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練馬光が丘病院

(東京都 練馬区)

光定 誠 病院長

最終更新日:2023/06/22

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総合診療と専門医療で地域を支える基幹病院

高齢化が進み医療需要が加速度的に増加する一方、人口あたりの病床数が少ない練馬区において、「住み慣れた場所で暮らし続けたい」と願う住民の声に医療で応える「練馬光が丘病院」。2022年10月に現在の場所へ移転し、地域の医療課題を解決すべく設備と機能の一新を図った。特に、放射線治療など身近な病院でがんの診療が受けられるようになったことは大きな変化だろう。かねてより注力してきた急性期医療についても、より多くの急患や重症者を受け入れられるよう体制を整えた。「地域に不足する医療をカバーし、地元の人のための医療を地元で完結できるようにしたい」と光定誠病院長。回復期リハビリテーション病床52床も新設し、急性期が過ぎて症状が安定してきた患者が在宅医療に切り替えられるよう支援。地域医療に対応するための総合的な医療と、専門性に強みのある医療をバランスよく提供し、練馬区民の生涯に寄り添う病院をめざす。
(取材日2023年3月28日)

これまでの歴史と、新病院の特徴を教えてください。

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当院の前身は、1986年に開設された「練馬区医師会立光が丘総合病院」です。以前は日本大学の運営でしたが、2012年4月からはへき地医療の充実を図る地域医療振興協会が運営母体となり、練馬区および近隣地域の急性期医療を担っています。2022年には、光が丘公園に隣接する以前の場所から光が丘第四中学校跡地に移転しました。練馬区は都内では珍しく人口が年々増えており、今後は高齢化がさらに進むと予想されています。新病院では、ますます増加するであろう医療需要に応えるため、病床数の拡充、治療設備と診療科の増強を図りました。病床数は342床から115床増えて457床になったほか、救急初療室(ER)を拡張。また、ICU(集中治療室)を増床し、高度治療室(HCU)も新設しました。診療範囲も大幅に広げ「急性期の総合診療」と各領域の「専門診療」を両立していく体制を整えています。

がん治療について、大きく体制を整えられたそうですね。

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がんの主な治療法には手術、薬物療法、放射線治療がありますが、練馬区内にはがんの治療を行える病院が多くなく、当院でがんと診断された方でも治療法によっては区をまたいで治療に通わざるを得ませんでした。高齢の方や、治療と仕事の両立をめざす方などにとって、住み慣れた地域を離れて遠方の病院まで通院するのは非常に大きな負担です。移転に際しては、当院でより多くのがん治療を完結できる体制を整え、地元の人が地元で専門的な治療を受けられるようにしたいという強い思いがありました。新病院では外来化学療法室を拡大し、放射線治療部門を設置。血液内科も2023年から医師が増えます。これにより、幅広い領域のがんの診断から、ロボット手術を含めた外科的治療、フォローアップ、必要な場合は緩和的医療まで、一貫して行えるようになりました。

救急医療について、詳しく教えてください。

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救急では、救急専門の医師が複数人常駐し、広範な外傷を総合的に受け入れ、重症度を見極めた上で集中治療や総合診療へシームレスにつなぎます。また、外科や心臓血管外科でも、当直医師に加えてオンコール医師を確保して緊急手術などに対応しています。私たちの役割は、スピーディーな全身状態の把握と初期診療、そして患者さんにとって最善の治療への橋渡しだと言えるでしょう。院内の各診療科の医師が何に強みを持ち、どんなスキルを持っているのかを普段から把握しておくこと、それぞれを適切に組み合わせて総合力を引き出すことをいつも意識しています。総合病院、入院病床の極めて少ない地域において、資源を集めて総合力で勝負する、というイメージでしょうか。

高齢化に応える診療科の増設も心強いですね。

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高齢の方は、1人で複数の病気を持っていることがほとんどです。例えば、心不全の人が骨折をしたり、消化器内科に入院した人に糖尿病の持病があったりするわけです。薬と治療との相性も考えなくてはなりません。そうなると、これまでのように専門分野に特化したスペシャリストだけでなく、疾患や部位に関わらず患者さん全体を診て、個々人にあった総合的・全人的医療を提供していくことが、非常に重要な意味を持つようになるでしょう。当院では、救急、入院、外来のすべてにおいて、総合的な医療に注力してきました。4月からは総合診療部門に歯科医師を配属し、入院中の高齢の方の口腔ケアや嚥下機能の維持などを担います。また、脊椎外科も開設して、脊椎管狭窄症など高齢の方に多い疾患をはじめヘルニア、側弯症などの治療が強化されました。形成外科や歯科口腔外科も手術や入院診療を開始して、より総合力が高まってきています。

最後に、今後の展望をお聞かせください。

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移転して施設と設備こそ刷新されましたが、「皆さまとともに地域の発展に貢献します」の当院の理念に込めた思いは変わりません。新病院では災害対策もより機能的になり、住民の皆さんの万が一の備えとしての役割を十分に担えるように体制を整えました。以前から行っている地域全体での防災訓練を継続し、地域とともにある病院として皆さんのお役に立っていきたいですね。医療の面でも、東京都CCUネットワーク、急性大動脈スーパーネットワークの連携での大動脈の手術などへは変わらず注力しつつ、当院で完結対応可能な領域を増やして今以上に総合的な医療を提供していく予定です。引き続き、住民の皆さんや近隣の医療機関等と密に連携を図って、地域の医療ニーズに応えてまいります。

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光定 誠 病院長

1982年自治医科大学卒業。専門分野は救急・消化器外科・外傷。日本救急医学会救急科専門医。東京都立広尾病院の外科や救急で研鑽を積み、各診療科の医師それぞれの技量や得意分野を引き出し、地域の救急医療の充実に励んできた。その経験を練馬光が丘病院の病院長としても生かし、病院全体の総合力アップに努める。

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