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社会福祉法人 仁生社 江戸川病院

(東京都 江戸川区)

加藤 正二郎 院長

最終更新日:2023/06/19

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地域医療の要として、高度先進医療に注力

2022年に、設立から90周年を迎えた「江戸川病院」。結核治療のための病院として江戸川のほとりで歩み始めた同院は、地域のニーズを反映して少しずつ診療科を増強し、2000年頃から現在の形に近い総合病院となった。今や20を超える幅広い診療科をそろえる同院は、大型の基幹病院が少ない江戸川区における地域医療の中心的存在だ。祖父、父、兄から経営を受け継いだ加藤正二郎院長は、各診療科の専門性向上と設備の拡充に力を注ぎ、あらゆる領域で質の高い急性期医療を提供できる体制を整えた。特に、先進の機器と多様な補助療法でがん難民ゼロをめざすがん治療、低侵襲かつ精緻な手術が可能なロボット支援手術、救急患者の速やかな受け入れには力を注ぐ。一般的な病院のイメージを覆す自由な発想で、新たな医療の可能性を追求する病院だ。(取材日2023年3月20日)

病院の歴史について教えてください。

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祖父が当院を開院したのは1932年のこと。2022年に90周年を迎え、いよいよ100周年が見えてきました。開院当初は結核治療のための病院だったそうです。医学の進歩と最新の疾病構造に注目し、時代が求める医療ニーズに応えるべく、父の代から現在のような総合病院としての診療がスタートしました。父の後は兄が継ぎましたが、残念ながら病に倒れ急逝。私が4代目となって今に至ります。兄はとても先進的で、確固たるアイデンティティーと強力なメッセージ性を持った人でした。エネルギッシュで、アイデアに満ちあふれていたんですよ。私は兄のアンテナ代わりになって、患者さんのために良いと判断した機器や医療技術の情報を提供していました。今も、心の中には兄がいて、常識にとらわれない「患者さんのための医療」の実現を助けてくれています。

病院らしくない院内の雰囲気も印象的です。

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当院のモットーは「みんなのしあわせとおもいやり」。「みんな」には、患者さんはもちろん医師、看護師、コメディカルも含まれます。当院に関わる人に少しでも笑顔になってもらいたいと、常識にとらわれない病院づくりを進めてきました。壁に現代アートが飾られていたり、エミューやオニオオハシ、フリンジヘラオヤモリといった動物たちが院内で暮らしていたりする病院は、当院のほかにはそうないでしょう。2023年には、正常組織へのダメージを減らして病巣にピンポイントで照射できる高精度放射線治療装置を新しくしたことを機に、放射線科にある装置の入り口を一新しました。江戸時代の火消しの印半纏(しるしばんてん)をかけ、天井には大きな提灯がかかっています。治療を終えて帰るときに見える提灯の裏側には、墨痕鮮やかな「必勝」の文字。提灯を見上げた患者さんが、病と戦う気持ちを高めてくれることを期待しています。

がん治療には特に注力されていますね。

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先進の医療機器と、外科療法、放射線療法、化学療法の3つを組み合わせた集学的治療で高い治療効果を得ることをめざし、がん難民といわれる人をゼロにしたいと思っています。特に放射線療法には強みがあり、強度変調放射線治療(IMRT)、画像誘導放射線治療(IGRT)による高精度放射線治療に特化しています。通常、かかりつけ医や連携医療機関からの紹介患者は各診療科を受診した後に放射線治療を開始しますが、当院では直接放射線科が受け入れるシームレスな連携体制を確立しているのも特徴ですね。各診療科との連携を強化した上で、診療放射線技師、日本看護協会がん放射線療法看護認定看護師などの専門スタッフと協力し、総合的にがん治療を行っています。2023年6月からは、長年にわたって導入計画を進めてきたホウ素中性子捕捉療法(BNCT)の研究に力を入れていく予定です。

他に注力されている治療や診療科はありますか。

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尿路結石、前立腺肥大症、慢性腎臓病といった患者数の多い病気から、前立腺がん、膀胱がん、腎臓がんといった悪性腫瘍まで広く対応する泌尿器科は強みの一つです。昨年からは、前立腺肥大症に対するレーザー治療(CVP)も開始しました。CVPは薬による適応の制限がなく、侵襲が少ないので早期社会復帰がめざせるのがメリットですね。前立腺がん、食道がんに対して行ってきたロボット支援手術の範囲も順調に拡大しております。また、私の専門である整形外科では、痛みの軽減や術後リハビリテーションの早期開始、早期社会復帰を可能にするための最小侵襲手術(MIS=Minimally Invasive Solution)に力を入れています。MISは傷とダメージが小さく、術後の審美性も保つことが望めるんですよ。大学病院レベルの知識と技術で、患者さんのQOLを高められる手術をしていきたいですね。

今後の展望と、メッセージをお願いします。

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既存の枠組みにとらわれない挑戦こそが、新たな医療の可能性を切り拓くと思っています。関連医療機関の「江戸川プラスクリニック」、地域の歯科医院で当院の患者さんの周術期口腔ケアをお任せしている「岡部歯科」との連携にも力を入れ、これからも患者さんにメリットがある治療は積極的に取り入れていくつもりです。患者さんにもっと楽に、もっと良い環境で、最善の治療を受けてもらえるように力を尽くし、ここに来て良かったと言ってもらえる病院であり続けたいですね。年齢や疾患、けがの影響で都心の大学病院への通院が難しくなってしまった方にとって、地元の病院でハイレベルな治療が受けられることは大きなメリットのはず。末永く健康で楽しい人生を送るために、なんでも気軽にご相談ください。

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加藤 正二郎 院長

日本大学医学部卒業後、慶應義塾大学医学部整形外科入局。2016年より現職。日本整形外科学会整形外科専門医。幼少期より手先が器用だったことや、尊敬する兄の影響を受け、医療の道へ。得意分野は人工関節や最小侵襲整形外科、骨軟部腫瘍、脊椎外科など。趣味はゴルフとテニス、ガーデニング。「時間をかけて大きくなるのは植物もムーブメントも同じ。種をまくタイミングの大切さに気を配りたい」と話す。

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