院長メッセージ( 東都文京病院) | 病院・総合病院・大学病院を探すならホスピタルズ・ファイル

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東都文京病院

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杉本 充弘院長

プロフィール1973年東京大学卒業。東京大学医学部附属病院、日立製作所日立総合病院を経て、1995年より日本赤十字社医療センター産婦人科部長、副院長、同センター周産母子・小児センター長、顧問を歴任。2014年より勤務開始ののち、2015年4月院長に就任。関東連合産科婦人科学会監事、日本赤十字社医療センター顧問、東京母乳の会運営委員長、東京都MC協議会救急処置基準委員会委員などを兼務。

地域の信頼を糧に歩み続ける総合医療拠点

文京区湯島の高台に建つ「東都文京病院」。前身である「小平記念東京日立病院」は、日立製作所による社会貢献の一環として、職員とその家族、地域の健康を守るという目的で設立された歴史あるクリニックだ。一時は閉鎖の話もあがったが、地域住民から病院継続を願う声が多く寄せられ、2014年4月に医療法人社団大坪会が継承。前身の開業以来、56年もの長きにわたって地域の健康を支えてきた。杉本充弘院長は、日本赤十字社医療センター産婦人科部長、副院長、同センター周産母子・小児センター長、顧問などを歴任後、再建の牽引役として同院に着任。地域包括ケアにおける救急医療のニーズに応えるとともに、ローリスク妊産婦の「産み育てる力」を引き出す出産施設を整え「小回りの利く総合病院」という立場を明確にすることによって再建を軌道に乗せた改革の旗手だ。地域医療最後の砦としての取り組みや展望を聞いた。(取材日2016年3月15日)

前身からの再建には多くのご苦労があったとうかがいました。
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2014年4月、いざ再建という流れの中で、看護スタッフが大量に離職。私の着任は、人手不足で3病棟から1病棟へと縮小せざるを得ないという状況の真っただ中でした。まずは病棟数を元の3病棟に戻すことを目標に、改革を開始。閉じていた産科病棟を「産後ケア病棟」として開き、分娩室をリニューアルして体制を整えていきました。当院の近くには4つの大きな三次救急病院があり、ハイリスク出産に対する診療体制が整っていたことから、私たちは「もっと気軽に受診したい」「自由に出産したい」というローリスク出産のニーズを満たす病院としてお産を開始。現在はセミオープンとして東大病院(東京大学医学部附属病院)、順天堂大学医学部附属順天堂医院などと契約もしています。また、昨夏より2階を産婦人科・外科系の女性病棟に、3階を内科系・外科系の混合病棟の2病棟体制へ。2020年には新病棟の完工も予定しており、着実に再建を進めています。

各診療科目について、特徴をお聞かせください。
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内科は専門性の高い医師による総合的な診察、外科はがん化学療法も行う消化器外科と乳腺外科に強みを持つのが特徴です。また複数の科に東大病院と東京医科歯科大病院から医師が派遣されており、緊密な連携体制を取っています。眼科では緑内障、加齢黄斑変性の増加を受けて、東大病院の医師による専門外来を開設。小児科も同様に東大病院と連携しつつ「母子を一緒に診る」という視点から、産婦人科とパートナーのようにタッグを組んで診療を行っています。高齢化とともに需要が拡大している整形外科は、医科歯科大と東大病院の整形外科医師が非常勤で外来を担当。小手術及び急性期を過ぎた患者さんの入院受け入れを行っています。耳鼻科、皮膚科、歯科、泌尿器科の外来もあり、身近にあるかかりつけ医として気軽に受診していただけるだけでなく、合併症に対して迅速に対応できる点もメリットでしょう。

先生が着任されてから産婦人科の設備面も変えられたそうですね。
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「病院内家庭出産」というコンセプトに基づき、和室と洋室2タイプある陣痛分娩室や、リラックスできる授乳室など関連設備を整えました。ご家族はもちろん、希望があれば友人・知人も立ち合い出産が可能ですし、分娩スタイルも自由です。出産の主体はあくまでも「産む人」。お母さんが主体性を持って出産に臨める環境を整えることが、私たちに与えられた役割であると考えています。また、お産が大学病院に集中して入院期間が短くなり、休む暇もなく家事・育児を行うことで肉体的・精神的に追い込まれてしまう人の増加をうけ、産後ケアに特に力を入れています。実際、当院で産後ケアを受けられる方の半数近くは、高血圧症候群や貧血、子宮内感染、メンタル面での不安などさまざまな医学的問題を抱えています。赤ちゃんと向き合うには、体の疲れだけでなく心の疲れを癒やすことが不可欠。当院がそのモデルとなって、産後ケアの必要性を啓発していきたいですね。

身体的にはもちろん、精神的なケアが重要なのですね。
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2008年、脳出血を起こした妊産婦が都内の複数の病院で受け入れを拒否され、死亡するという事件がありました。この事件を受けて東京都は、日本赤十字社医療センターをはじめとする3病院を妊婦の救急受け入れ先に指定。当時、日本赤十字社医療センターに在籍していた私も、救急医療の現場でさまざまな症例と向き合ってきました。その中で「命は助かったものの子育てに向かう意欲が失われたまま」という女性が数多くいることに気づき、命だけではなく心も救ってこそ真の救命であると気づいたのです。お母さんが「自分で出産を乗り切った」という自信を持つこと。それが育児をしていく力につながると考えて、体だけでなく心も健康であるようにサポートしていきたいと思っています。

今後、地域において求められる役割は何だとお考えですか。
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急性期病院の機能に加え、回復期と一部慢性期の患者さんを受け入れられる病棟機能をそなえて、進行する高齢化に対応することが急務だと考えています。合わせて、院内を一部改装してリハビリテーション機能を拡充するとともに、理学療法士などの増員も検討中。腎不全医療の強化・透析治療の開始を視野に入れ、閉鎖中の病棟を再開して3病棟体制を整える予定です。2020年完工予定の新棟は病院機能と介護老人保健施設を兼ね備えた施設とし、地域の皆さまの健康と長寿に貢献に役立てたいですね。そのほか、地域の医療連携ネットワークの一員としての役割を果たし、救急を含めた幅広いニーズに対応できる体制を整えながら、再建の歩みを着実に進めていきたいと思っています。精度の高い診断システムをそなえる総合健診センターとともに、身近で気軽に相談できる「小回りの利く総合病院」として、地域のお役に立ちたいと思います。

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