯電話がナースコール、病院自体はナースステーション、もしくは医局という形で考え、在宅でできる過不足ない医療を提供することをめざしています。在宅医療については、内科や外科、整形外科、眼科、皮膚科、神経内科、泌尿器科、皮膚科のそれぞれを専門とする医師が訪問診療にあたっています。一人の医師が抱えるのではなく、それらの医師で専門的な訪問診療ができるのは、当院の在宅医療の強みではないかと考えています。近年は、よほど重篤でない限り在宅でも病院と遜色のない医療を提供できるようになってきましたから、自宅で療養したいという思いにできるだけ応えられるよう努めています。

特徴は、どのようなところでしょうか?

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近隣の人たちに貢献することが一番大事だと思うんです。ですから、体のことで何か困ったことがあれば来ていただいて、外来診療や検査で、専門病院につなげるレールであったり、そこまでしなくても対処できる病気であれば、当院の中でしっかりと解決する。加えて、入院用のベッドがありますので、大学病院のようながん治療はできなくても、腰痛で動けなくなって家族ではどうしようもない方に入院していただき、しかるべき施設へつなげる。当院には、福祉や行政に精通したメディカルソーシャルワーカーがいますから、具体的で適切な、患者さん本人やそのご家族が納得できるような、医療や福祉を含めた解決策を出すことができるのが特徴だと思っています。そして入院は、できるだけ地域の人にと思っています。そうすることでご家族にお見舞いに来てほしいのです。そうなると患者さんが喜びますし、病院の雰囲気も良くなり、愛のある病棟になると考えています。

病院を運営するにあたって、心がけていることを教えてください。

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私は、当院を優しい空間にしたいと思っています。ですからスタッフには、「自分の家族が病気になったときに、入院させたい病院にしよう」と話しています。そうできないと、自分の家族も入院させられないような病院に勤めているということになってしまいます。そして、よく患者さんのためにと言いますが、私は患者さんのためが50で職員のためが50で良いと思っています。職員が栄えて、楽しくて、充実していて、今日も病院に行きたいな、みんなのために働きたいなと感じられる時間や空間にしたいんです。ここがあなたの居場所だよという病院にすることが、職員、そして患者さんにも良いことだと考えています。そして、納得してもらえる医療を大切にしています。患者さんが求めていることに対して、そのまま応えることもそうですが、場合によっては、医療的な知識などを生かしてよりベターな解決策を提案するのも納得してもらうには必要と考えています。

今後の展望とメッセージをお願いします。

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福寿会では現在、福岡クリニックがあるところに病床200床弱の病院を建てる計画をしています。その病院が完成したら理事長は、在宅療養していて肺炎を起こしたり、最後の時期になって入院が必要となった患者さんを受け入れ、訪問診療で診ていた同じ医師が、入院しても診て、治ったら在宅療養に切り替え、お看取りもするといったことを考えています。そして今、当院は48床ですが、そのシミュレーションに取り組んでいます。現実的には、さまざまな問題があってそう簡単ではないのですが、それができれば、喜んでくれたり安心してくれる患者さんやご家族は多いと思いますので、なんとか頑張っていきたいですね。そして当院は、「あそこに行けばなんとかなる」という場所にしたいと思っています。ですから、必要なときにはまずは受診していただいて、解決策は私たちが一生懸命探して判断しますので、体のことならどんなことでも、相談していただきたいですね。

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多井 晃 院長

1996年東邦大学卒業。国立国際医療センター(現・国立国際医療研究センター)での勤務などを経て、2005年より福岡クリニック在宅部非常勤医師、2008年より常勤医師として勤務。同院部長などを経て、2019年10月より現職。

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