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医療法人社団 湘南会 亀有中央病院

(東京都 葛飾区)

小嶋 幸一郎 院長

最終更新日:2024/01/24

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長期療養が必要な重症患者のための専門病院

2001年に開院した「亀有中央病院」は68床の病床すべてが障害者施設等一般病床。長期療養が必要な患者を主な対象として診療を行っている。急性期病院で治療後の患者を中心に受け入れ、人工呼吸器をつけた状態での入院も対応可能だ。2021年に就任した小嶋幸一郎院長は、「当院でのリハビリテーションやケアを通して体力や身体機能の回復を図り、できる限りご自宅や施設にお戻りいただくこともめざしています」と話す。患者を引き受けて急性期病院の負担を減らすことは、地域医療への貢献にもつながると小嶋院長。「一方、意識障害や神経難病でベッドを離れるのが難しい方にはベッドサイドでリハビリテーションを行うなど、患者さんごとに適切な医療とケアを提供しています。私のこれまでの診療経験を生かし、入院中の褥瘡(床ずれ)の防止、栄養管理にも力を入れ、患者さんがより快適に生活できるよう配慮している点も特徴でしょう」。スタッフの丁寧な対応も特徴で、「安心して入院できる病院」という同院の目標にも近づいている。そうした新たな動きが続く同院の診療体制、将来の目標などについて小嶋院長に詳しく聞いた。(取材日2023年11月8日)

障害者病棟のみの病院ですが、どんな役割を持つのでしょうか?

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障害者病棟とも呼ばれる障害者施設等一般病床では、重度の障害や難病がある方を中心に診療を行っており、入院期間に制限があるような一般の病院では対応が難しい、長期療養が必要な患者さんの受け入れも行っています。当院の病床はすべてそうした障害者病棟なのが特徴で、主に近隣の大学病院や基幹病院で急性期治療を終えた患者さんをご紹介いただいています。具体的な対象患者さんは、パーキンソン関連疾患、多系統萎縮症などの神経難病患者、重度肢体不自由者、重度意識障害者など。人工呼吸器が必要な患者さんも多く入院されており、できる限り人工呼吸器を外せるまで回復をお手伝いし、ご自宅や施設にお戻りいただけるよう尽力しています。長期療養が必要な患者さんを受け入れる後方支援病院の役割を当院が果たすことで、救急や重症度・緊急度の高い患者さんを中心に診る急性期病院の負担を減らし、安定した地域医療体制づくりに貢献できると考えています。

では地域の医療機関との連携が重要になりますね。

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病院からの入院のご相談は医療相談室が窓口となって対応し、ソーシャルワーカーが患者さんの病状や必要な医療措置を確認してから、入院をお引き受けするなどしっかりと連携を図っています。そのほか、当院には大学病院の救命救急センターや地域の基幹病院の医師が非常勤として勤務しているため、そのつながりから患者さんを直接ご紹介いただくことも多いですね。大学病院は地域のさまざまな医療機関から難しい症例を次々に引き受けなくてはならず、急性期治療を終えた患者さんの紹介先の存在は不可欠です。私自身も母校の大学病院に長く勤め、現在も週1回は勤務しているので、そうした病院側の事情もよくわかります。ですから当院では迅速な対応と同時に、患者さんへの丁寧な対応を心がけ、患者さんが安心して療養していただける環境を提供できるよう常に努めています。

入院後はどのような治療、措置に力を入れていますか?

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当院のような慢性期の病院は病気やケガの積極的な治療というより、病状の悪化を防いだり日々の生活のケアをしたりといった対応が中心です。加えて、当院では患者さんの身体機能や体力の維持・回復をめざすリハビリテーションにも力を入れ、担当看護師とリハビリテーションのスタッフがカンファレンスにより情報を共有して、患者さんに適したリハビリテーションの提供をめざしています。離床可能な患者さんはリハビリテーション室で運動療法を行い、屋上に設けたリハビリテーションガーデンでは車いすの操作訓練や歩行訓練なども行っています。離床が困難な方には、スタッフがベッドサイドで体のこわばりを和らげるためのリハビリテーションを行います。また、私は大学病院で消化器外科の治療のほかに、傷の管理や栄養管理に関する診療も担当したことから、当院でも褥瘡の防止や治療、胃瘻などを用いた適切な体重・体力を保つ栄養管理にも力を入れています。

病院の方針や患者さんに対する心がけなどをお聞かせください。

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ご本人にもご家族にとっても安心できる病院になることが当院の目標で、患者さんの迅速な受け入れ、入院した患者さんへの丁寧な対応などは、当院の強みだと感じています。面会に来られたご家族には、医師や看護師が患者さんの普段の様子を極力お話ししますし、コロナ禍で長く面会制限をしていた時期は患者さんの現状を写真を添えて郵送するなど、ご家族に何とか情報をお伝えできるようスタッフが工夫してくれています。話せないなどコミュニケーションがとりにくい患者さんも当院には多く、オンラインでの面会より写真と近況を知らせる文章のほうが伝わりやすかったと思っています。また、ご家族が自宅での療養を希望された場合、たとえ人工呼吸器が外れていなくても、ご家族の介護力やご自宅の環境を確認して対応可能と判断できれば自宅退院を検討します。一方、療養の患者さんを抱えるご家族から一時的に入院させたいとのご希望にも対応しています。

これからの目標や地域の方へメッセージをお願いします。

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患者さんに質の高い医療を提供するには、当院のスタッフがやりがいを感じながら生き生きと働いていることが大切。そうした働き方が実現できるよう、職場環境を整え、モチベーションを高めるような教育プログラムも用意したいと考えています。私が大学病院に勤めているメリットを生かし、先進的な治療などの情報もスタッフと共有し、みんなで新たな知識を増やしていきたいですね。さらに私とスタッフとのコミュニケーションをもっと密にし、それぞれの想いを聞き、より良い職場づくりにつなげたいと思っています。地域の皆さんに一番お伝えしたいのは「安心して入院していただける病院」をめざしているという点です。ご自身での意思表示も難しい患者さんもおられるので、スタッフが患者さんの様子をしっかりと観察し、お気持ちをくみ取るように努めています。患者さんもご家族も安心してご入院いただけるような病院であることを常に意識し、めざしています。

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小嶋 幸一郎 院長

2002年杏林大学医学部卒業。同大学医学部付属病院外科での初期臨床研修を終え、2006年に同大学医学部消化器・一般外科学教室に入局。大学病院では下部消化管外科で診療したほか、公立病院、地域の基幹病院、離島の病院などで外科の経験を積む。2021年から現職。日本外科学会外科専門医、日本大腸肛門病学会大腸肛門病専門医。上部・下部消化管の内視鏡検査を専門とし、現在も大学病院で治療に携わっている。

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