全国の頼れる病院・総合病院・大学病院を検索
病院・総合病院・大学病院7,983件の情報を掲載(2024年4月19日現在)

  1. TOP
  2. 東京都
  3. 台東区
  4. 稲荷町駅
  5. 公益財団法人ライフ・エクステンション研究所 永寿総合病院
  6. 愛甲 聡 病院長

公益財団法人ライフ・エクステンション研究所 永寿総合病院

(東京都 台東区)

愛甲 聡 病院長

最終更新日:2023/01/20

20230106 main20230106 main

永寿の理念のもと良質な地域医療を提供する

JRや地下鉄、私鉄などさまざまな路線が乗り入れる上野駅から徒歩数分の「永寿総合病院」は、「活動年齢を長らしめ、幸福な長寿に貢献する」の理念のもと、70年近く地域医療に尽力してきた。地域の基幹病院の一つとして急性期の患者を診るだけでなく、緩和ケア病棟を備え、患者が最期まで地域で暮らせるようサポートするのも同院らしい対応だ。この地に根ざした同院を「永寿さん」と親しみを込めて呼ぶ地域住民も多く、同院の愛甲聡病院長は「地域の期待に応え、『自分のためにこんなに尽くしてくれた』と感じていただけるような診療や接遇をめざします」と話す。「診療面では台東区からの要望にも応えつつ、心臓の病気や脳卒中をはじめとした救急医療、がん治療、複数の病気を持つ高齢の患者さんの診療などを重視し、災害時医療の拠点となる役割も担っています」。今後は救急の外来の設備や手術室などを拡充し、より多くの患者を受け入れたいと言う愛甲病院長に、同院の診療の特徴や病院運営への想いなどを詳しく聞いた。(取材日2022年12月23日)

病院の成り立ちや地域での役割をお聞かせください。

20230112 1

1956年に永寿病院として開院した当院は、70年近く診療を続ける中で地域の基幹病院に求められる機能の充実を図ってきました。2002年に開設当初の元浅草から上野駅寄りの今の場所に移転。現在は病床400床、専門的な診療科を多数備え、24時間対応の救急医療、緩和ケア病棟などの特色を持つ病院に発展しました。2012年の公益財団法人認可で、高い公益性と地域に貢献する医療活動を当院の使命に加えたほか、2019年には地域医療支援病院となり、近隣のクリニックや福祉施設と連携を強化するなど「地域に必要とされ、頼られる病院」を目標に尽力しています。また、病院名の「永寿」は「活動年齢を永らしめ、幸福な長寿に貢献する」という理念を示すもので、病気の早期発見をめざす健診施設をルーツとする当院ならではでしょう。もちろん現在も健診には力を入れ、2016年に機能を集約した「永寿総合検診・予防医療センター」を開設しました。

診療面ではどんな強みや特徴があるのでしょうか?

20230112 2

多様な地域医療のニーズに応える幅広い診療科が強みの一つです。そうした当院には台東区からの期待も大きいと感じており、例えば地域の皆さんがお子さんを身近なところで安心して産み育てられるよう「産科と小児科の一体運営」に力を入れ、万一に備えて産婦人科と小児科の医師は常に1名ずつ当直する体制をとっています。診療全般でも救急医療を重視。経験豊富な救急科の専任医師に加え、循環器内科や脳神経内科・脳神経外科の医師がオンコールを含む24時間体制をとるなど各診療科が協力的に対応してくれています。このほか重症の患者さんを集中的に見るHCU(ハイケアユニット)も8床設け、脳卒中などの病気の治療後には早期からリハビリテーションを行って回復をサポートしています。一般的な市中病院としては血液内科に多くの患者さんが入院されているのも特徴です。また、当院は東京都災害拠点病院でもあり、災害時の医療支援の役割も担っています。

患者数の多いがんや循環器の病気の治療はいかがですか?

20230112 3

呼吸器および消化器のがんは、内視鏡センターが早期発見に努め、必要に応じてポリープや早期がんの切除などの治療を内視鏡で行っています。手術適応となる患者さんは私が主任部長を務める外科で、食道・胃・十二指腸、肝臓・胆道・すい臓、小腸・大腸(結腸・直腸)など臓器別に専門家を中心にチーム医療で対応。抗がん剤治療も主に外科の医師が担当し、治療中に手術が有用となりそうなタイミングを適切に見極められるところは利点と考えています。また、当院は16床の緩和ケア病棟を持ち、緩和ケア科では当院の患者さんの他、別の医療機関で治療中・在宅療養中の方も含め、症状緩和に力を入れています。循環器は狭心症などの虚血性心疾患、心不全、心臓弁膜症、心筋症および不整脈疾患などの循環器疾患に対し、薬物治療やカテーテルによる検査・治療を行っていますが、近年は心房細動などに対するカテーテルアブレーションを受ける患者さんが増えてきました。

地域医療を支える医療連携について教えてください。

20230112 4

地域の医療機関との窓口を地域医療連携センターに集約し、近隣のクリニックからご紹介の患者さんは該当の診療科と連絡をとり、スムーズな受け入れに努めています。治療後はかかりつけの先生への逆紹介のほか、かかりつけ医院がない方にはご希望に合う紹介先もお探しします。病院に対しては同センターの責任者と各診療部の部長を中心に連携を深めていますが、当院を含め台東区にある4つの病院では台東区病院連絡会も定期的に開催しています。互いの強みを生かした連携や災害時の役割分担、新型コロナウイルス感染症への対応などを話し合い、地域で医療を完結できるよう密接な連携を図っています。また、同センターの入退院支援部門では、専任の看護師が入院後早期から退院後を見据えた介入を行うのも特徴です。リハビリテーションの継続が必要な場合は、関連施設の永寿総合病院柳橋分院をはじめ回復期病院のご利用について早くからご家族にも案内しています。

病院運営への想いや将来像についてお聞かせください。

20230112 5

当院の職員の行動規範に掲げた「人を助け、人のためになることが自分の仕事であるという意識を持って働く」は、人を助ける仕事にやりがいや喜びを感じてほしいという私の願いを込めたものです。この地域の患者さんの中には老舗の経営者などもおられ、今や失われつつある「江戸っ子の粋や矜持」を感じることが多々あります。そこにあるのは自らの行いをいたずらにアピールせず、誠意を込めて相手と接する潔さで、そうした方からも学びつつ職員の診療態度や接遇の質を向上させたいですね。地域密着の病院とはいえ、この地になじみがある職員はどちらかというと少数派です。「あの病院は粋な計らいをする」と思っていただくのが理想ですが、まずは初歩的なところからでも職員の意識が同じ方向に向くよう、自身が見本となって努力したいと思います。

20230106 main

愛甲 聡 病院長

1986年慶應義塾大学医学部卒業後、同大学外科学教室に入局。同大学病院、さいたま市立病院、ルイジアナ州立大学メディカルセンター、防衛医科大学校外科専任講師兼上部消化管外科科長を経て、2010年から永寿総合病院外科に勤務。同時に同院外科部長に就任し、副院長を経て現職。外科主任部長も兼任する。専門は消化器外科(食道・胃・大腸)および一般外科。日本外科学会外科専門医、日本消化器外科学会消化器外科専門医。

access.png