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医療法人社団愛友会 金沢文庫病院

(神奈川県 横浜市金沢区)

森山 浩 院長

最終更新日:2020/11/25

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地域で医療を完結できるよう幅広くサポート

金沢文庫駅が最寄りの「金沢文庫病院」は、横浜市南部に広がる金沢区のほぼ中央部に位置する。1983年の開設から、近隣の診療所や大学病院などとの連携を強化し、区内の地域医療の中心的な役割を担う病院へと進化してきた。同院で約20年診療を続ける森山浩院長は、「患者さんの診断から治療後のケアまでトータルに診ていくことで、地域に頼られる病院になるのが目標」と言う。それを支える診療科は内科、外科を基本に、小児科、皮膚科、整形外科など、地域のニーズに応える専門分野がそろう。「ただ、在宅医療の支援、透析や緩和ケアといった分野はまだ不足気味のため、今後はそれらの強化も図ります。金沢区にお住まいの方が、高齢になってもずっとこの地域で暮らせるよう、区内の医療機関と協力して医療の充実に取り組みたいですね」と、親しみやすい笑顔で取材に応じてくれた森山院長に、そうした同院の動きや特色などを聞いた。
(取材日2019年10月9日/情報更新日2020年8月17日)

この病院の成り立ちや特色について教えてください。

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当院は1983年に開設しましたが、当初は外科の医師が多く、今でいう三次救急の救命救急センター的な役割も担い、重篤な患者さんの治療まで行っていたと聞いています。その後、地域や時代のニーズに応えて診療科を増やし、現在は147床という中規模病院ながら、内科、外科、小児科、皮膚科、整形外科をはじめとする幅広い診療体制が特色の一つとなりました。救急医療は中等症程度を対象とする二次救急病院となり、当直医師が24時間対応します。また当院は予防医療も重視しており、横浜市の特定健康診査、前立腺がん検診・大腸がん検診・胃がん検診といった検診のほか、平日は受診が難しい方のために毎月第4土曜日に乳がん検診も行っています。さらに治療後のリハビリテーション、緩和ケア、在宅医療などにより、高齢の患者さんが住み慣れた地域でずっと暮らしていただけるよう支援しています。

地域医療ではどのような役割を持っているのですか?

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当院のある金沢区は大学病院や総合病院のほか、さまざまな規模の病院やクリニックが点在しています。そうした医療機関の連携の中で、急性期病院から重篤な状態を脱した患者さんをご紹介いただいたり、地域のクリニックから症状が重くなった患者さんをお引き受けしたりと、次の一歩をサポートするような医療を提供しています。もちろん身近な病院として多くの患者さんが直接受診され、当院だけでも救急を含む急性期医療からリハビリテーションなどの慢性期医療までカバーして、「ここに来れば安心」と感じていだけるよう、地域のニーズに幅広くお応えしています。しかも当区は医師会、歯科医師会、薬剤師会が共同で運営する三師会の活動が活発で、これは全国的にも珍しい協力体制です。私も三師会での活動を通して、金沢区にお住まいの患者さんが医療面で不自由なく暮らせるよう、切れ目のない地域医療の提供に当院も尽力したいと考えています。

特に重視されているのはどんな分野でしょうか?

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内科、外科をはじめ多様な診療科で患者さんを全般的に診ていますが、胃や腸など消化器に対する内視鏡の検査・手術は多いと思いますね。がんの患者さんの手術は地域の拠点病院へのご紹介を基本に、ご希望があれば当院でも消化器がんや乳がんの手術に対応します。またリハビリテーションは入院時のほか通院や訪問でも行っており、患者さんが地域で生き生きと暮らすために欠かせない役割を担っていると思います。このほか以前に入院・通院された方やご紹介の患者さんを中心に、20年前から私が個人宅対象の往診を担当。在宅医療に移られるとき、ご家族が「本当に最期まで在宅で大丈夫だろうか」と悩まれるのですが、そんなときは私から「最期のことを今決めなくても大丈夫ですよ」と助言するんです。当院では在宅の患者さんを院内で看取るケースもありますし、患者さんとご家族の負担を和らげながら、必要とされる医療を提供したいと考えています。

これから力を入れたい分野についてお聞かせください。

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近隣に透析を行う医療機関が少ないことから、腎臓内科の医師を擁する当院で、2020年7月より透析の患者さんを受け入れを始めました。透析にはシャントと呼ばれる人工的な血液回路が必要ですが、長期間使い続けると管がつぶれるなどトラブルが起きるため、その対処に向けて医師も準備してきました。当院には幅広い診療科があり、透析の患者さんが別の病気になった場合も、すぐ治療できる点は強みといえます。また、がん末期の痛みに苦しむ患者さんには、日本看護協会認定の緩和ケア認定看護師を中心としたチームが対応しています。緩和ケア病棟は設置していませんが、一般病棟だからこそ柔軟にできる面もあり、患者さんの希望をくんだケアも提供しやすいでしょう。さらに当院の緩和ケアチームは、県内の同規模の病院でも緩和ケアに取り組めるよう情報共有も図っています。地域に根差した病院として、地域に不足する分野に積極的に取り組んでいきます。

今後はどのような病院をめざされますか?

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診療科や職種を超えた横のつながりを強め、「当院の全員で一人の患者さんを診る」意識を高めたいと考えています。特に高齢の患者さんは複数の病気をお持ちのこともよくあります。専門外だからとお断りするより、話を伺って、適切な診療科や病院をご紹介する方が安心されるでしょう。さらに主治医が診療の幅を広げ、診断から内科的な治療、外科手術、治療後のケアまでトータルに関わることも考えられます。私も専門の外科以外に総合診療科を担当し、訪問診療も行っていますから、そうした取り組みが広がることを期待しています。すべてを当院で治療できるとは限りませんが、「ここに来たら何でも診てくれる」と患者さんに頼られる病院をめざしたいですね。そして中規模病院らしいフットワークの良さで、患者さんのニーズや医師の新たな考えを採り入れ、地域の皆さんや働くスタッフにとって価値のある病院になりたいと考えています。

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森山 浩 院長

1985年東京医科大学医学部卒業後、同大学第一外科に入局。1990年同大学大学院医学研究科修了。同大学八王子医療センターおよび同大学病院の外科で診療にあたり、1995年から東京都保健医療公社が運営する病院の呼吸器科に勤務。1999年から金沢文庫病院に移り、外科を担当。副院長を経て2019年4月から現職。日本外科学会外科専門医。

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