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NTT東日本 関東病院

(東京都 品川区)

大江 隆史 院長

最終更新日:2024/02/06

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地域が求める高度急性期医療をさらに強化

職域病院に始まり、1986年に地域住民を含め幅広く患者を受け入れる病院となった「NTT東日本 関東病院」は、多様な診療科とハイブリッド手術室、2台の手術支援ロボットなど先進的な設備を持つ。地域医療支援病院、地域がん診療連携拠点病院として地域に必要な高度医療を提供し、「人と、地域と、“つながる医療”」をモットーに患者や地域との連携、院内のチーム医療の強化を図ってきた。大江隆史院長は「診療科の増設や医師の増員により診療体制を充実させ、レディース病棟の開設など時代のニーズに合わせた環境整備も進めています」と語る。また、診療面では「がん治療」と「急性期医療」「医療連携」「国際化」の4分野に重点を置き、患者の体への負担が少ない低侵襲治療にも力を入れる。「これからも地域の信頼にお応えできるよう各医療機関との役割を明確化し、加えて国際交流の増加による医療需要にも対応し、当院ではより高いレベルの専門医療をご提供したいと考えています」と話す大江院長に、新型コロナウイルス感染症の流行を経て強化された同院の診療内容、デジタル化による医療や働き方の変化などについて聞いた。(取材日2024年2月1日)

地域医療支援やがん治療など地域での役割を教えてください。

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当院は地域の救急医療を担う二次救急医療機関の役割に加え、地域医療支援病院として近隣の医療機関から紹介患者さんを受け入れ、地域内で専門性の高い医療を提供してまいりました。新型コロナウイルス感染症の流行を経て通常の体制に戻る中で、重度で緊急性の高い患者さんを診ていく急性期医療など、改めて「当院だからできる診療」が求められていると感じています。また、当院は地域がん診療連携拠点病院でもあり、多様ながんに対する手術、抗がん剤治療、放射線治療などに加え、緩和病棟での緩和ケアまでシームレスにご提供しています。当院の母体は情報通信の会社ですので、母体とともに社会の重要インフラを支えるために不断の努力を重ねています。そうしたDNAを私たちも受け継ぎ、「人と、地域と、“つながる”医療」をモットーに、患者さんや地域と常につながり、チーム医療のためスタッフ同士もつながる病院をめざしています。

今後の診療体制で重視される点をお聞かせください。

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当院は「急性期医療」「がん治療」「医療連携」「国際化」を重点分野とし、特に医療連携では地域に求められる高度な医療の充実を図り、患者さんにもご紹介元の医療機関の先生方にも満足いただける治療で、連携を強めたいと考えています。ここ数年で複数の診療科を開設し、循環器内科、心臓血管外科などの医師を増員してきたのも、地域連携の受け皿となる急性期医療の体制を強化するためです。これにより、例えば高齢化で急増が懸念される脳・心臓の血管の異常は、専門の医師が24時間対応で治療を行っています。加えて、外科的手術と脳や心臓の血管へのカテーテル治療に対応したハイブリッド手術室を設け、稼働率の高い手術支援ロボットを2台に増設するなど、設備面でも充実を図っています。このほか、地域の医療機関から当院の特性に適したご紹介をいただけるよう、各医師の専門性をホームページでお伝えするなど、情報発信にも力を入れています。

手術支援ロボットのほか、がん治療での強みをご紹介ください。

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手術支援ロボットを用いた手術はがん治療の高度化と安全性の向上に有用で、当院は近年保険適用となった咽頭がん・喉頭がん、膵臓がんをはじめ、泌尿器科、呼吸器外科、産婦人科、消化器分野の外科などで保険適用となる治療を多く行っています。こうした治療を含め、当院のがん治療は患者さんの体の負担に配慮した低侵襲治療を重視しています。例えば早期の消化器系がんでは内視鏡治療、肝臓がんなどはおなかを切らずに電磁波で病巣を焼くラジオ波焼灼療法、脳腫瘍などには放射線を集中的に照射してがん組織を壊す目的の治療も行います。また、当院には多数の診療科があり、糖尿病、腎臓や心臓の病気などの治療と並行して、がん治療ができる点も強みの一つでしょう。さらに2021年に乳腺外科と形成外科が連携して、乳がんの患者さんを総合的に診る部門を開設し、早期発見から適切な治療、整容面に配慮した乳房再建まで一貫して行う体制を整えています。

環境整備や地域連携にデジタル技術を活用されると伺いました。

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当院はデジタル化による医療の質や安全性・利便性の向上、職員の働き方改革などに取り組んでいます。その一例が、患者さんの容体が急変するリスクを看護師に知らせる「早期警戒アラート発報システム」です。看護師による患者さんのバイタルサインの記録を自動入力する機器と、それらの測定値や心電図モニターの数値を集約して自動的に判断するシステムにより、医療の安全性向上や看護師の負担軽減をめざしています。このほか手術を自動的に記録し、必要なときは院内のどこからでも動画を視聴可能なシステムは、手術の透明性を高めると同時に若手医師の教育にも役立つことから、医療の質の向上にも期待しています。また、エックス線やMRIによる画像診断を地域の医療機関とオンラインで共有できれば、紹介・逆紹介もさらに進むでしょう。このほか全国から患者さんが来られる診療科では、医師とビデオ通話で相談ができるオンライン受診相談を開始しています。

最後に地域の方にメッセージをお願いします。

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当院は近隣の皆さんに親しまれてきた「地域の病院」であるとともに、地域医療支援病院、地域がん診療連携拠点病院の役割も担っています。言葉や保険制度の違いなどで困っている外国人の皆さんを診る国際診療科、女性の患者さんの快適な入院生活をめざしたレディース病棟をはじめ、時代のニーズに応じた環境整備も進めています。さらに整形外科では人工関節の手術で手術支援型ロボットアームを導入し、脳血管治療の分野では脳卒中に重点的に取り組むなど、専門化・高度化する医療に積極的に対応し、全国的に見てもレベルの高い治療がご提供できるよう、さらに診療内容を磨いていきます。地域の皆さんには、国の政策でもある地域医療での役割分担として、当院への受診はほかの医療機関からのご紹介を基本とし、治療後に容体が安定したら紹介元の医療機関の先生と一緒に診療を続けるなど、地域連携の医療体制にご理解をお願いできればと思います。

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大江 隆史 院長

1985年東京大学医学部卒業。東京大学医学部整形外科入局。東京大学医学部附属病院のほか関東圏を中心とした関連病院で整形外科全般の診療経験を積む。得意分野は手の外科、マイクロサージャリ―とも呼ばれる顕微鏡下の微細手術。ロコモティブシンドロームの専門家で、その研究・啓発活動にも力を入れている。2021年から現職。日本整形外科学会整形外科専門医。

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