医療法人財団逸生会 大橋病院
(東京都 北区)
岩田 正範 院長
最終更新日:2022/05/06
70年以上医療を提供する地域密着型病院
JR京浜東北線・埼京線の赤羽駅からバスで7分程度。北区桐ケ丘にある大橋病院は、1951年に産婦人科病院として開設されて以来、地域住民に親しまれてきた病院だ。現在は、内科、外科、整形外科、リハビリテーション科、消化器内科、神経内科、婦人科の外来診療に対応し、地域包括ケア病床や障害者施設等一般病床、療養病床を備える。タイプの異なる慢性期病床があるため、近隣の急性期病院での治療を終えた患者を受け入れ、個々に適した治療や療養、リハビリテーションを行っている。そのため、理学療法士や作業療法士、言語聴覚士も多く在籍し、充実したリハビリテーションが行えるよう環境も整えている。また、岩田正範院長は産婦人科出身で、その専門性を生かし婦人科診療や東京北医療センターと連携した妊婦健診にも注力する。都営住宅の建て替えが進み今後の人口増も期待される赤羽エリアで、地域に求められる病院をめざしたいと、病院改革にも取り組む岩田院長に、同院の特徴や展望を詳しく聞いた。(取材日2022年3月17日)
まず、こちらの病院の成り立ちを教えてください。
当院は、1951年に産婦人科病院として開設され、2006年に新富士病院グループの一員となりました。現在は外来診療の他、地域包括ケア病床、障害者施設等一般病床、療養病床があり、近隣の東京北医療センターや帝京大学病院等の急性期病院で治療が終わった患者さんを受け入れる、慢性期医療が中心です。外傷や脳神経外科疾患の後遺症に対するリハビリテーションが充実しているのが特徴です。また、私が院長に就任してから婦人科診療にも力を入れています。地域密着型の病院で患者さんはこの桐ケ丘エリアの高齢の方が多いのですが、婦人科外来や子宮がん検診、乳がん検診、内視鏡検査等には隣の板橋区からも若い世代の方が来られます。
外来診療にはどのような特徴がありますか。
内科は高齢の患者さんが多いので、介護・リハビリ・療養等の視点も持ち、個々に合わせた総合的な診療を行うのが特徴です。禁煙の外来や物忘れの外来も設けています。消化器内科では内視鏡検査にも対応し、神経内科はパーキンソン病等の神経難病や、脳血管障害等に幅広く対応しています。整形外科・リハビリテーション科には理学療法士、作業療法士、言語聴覚士が在籍し、脳血管障害による麻痺・後遺症や、骨折、靭帯損傷後の方に、回復期リハビリテーション病棟に準ずるレベルのリハビリを行っています。婦人科は一般診療から不妊相談、子宮がん検診まで幅広く診療を行っています。出産には対応していませんが、妊婦健診は混雑が少なく通院の便利な当院で行い、出産は東京北医療センターでのセミオープンシステムの連携体制を整えています。また乳腺外科が専門の女性医師による乳がん検診も行っています。乳房に関する不安があればお気軽にご相談ください。
多様な慢性期病床を生かした病病連携も特徴とのことですね。
当院には地域包括ケア病床や障害者施設等一般病棟、療養病床がありますので、患者さんの症状や状況に応じて幅広く対応することができます。例えば、地域包括ケア病床では急性期治療後や、療養中の方の在宅復帰に向けた医療・介護・リハビリテーションを行い、レスパイト入院にも対応しています。障害者施設等一般病棟は、重度の障害・神経難病等の疾患の患者さんが安心して治療や看護を受けられる病棟で、特にパーキンソン病等の神経難病の方を積極的に受け入れています。療養病床は主に長期にわたり療養が必要な方が対象で、デイサービスやリハビリによる生活機能の維持、向上をめざしています。このような特徴を生かし近隣の東京北医療センター、帝京大学医学部附属病院、板橋中央総合病院、戸田中央総合病院等の急性期病院での急性期治療が終わった患者さんを受け入れ、慢性期医療を担うことで、地道ではありますが、地域医療を支える機能を果たしています。
病院の診療方針や展望について聞かせてください。
「病気を診ずして病人を診よ」をモットーに、単に病気を診るだけでなく、その方にとって何が良いのか、必要なのかを見極めることを心がけています。患者さんに心から寄り添い、満足される医療を提供するために医師・コメディカルが連携して医療の質の向上に努めています。一方で、職員を大切にする病院でありたいと考えています。職員が笑顔で働く職場であれば、患者さんも安心できますからね。赤羽エリアは、都営住宅の建て替えが進んでおり、今後の人口増加も期待されています。当院の強みを生かしながら、将来的にも地域に求められる医療を提供できる病院となるために、病院改革を進めているところです。
地域の皆さんへのメッセージをお願いします。
地域に根差した病院として、患者さんに寄り添い、住民の皆さんに信頼され、職員も働きやすい病院でありたいと考えています。そして地域のニーズに応え質の高い医療サービスを提供していくことをめざしています。特に高齢の方の治療や介護、リハビリテーションについては、外来診療や慢性期病床を生かして、きめ細かく対応できるように努めていますので、お困りのことがあれば気軽にご相談ください。地域医療支援病院として、開業医の先生方との病診連携による在宅医療にも取り組んでいますが、今後は、当院の医師が診療を行う在宅医療にも力を入れていきたいと考えています。また当院は、子宮がん検診や乳がん検診、子宮頸がんワクチン接種といった女性の健康を守るための予防医療や婦人科診療、妊婦健診にも対応しています。身近な病院として現役世代の皆さんにも気軽に利用していただきたいと思います。
岩田 正範 院長
1987年聖マリアンナ医科大学卒業、1993年同大学大学院卒業。聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院・東横病院の産婦人科医長、鶴川記念病院副院長等を経て2012年より大橋病院病院長就任。2014年より理事長兼任。東京都出身、祖父も父も産婦人科の医師という家系に生まれ育った。趣味はスキー。天気の良い日は自宅から自転車で通勤しているとのこと。
自由診療費用の目安
自由診療とは子宮がん検診/3520円、子宮体がん検診/4620円、乳腺超音波検査/5500円、マンモグラフィ/3520円~、子宮頸がんワクチン接種(1回目)/1万7300円