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公益財団法人東京都医療保健協会 練馬総合病院

(東京都 練馬区)

柳川 達生 理事長

最終更新日:2025/04/14

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「今、地域に必要な医療」を届ける総合病院

「練馬総合病院」が拠点を置く練馬区一帯は、高齢化が顕著な地域の一つだ。2024年1月1日現在の高齢化率は22%だが、2040年には25.6%に達し、区民の4人に1人が高齢者になることが見込まれている。地域医療の充実は喫緊の課題だといえるだろう。柳川達生理事長は、こうした地域の動向に早い時期から目をつけ、予測される未来に向けて着々と対策を講じてきた。直近では、高齢化とともに患者数の増加が予想される脳血管障害、脊椎疾患などに対応できる各領域の専門家を招聘(しょうへい)したほか、救急医療体制も強化。未来に向けて必要とされる医療を、必要な人に提供できる体制が整いつつある。「医療の充実は、職員の努力のたまものである」として、職員の働きがいや働きやすさにも心を配る柳川理事長に話を聞いた。(取材日2025年3月12日)

まずは、病院のなりたちをお聞かせください。

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1948年、「練馬区に良い病院を」という地域住民の熱心な働きかけが奏功し、江古田に設立されたのが当院の始まりです。2009年に現在の場所に移転した後も、地域の皆さんと職員の地域医療にかける熱意は変わらず、多くの苦難を一丸となって乗り越えてきました。近年は、高齢化とともに変化する「求められる医療」を迅速に、かつ高いレベルで提供することを目的として、人員の補強、設備の拡張を進めています。例えば、二次救急医療機関として継続的に強化してきた救急医療では、高齢者の発症率が高く一刻の猶予も許されない脳卒中をはじめとする血管障害(脳卒中)への対応を強化すべく脳神経外科の医師を増員。当直体制も見直し、24時間365日の受け入れに尽力した結果、救急車受け入数を大幅に向上させることができました。このほかにも、入退院支援室を開設し、退院後も住み慣れた地域で暮らしていけるようサポートしています。

地域の将来を見据えた体制づくりをしているのですね。

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そうですね。前述した脳血管障害をはじめ、整形外科領域の疾患や外傷、および消化器のがんなども高齢者に多い病気です。そこで整形外科領域では、年齢に伴う増加が特に顕著な脊椎脊髄疾患に専門的な治療を提供するため、脊椎脊髄部門を設立しました。脊椎手術の豊富な経験を持つ医師が診断から治療まで一貫して携わり、背骨の状態に合った治療法をご提案します。発症直後、あるいは手術前・手術直後からリハビリテーション科が介入し、早期の社会復帰に向けて生活動作の回復を図っているのも特徴ですね。消化器については、上部・下部消化管、および肝胆膵の各領域に専門の医師がおり、看護師やコメディカルとのチーム医療で治療にあたっています。今後は、患者数の増加に病床数が追いつかなくなり、パンデミックが到来すると予想されている心不全にも対応すべく、循環器内科の強化に取り組む予定です。

ほかに、注力している診療科はありますか?

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私の専門でもある糖尿病治療は、地域の糖尿病治療をけん引すべく、2007年から糖尿病に特化した部門を立ち上げ、生活習慣や運動量のコントロールを中心に行っています。また、2024年6月には年齢を問わずご要望の多かった耳鼻咽喉科外来を開設しました。耳・鼻・喉のさまざまな症状を診断・治療できる体制を整え、より専門的な治療が必要な場合は東京医科大学病院の耳鼻咽喉科・頭頸部外科と連携して対応いたします。さらに、婦人科では、思春期、性成熟期、更年期、老年期とライフステージに応じて変化する女性特有の症状に広く対応しています。特に、子宮筋腫や卵巣腫瘍、子宮内膜症、骨盤臓器脱といった婦人科良性疾患に対する腹腔鏡手術は都内でも多くの実績を誇っていますので、安心してお任せください。産科では、妊娠初期から産後までシームレスなケアを実践するとともに、安全性を重視した計画無痛分娩にも力を入れています。

患者はもちろん職員にも心を配られているのが印象的です。

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理事長就任以降、職員一人ひとりと話をし、業務効率化による勤務環境の改善と働きがいのある職場づくりを並行して進めてきました。「職員が働きたい、働いてよかった、患者さんがかかりたい、かかって良かった、地域が在って欲しい、在るので安心、といえる医療をおこなう」が、私たちの理念です。職員が安心して働き、やりがいを感じられる環境があってこそ、患者さんの信頼につながる温かな対応をすることができます。今後は、働きやすさと働きがいに加え、経済的な面でも不安なく働けるよう、給与のベースアップを図ります。ボーナスにつきましても、職員の貢献に応じて適切に支給し、「自身の努力が正当に評価・還元されている」と実感できる職場となるよう、引き続き努めてまいります。

最後に、今後の展望についてお聞かせください。

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地域が必要とする医療をタイムリーに提供できるよう、中長期的な計画のもとで病院の拡張と診療範囲の拡大に取り組んでいきます。その第一歩として、近くの3階建ての建物を改装し、2階に医局の一部を移すことで手術室やリハビリテーション室、救急の拡張、MRIの導入に備えました。1階は多目的ホールとしてさまざまなイベントに活用し、地域にお住まいの皆さんとこれまで以上に積極的に交流していく予定です。平時のつながりを通じて当院を知っていただき、信頼関係を構築していきたいですね。現在中期的な計画として、手術室増設、健診棟の新設等を予定しております。地域の皆さまの医療ニーズに的確に応えていけるよう取り組んでまいります。今後も引き続き、公益財団法人として医療の質向上につながる研究と啓発を行いつつ、各医療機関と連携して地域完結型の医療を推進する「かかりつけ医機能支援病院」としての使命もしっかりと果たしてまいります。

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柳川 達生 理事長

1982年慶應義塾大学医学部卒、同年慶應義塾大学医学部内科学教室に入局。社会保険埼玉中央病院内科、慶應義塾大学医学部腎内分泌内科を経て、1991年米国シカゴ大学内科に留学。1994年に帰国後、練馬総合病院内科に着任した。2003年9月から副院長を務め、2020年に院長、2022年より現職。専門分野は糖尿病、内分泌、甲状腺。

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