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公益社団法人地域医療振興協会 練馬光が丘病院

(東京都 練馬区)

永井 秀雄 管理者

最終更新日:2025/05/21

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地域の医療ニーズに応え続ける中核病院

「地域の発展に貢献する」という理念のもと、練馬区・豊島区・北区・板橋区で構成される東京都区西北部医療圏の急性期医療を担う「練馬光が丘病院」。457床の中規模病院ながら豊富な診療科を有する総合病院であり、東京都指定二次救急医療機関として地域の救急診療を支えているほか、小児・周産期医療、災害時医療の基幹病院としての機能も備えている。2024年から管理者を務める永井秀雄先生は、自治医科大学附属病院副院長をはじめ、茨城県立中央病院・茨城県地域がんセンター病院・さいたま記念病院で院長を歴任。専門は消化器外科だが、総合診療や予防医学、リハビリテーションにも関心が高い。新型コロナウイルス感染拡大時には自ら前線で診療にあたり、市民や子どもたちへの医療教育にも力を注いできた。「理想の医師像は『総合診療を行う医師と専門性の高い診療を行う医師の融合』。医療は『広く浅く』でも『狭く深く』でもなく、『広く深く』であるべきだと考えています」と話す永井先生に、同院の歴史や診療の特徴、今後の展望などを聞いた。(取材日2025年3月19日)

病院の成り立ちと地域の中での役割を教えてください。

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当院は1986年に「練馬区医師会立光が丘総合病院」として開設され、1991年からは日本大学が運営を担っていました。2012年4月より地域医療振興協会が運営母体となり、練馬区など東京都区西北部医療圏の中核病院としての役割を担っています。2022年に現在の場所に移転し、病床を342床から457床に増床。救急初療室の拡張とICUの増床、高度治療室(HCU)の新設など救急医療体制を強化しました。加えて、歯科口腔外科や感染症内科、緩和ケア内科、脊椎外科、放射線治療部門を新設し、回復期リハビリテーション病棟も開設しました。私は自治医科大学附属病院で副院長を、茨城県内、埼玉県内の総合病院で病院長を務め、2024年7月より当院の管理者を務めています。当院の理念は「地域の発展に貢献する」です。これまでの経験を生かし、さまざまな疾患の治療を地域内で完結できるよう診療機能の充実をめざしていきたいと思っています。

どのような方の来院が多いのでしょうか。

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当院にはほぼすべての領域の診療科がそろっており、産婦人科や小児科もあるため、乳幼児から超高齢者まで幅広い世代の方が来院されています。ただ、地域の歴史もあり、ご高齢の方が多いかもしれません。光が丘エリアは戦時中に陸軍飛行場として整備され、戦後はGHQに接収されて米軍の家族宿舎となり、1973年の返還後に光が丘団地や光が丘公園が整備されました。光が丘団地にお住まいの方の高齢化が進み、当院で終末期を迎える方もおられます。一方で分娩件数は増えており、新たな命の誕生に立ち会う機会もあります。日々厳しい医療の現場に身を置いておりますが、生まれたばかりの赤ちゃんのお顔を見ると、心が癒やされます。この病院に来て良かったなと思える瞬間です。命の終わりと始まりの両方に関われることは、医療人として大きなやりがいであり責任でもあります。今後も地域のすべての世代に寄り添う医療を提供していきたいと思います。

救急医療に力を入れているそうですね。

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はい。当院の救急科には救急医療を専門とする専従医師が複数在籍し、24時間体制で救急を受け入れています。高齢者の多くは複数の病気を抱えておられ、例えば骨折で搬送された方に心不全や糖尿病などの持病があることも少なくありません。そうした場合も、同科の医師が全人的な視点で対応し、必要に応じて各診療科と連携して治療を行っています。病院全体で救急を支える体制も整いつつあり、例えば誤嚥性肺炎の方を総合診療部門や呼吸器内科で受けられない場合はほかの診療科が対応するなど、他院からの緊急受診や入院のご依頼にも柔軟に対応できるようになり、以前よりもお断りする件数が格段に減りました。また、当院は東京都指定の二次救急医療機関であり、東京都CCUネットワーク・急性大動脈スーパーネットワークの連携で、緊急カテーテル治療や外科的手術を要する循環器疾患にも対応しています。

そのほか、力を入れている領域はありますか?

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練馬区内にはがん治療を行える病院が多くなく、当院でがんと診断された方でも、治療法によっては遠方の病院へ通院せざるを得ない状況がありました。ご高齢の方や治療と仕事の両立をめざす方にはご負担をおかけしていましたが、2023年に放射線治療部門を新設し、当院でより多くのがん治療を完結できる体制が整いました。また緩和ケア内科も開設し、終末期だけでなく診断直後から、痛みや不安など身体的・精神的なつらさを和らげるための診療を行っています。放射線治療では、がんを治す目的で行う「根治照射」だけでなく痛みなどのつらい症状を和らげる目的で行う「緩和照射」にも対応していますので、お困りの方は主治医にご相談ください。それから、循環器内科・心臓血管外科での経カテーテル大動脈弁置換術、消化器外科・泌尿器科でのロボット支援手術など、先進的な医療にも積極的に取り組んでいます。

最後に、地域の皆さんにメッセージをお願いします。

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予約なしで来院された方も診療をお断りせずに済むよう、診療科が休診のときや外来が混雑している場合は、私が初診を担当することもあります。症状や服用中の薬を確認してカルテに記録し、次回の診察につなげています。また、リハビリテーション室にはドライビングシミュレーターを導入しており、将来的に自動車運転の再開を支援する取り組みを検討中です。医療は医師だけでなく、看護師やコメディカル、事務職員など多職種に支えられて成り立っています。当院のスタッフは皆、熱心で意識も高く、非常に頼もしいチームだと感じています。私は病院への投書やインターネットサイトのクチコミにも目を通し、内容を職員と共有して病院づくりに生かしています。また、地域の行政や医師会との連携、病診・病病連携も重要です。今後も地域の皆さまや関係機関のご支援をいただきながら、より高度で安全な医療の提供をめざしてまいります。

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永井 秀雄 管理者

1973年東京大学卒業。同大学医学部附属病院などを経て1986年西ドイツ・ヴュルツブルク大学に留学。自治医科大学消化器・一般外科主任教授、茨城県立中央病院・茨城県地域がんセンター病院長、さいたま記念病院病院長などを歴任し、2024年から現職。専門は消化器外科だが、総合診療や予防医学、リハビリテーションなどにも関心が高い。日本外科学会外科専門医、日本消化器外科学会消化器外科専門医。

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