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医療法人社団 空と大地 大崎病院東京ハートセンター

(東京都 品川区)

井上 直人 理事長

最終更新日:2020/11/25

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心臓病の専門的治療から地域密着の医療まで

民事再生中だった「大崎病院東京ハートセンター」を引き継ぎ、同センターの心臓病に特化した専門性の高い医療の提供という大きな特徴は残しながら、地域に密着し幅広く患者を受け入れる病院としてリスタートさせた井上直人理事長。同センターでは現在、井上理事長を含め循環器内科のスペシャリストである医師が集結。専門性の高い治療を展開すると同時に、救急医療、地域包括ケア病床の開設など、幅広い患者を受け入れるための環境が整えられ、地域医療に貢献するための土台づくりに余念がない。近隣の医療機関との連携のほか、東京蒲田病院とは相互にスタッフが連携し、地域医療連携室のノウハウを参考にするなど、互いの良さを共有しているという。「信頼を回復するためにはまず堅実に一歩一歩進んでいきたい」と話す井上理事長に、新たな息吹に満ちた「大崎病院東京ハートセンター」について、さまざまな話を聞いた。(取材日2020年8月18日)

新生・大崎病院東京ハートセンターが注力していることは?

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地域密着の病院として困っている患者さんを診ていくと同時に、循環器疾患における高度な医療にも積極的に取り組んでいきたいと考えています。冠動脈カテーテル治療で知られる村松俊哉院長、心臓外科の新浪博士先生、不整脈の治療を得意とする籏義仁先生と原田智雄先生、閉塞性動脈硬化症治療で有名な宇野宮誠先生といった循環器疾患のスペシャリストが集結し、将来的には、不整脈に対するカテーテルアブレーションや経カテーテル大動脈弁治療(TAVI)、経皮的僧帽弁クリップ術など、大学病院や中核病院で行われるような専門性の高い治療にも対応していきたいです。そのため大切なのが揺るがない基盤ですから、まずはしっかりとした土台をつくり上げていきたいと思います。

患者の受け入れ体制について教えてください。

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当センターは88床を有しています。そのうち40床を循環器疾患を中心とした急性期医療を受けられる患者さんのための一般病床として、残りを急性期治療を終えた後の地域包括ケア病床として活用していく予定です。品川区は地域包括ケア病床の数が少ないため需要は大きく、品川区医師会からも大きな期待が寄せられています。系列の東京蒲田病院と同様に急性期と慢性期がミックスされた感じですね。当センターで急性期治療を受けた患者さんのアフターベッドとしての役割と、近隣の医療機関からの紹介患者さんを受け入れるという2つの役割を担っていければと思います。将来的には、一般病床は循環器疾患の専門的治療を受ける患者さんで満床になることを目標としていますが、今は、疾患にこだわらず広く間口を広げることで、多くの人に当センターが安心感を持って医療を受けられる病院に生まれ変わったことを知っていただければと考えています。

救急医療への取り組みはいかがでしょうか?

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救急医療についても今まで以上に積極的に取り組んでいきたいと考えており、現在2次救急の対応ができるよう準備を進めているところです。診療科も限られているためすべての患者さんに対応できるわけではありませんが、循環器の急性疾患をはじめ、われわれで診ることができる疾患については、今までよりも幅広く受け入れていきたいです。現在、少しずつ信頼を取り返すことができているようで、患者数も少しずつ増えてきました。急性心筋梗塞などはそれほど多くないですが、歩いて受診できる不安定狭心症の患者さんや、脱水症状や熱中症の患者さんのほか、救急搬送も救急隊からの要請があれば受け入れています。カテーテルを用いた治療の件数も増え、軌道に乗ってきていると感じています。そこに2次救急の患者さんが加われば、病院の強みをより生かして稼働できるのではないかと考えています。

理事長、そしてドクターとして大切にしていることはありますか?

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理事長としては、堅実で透明性の高い経営が一番重要だと考えています。職員に対しても患者さんに対してもいかに透明性を高められるかに尽きます。その上でここまでお話ししたことをきちんとやっていければ、今後もしうまくいかないことがあっても再度、立ち上がってやっていけるのではないかなと思いますね。当センターも東京蒲田病院と同様にスタッフが少人数なので、そのメリットを生かして、院内の風通しが良く、特定の検討会を開催しなくても常に話し合える環境を整えていきたいです。また、ドクターとしては、ハートチームでのチーム医療を大切にしていきたいです。循環器疾患の治療では、カテーテルによる内科的なアプローチと外科的な治療を行っていますが、こだわることなく目の前の患者さんにとって最善の医療を迅速に提供できるようにしていきたいです。

最後に地域の方へのメッセージをお願いします。

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現在当センターには、循環器医療におけるスペシャリストといえるメンバーがそろっており、現状であっても提供できる医療のレベルはとても高いのではないかと自負しています。今後は、看護師や検査技師などコメディカルのレベルも高めていきたいです。これからも、質の高い医療を広く提供するために、村松院長と二人三脚で基礎をより積み上げていくことに取り組んでいく次第です。将来はきっとうまくいく、心臓病ならなんでも治療できる病院になるということを信じて、焦らず地道に一歩一歩進んでいきたいです。これからは、地域の人へ向けた病院見学や講演会なども開催し、地域のドクターとの連携で地域密着の医療を提供していきたいと思っていますので、どうぞ、変わっていく当センターを楽しみにしていてください。

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井上 直人 理事長

1982年京都府立医科大学医学部卒業。同大学附属病院、京都第一赤十字病院、京都第二赤十字病院を経て2007年より仙台厚生病院循環器内科主任部長。2012年「医療法人社団 森と海 東京 東京蒲田病院」を開院、理事長に就任。2019年「大崎病院東京ハートセンター」を引き継ぎ、再生させる。日本循環器学会循環器専門医、日本超音波医学会超音波専門医の資格を持つ。心臓カテーテル治療のエキスパート。

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