全国の頼れる病院・総合病院・大学病院を検索
病院・総合病院・大学病院7,983件の情報を掲載(2024年4月25日現在)

  1. TOP
  2. 神奈川県
  3. 横浜市戸塚区
  4. 戸塚駅
  5. 独立行政法人国立病院機構 横浜医療センター
  6. 宇治原 誠 院長

独立行政法人国立病院機構 横浜医療センター

(神奈川県 横浜市戸塚区)

宇治原 誠 院長

最終更新日:2023/09/07

Main z52351 20230801 30Main z52351 20230801 30

地域に必要な医療を提供し、頼られる病院に

横浜市戸塚区で長く診療を続けてきた国立横浜病院は、2003年に国立横浜東病院と統合して「横浜医療センター」となり、2010年には現在地に新病院を開設。救急医療と高度な専門医療を提供する地域医療の要となっている。2023年4月に就任した宇治原誠院長は、「当院は国の地域医療支援病院、横浜市南西部地域の中核病院であり、地域にお住まいの方や各医療機関から『頼られる病院』をめざして診療にあたっています」と話す。さらに公的病院として子育て世代の医療にも力を入れ、地域周産期母子医療センターの役割を果たすと同時に、小児科では一般診療に加え、アレルギー、循環器など各分野の専門的な診療も行っている。新型コロナウイルス感染症の患者も早くから受け入れ、通常診療との両立をめざし、地域と時代が必要な医療を提供してきた同院。現在は以前と同様の診療体制に戻り、「乳腺外科で専門の医師による乳がんなどを診療し、血液浄化センターを開設して透析治療も始めるなど、一層の診療体制の充実を図っていきます」と語る宇治原院長に、同院の特徴や今後の取り組みについて聞いた。(取材日2023年8月1日)

この病院の救急医療や専門医療での強みを教えてください。

1

当院は救命救急センターを持つ救急告示病院で、重症・重篤な患者さんを24時間365日受け入れる横浜市南西部の救急医療の要となっています。センター内にはICU10床、個室4床を含む計20床の専用病床を設け、日本救急医学会救急科専門医の医師を中心に、脳神経外科や循環器内科など各専門の診療科も協力して治療にあたります。また、2017年から運用するドクターカーで、救急救命士と看護師、医師が現場に向かい、より早期からの治療開始が望めるようになりました。専門医療では脳神経外科に強みを持ち、カテーテルによる脳血管治療のほか、脳内を画像で確認しながら精度の高い手術も行っています。また、循環器は当院でも特に患者さんの多い分野で、カテーテルを用いた心筋梗塞の治療、不整脈の治療などを得意とします。このほか多数の診療科があり、地域の医療機関からご紹介いただいた患者さんを診療しています。

がん診療についてはどんな特徴がありますか?

2 z52351 20230801 01

当院は地域の中で質の高いがん診療を提供する病院です。その期待に応え、手術、薬物療法、放射線治療の標準治療すべてに対応し、脳腫瘍、肺がん、胃がんや大腸がんなどの消化器がん、乳がん、前立腺がんなどを各診療科で治療しています。特に乳腺外科には2023年度から新たな医師が着任し、専門性の高いがん診療を再開しました。加えて緩和ケアチームでは、がんによる心と体のつらさを和らげるためのケアを診断当初から行い、患者さんの療養生活の質の向上に努めています。このほか、今後の取り組みとして、標準治療を一通り終えた患者さんを受け入れ、地域の中で継続してフォローしたいと考えています。がんの積極的な治療はしなくても、容体の急変時に当院に緊急入院していただく、長期療養の入院ができる病院をご紹介するなど、ご本人やご家族の生活を支える方法を一緒に考えたいと思います。

小児医療や透析治療なども重視されていると伺いました。

%ef%bc%93

当院は地域周産期母子医療センターを備えています。また個人的にも、周産期医療と小児医療は公的病院の役割として非常に重要と考えています。同センターはハイリスクの妊婦にも対応するほか、陣痛から出産、回復を同じ部屋で過ごせるLDRが4室あり、NICU(新生児集中治療室)も併設しています。小児医療では、近隣の小児一次救急の医療機関と連携し、当院で二次救急のお子さんの治療にあたります。また小児の外来ではアレルギー疾患や循環器分野など専門性の高い診療も行っています。透析治療は2023年に血液浄化センターを開設し、専用のベッド5台が稼働中です。透析導入時に必要な血液の出入り口を造る手術、がんや心臓病などの病気がある方の透析治療など、地域の医療機関では難しい部分をカバーしていきます。そのほか、精神科は専用病床を持つ特徴を生かして、1〜2ヵ月程度の入院治療も行っています。

地域連携にはどのように取り組まれていますか?

4

国の地域医療支援病院、横浜市南西部地域の中核病院として、戸塚区や泉区など地域の医療機関と連携を深めています。私も副院長時代から近隣の先生方を訪ね、当院の特徴をご説明をしたり要望を伺ったりして良好な関係を築いてきました。また、当院の地域医療連携室を通して、戸塚区・泉区を中心に約600の医療機関に連携パートナーである「登録医」になっていただいています。加えて、当院の周辺、隣接する鎌倉市や藤沢市には、当院と同じ急性期医療を行う病院が点在し、それぞれに中小規模の病院、個々のクリニックなどが連携してネットワークを形成しています。こうした基幹病院同士の広域連携により得意分野を分担することで、より効率的に高度な医療を提供したいと考えています。当院は地域の期待に応えられず低調だった時期を乗り越え、近隣にお住まいの方や各医療機関から「本当に頼られる病院になりたい」との思いで診療にあたっています。

院長としての抱負や今後の展望をお聞かせください。

5

私が東京女子医科大学から当院に来たのは2001年で、経営状況が思わしくない時期からの奇跡的な回復も経験してきました。これは院長を務めた先生方の指導力はもちろん、看護師や各医療職、事務スタッフの「患者さんのために」という熱意による部分も大きいと感じています。そうした想いをもとに、私が院長になって院内に提示した行動指針の一つに「働くことを誇れる病院になる」があります。各自の努力に加え、患者さんや地域の先生方、行政などに「良い病院」と評価していただけるよう、外部に当院の良さをどう伝えるかも重要になってくるでしょう。今後の展望としては、循環器分野でより高度な治療を行うためのハイブリッド手術室、手術支援ロボットの導入など、設備面での増強を検討しています。さらにがん診療では、地域の中で診断、治療、フォローを行う体制の構築をめざします。今後も地域の期待に応えられる医療を提供し続けたいと考えています。

Main z52351 20230801 30

宇治原 誠 院長

1984年東京医科歯科大学医学部卒業。1988年東京女子医科大学大学院医学研究科修了。同大学内分泌内科学に入局し、同大学総合医科学研究所、東京大学薬学部で基礎内分泌学の研究に従事。アメリカのマイアミ大学、ヴァンダービルト大学に留学後、東京女子医科大学病院内分泌内科で診療にもあたる。2001年国立横浜病院内科医長に就任。副院長を経て、2023年4月から現職。日本内分泌学会内分泌代謝科専門医。

access.png