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伊藤病院

(東京都 渋谷区)

伊藤 公一 院長

最終更新日:2022/09/16

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全国から患者が訪れる甲状腺疾患の専門病院

世界的ブランドが立ち並ぶ表参道のケヤキ並木沿いに立つ「伊藤病院」は、全国から紹介患者が訪れる甲状腺疾患の専門病院だ。1937年の創業以来、3代にわたり甲状腺疾患に特化した診療を貫く。「甲状腺を病む方々のために」の理念のもと、たゆまぬ研究と実践に全力を挙げてきた3代目院長の伊藤公一先生は「戦災で失ったもの以外、全カルテを永久保存していることが誇りです」と話す。60床の入院施設を有し、手術やバセドウの重症例、甲状腺の進行がんにも手厚く対応する。その一方で、診療の要である臨床検査を充実させ、1時間ほどで検査結果が出る迅速な検査体制を整備。今では甲状腺を患うほとんどの患者は、外来のみで診療が完結するという。創業者の遺志を受け継ぎながら、斬新な発想で推進する病院経営や分院の開業など、時代を見据えた医療に取り組む伊藤院長に、甲状腺疾患や同院の強み、今後の展望などについて聞いた。(取材日2022年7月5日)

こちらの病院の歴史や特徴について教えてください。

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当院は私の祖父、伊藤尹(ただす)が1937年に表参道に診療所を開設したのが始まりです。病理医だった祖父は、顕微鏡を介して見たバセドウ病や甲状腺がんに関心を抱き、外科に転身。創業時から志した「甲状腺疾患に特化した専門病院をつくる」というビジョンは父に受け継がれ、1965年頃には100%甲状腺疾患専門病院に移行しました。1998年に父の後を引き継ぎ、私が3代目院長に就任するにあたり「甲状腺を病む方々のために」という理念を掲げて、甲状腺疾患ひと筋に診療および病院管理に取り組んでいます。常勤・非常勤ともに甲状腺の専門診療を有する医師や看護師、検査技師、事務職員らがチームを組んで専門診療を実践し、全国のクリニックや患者さまに「甲状腺疾患といえば伊藤病院」と広く知っていただけるようになりました。新型コロナウイルス流行下においても感染症対策を徹底し、チーム力で通常どおりの診療を続けることができました。

甲状腺の主な疾患とその特徴についてお聞かせください。

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甲状腺は喉仏の下にある重さ12~15gほどの小さな臓器です。甲状腺の機能異常にはホルモン分泌が過剰になる甲状腺機能亢進症と、ホルモンが不足する甲状腺機能低下症があります。日本では亢進症のほとんどがバセドウ病で、低下症の代表は橋本病です。いずれも女性に多く、当院の患者さまも9割が女性で30~50代が中心です。甲状腺疾患で特に有名なのはバセドウ病ですが、検査方法の進化で橋本病の診断の精度が上がってからは、当院でも10年前より橋本病のほうが患者数は多くなっています。甲状腺疾患は「これこそが機能異常」といった明確な症状がなく、更年期障害や早期の認知症と間違えられやすいため、誤診や見逃されるケースも少なくありません。それだけに検査による正確な診断が重要です。甲状腺疾患は命に関わることが少なく、当院では圧倒的多くの方が外来のみで診療が完了します。血液検査の結果が1時間以内に出せるのも当院の強みです。

橋本病の診療について詳しく教えてください。

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橋本病は40歳以上の女性の5人に1人が罹患しているといわれる疾患で、採血だけで診断が可能です。主な治療法は、適切な量の甲状腺ホルモン薬を内服して、足りないホルモンを補充します。ただし、甲状腺機能が正常な場合は基本的には治療の必要はありません。約半年に一度受診していただき、変化がないか丁寧にフォローしていきます。実は、甲状腺機能低下症よりも甲状腺機能正常の橋本病のほうが頻度は多く、近年は不妊治療を機に、不妊専門のクリニックから紹介されて受診される方が増えています。甲状腺機能が低下したままで妊娠すると、流産・早産のリスクが高くなるため、安全に妊娠・出産できるよう、甲状腺ホルモンを補充するなど、甲状腺ホルモンの値を正常にコントロールするための治療を行っています。今後も、全国の不妊専門の医療機関と協調しながら、女性が安心して妊娠・出産、子育てに臨めるよう、サポートさせていただきたいと思っています。

現在、特に力を入れている治療はありますか?

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甲状腺がんの検査・診断、治療に注力しています。検査はエコーでがんの位置を確認しながら、細い注射針でしこりを刺して直接細胞を吸い出し、顕微鏡で観察する「エコー下穿刺吸引細胞診」によって、しこりが良性か悪性かの精密な診断が可能です。超音波機器の進歩により、ごく小さな腫瘍でも発見可能になりました。日本人の甲状腺がんのほとんどは予後が良いとされる乳頭がんです。そのため腫瘍が1cm以下と小さく、場所も悪くないがんに対しては、患者さまの負担を考慮して手術をせずに経過観察をする例が多くなっています。進行がんには手術やアイソトープ治療を行います。中には放射線治療が適応外の方もおられますが、当院では「分子標的薬治療」という先進の抗がん剤治療を導入しており、これまで多くの症例実績を積み重ねてきました。抗がん剤治療の副作用についても、医師や看護師、薬剤師らのアドバイスなど、チーム医療で患者さまを支えています。

最後に、読者にメッセージをお願いします。

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連携施設である名古屋甲状腺診療所を2004年に開設し、2017年にはさっぽろ甲状腺診療所も開設しました。両院とも、伊藤病院同様重症バセドウ病や甲状腺がん転移例の治療に不可欠なアイソトープ診療設備を有しており、幅広い地域で甲状腺疾患に関する専門的な医療をご提供できるよう尽力しています。なお、甲状腺疾患は女性に多い病気で、心疾患や更年期障害、糖尿病などほかの疾患と自覚症状が似ています。正しい診断をして初期の段階で治療につなげていくことが重要ですから、人間ドックや健康診断を機にまずは甲状腺についても検査を受けることをお勧めします。ファミリービジネスを継ぐ3代目としては、先代たちの魂を医師となった2人の息子につないでいくつもりです。

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伊藤 公一 院長

東京女子医科大学大学院修了。東京女子医科大学内分泌外科教室、米国留学などを経て、1998年、祖父が創業した伊藤病院の3代目院長に就任。甲状腺疾患の専門診療体制の強化にまい進している。国土交通省・観光庁「インバウンド医療観光に関する研究会」の委員会に参加した経験もあり、メディカルツーリズム普及にも努力している。趣味はゴルフと読書。

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