医療法人産育会 堀病院
(神奈川県 横浜市瀬谷区)
金井 雄二 理事長
最終更新日:2025/02/10


産婦人科と小児科で地域の幸せに貢献する
三ツ境駅から徒歩5分程度。瀬谷警察署近くにある「堀病院」は、産婦人科と小児科の専門病院として、この地で長く安全性に配慮した周産期医療に取り組み、年齢により多様な悩みを抱える女性のトータルヘルスケアをサポートしてきた。金井雄二理事長は「平日の日中に計画無痛分娩を選択可能で、出産後に社会から孤立しやすいお母さん方への産後ケアも行うなど、この地域で安心して出産・子育てしていただける病院をめざしています」と話す。同院では母親とともに笑い、ともに泣いて、一緒に歩んでいく姿勢を大切にしている。これは婦人科領域や小児科の診療でも変わらず、これからも地域全体の幸せに貢献していく方針だ。同院への入職前は、大学病院や地域の基幹病院で早産をはじめ難しい分娩の事例も多く診てきた経験も持つ金井雄二理事長に、同院での無痛分娩や産後ケアなどの新たな動きと、病院の診療方針などを詳しく聞いた。(取材日2024年1月19日/情報更新日2024年11月14日)
この病院の診療方針や特徴などをご紹介ください。

当院は産婦人科と小児科の専門病院で、両科の医師が24時間365日連携して安心して出産できる体制づくりに努めています。加えて、思春期、周産期、更年期と女性の生涯を通じたヘルスケアをサポートする役割も担い、妊娠・出産を中心に長くお付き合いができる病院をめざしています。小児科は入院している小児の患者さんの診療、分娩時の立ち会いと新生児のケアのほか、外来診療では風邪などお子さんに多い病気の診療や予防接種などを行っています。当院は一次医療施設のため、重い合併症がある方、妊娠分娩経過で新たに問題が見つかった方などは二次医療施設・三次医療施設にご紹介することがありますが、そうした際の緊急搬送にも早急に対応可能です。
無痛分娩にも対応されていると伺いました。

無痛分娩は硬膜外麻酔で陣痛や分娩の痛みの軽減を図る方法です。一般的に痛みへの恐怖心が強い方、体力に自信がない方に向くとされ、分娩による疲労からの回復も早いといわれます。初産が痛いばかりで分娩がうまく進まなかったという妊婦さんも、検討いただくとよいかもしれません。当院では2023年に開始しましたが、初産の方、出産経験がある方を問わず、ご希望は多いと感じています。なお、当院で無痛分娩を希望される方は、まずパートナーの方と無痛分娩教室に参加いただき、無痛分娩の方法や合併症が起こるリスクなどをお伝えした上で最終的な考えを伺っています。また、当院の無痛分娩は今のところ計画分娩で平日の日中に行い、夜間には対応していませんのでご注意ください。担当するのは北里大学医学部で長年無痛分娩を行ってきた金井雄二理事長で、スタッフも無痛分娩に関する専門的な教育を受けて臨んでいます。
院内での過ごし方や退院後の産後ケアについて教えてください。

快適な入院生活になるよう、昼、夕は2種から選べる食事に加え、リラクゼーションのサービスや子育ての基本知識を学ぶプログラムなどもご提供しています。特に食事は産後の体をいたわり、母乳がよく出るように、栄養のバランスのとれたメニューをご用意。味にもこだわって季節ごとの食材を使っています。退院して1週間後くらいには来院の機会を設け、助産師や看護師が赤ちゃんとお母さんの健診・母乳相談などに応じています。その後も産後4ヵ月未満までなら、当院で横浜市の産後母子ケア事業に対応したサポートのご利用が可能です。これは日帰りのデイケア、1泊2日から最長7日間まで入所できるショートステイがあり、助産師による子育て相談などが受けられるもの。このほか、当院独自の「ほりりん産後ケア」では、リラクゼーションサービスなどでゆったりと時間を過ごしていただくこともでき、横浜市だけでなく大和市や海老名市の方もご利用いただけます。
婦人科領域ではどのような診療を行っていますか?

思春期から更年期の方まで、さまざまな悩みにお応えできる診療内容をめざしています。婦人科領域で高い専門性を持つ医師が、月経前症候群(PMS)、膀胱炎、性感染症検査、避妊相談、母体保護手術、更年期に関する症状など幅広く対応し、子宮がん検診も実施しています。月経前症候群(PMS)には低容量ピルの処方、そのほかの治療を行い、子宮筋腫や子宮内膜症をはじめとした婦人科領域の良性腫瘍のフォローアップも当院で対応していきます。このほか、当院は骨粗しょう症の診断に役立つ骨密度測定装置を備えており、精密な検査が実施可能です。これにより骨密度に注意が必要な方を早期にスクリーニングして、定期的な受診につなげたいと考えています。できれば40代くらいから骨密度検査を受けていただきたいですね。
出産・子育て世代を含め地域の方にメッセージをお願いします。

出産や子育てという大きなライフイベントに際し、私たちは「何かしてあげる」という上からの目線ではなく、妊婦さんとお母さん方の不安と悩みに寄り添い、ともに泣き、ともに笑うといった共感の姿勢を大切に、大変なことを一緒に乗り越えていく病院であるよう心がけています。出産後も当院の健診に通われる中で、ご家庭との関係に不安をお持ちのように思えたら、当院の産後ケアやお住まいの地域の支援制度につなげるなど、医療と福祉が連携して地域全体で子育てをサポートする体制をつくりたいと考えています。最近は当院で出産された方向けの同窓会も定期開催し、同じ立場の先輩・後輩の交流から新たな地域のつながりを生む試みも続けています。婦人科領域での幅広い年齢の患者さんを診ていくのも、さまざまなライフステージの女性の健康をトータルに支えたいと考えているから。この地で長く診療してきた病院として、地域全体の幸せに貢献したいと思います。

金井 雄二 理事長
1996年北里大学医学部卒業。北里大学病院で27年間計画無痛分娩、胎児精密超音波検査に従事。北里大学病院産科長、北里大学医学部産科診療准教授を経て2022年5月より現職就任。産科超音波に関する講演や無痛分娩に関しての学生教育や現場教育を多数担当。日本産科婦人科学会産婦人科専門医。
自由診療費用の目安
自由診療とは各種予防接種
・MRワクチン 1万1760円
・風疹ワクチン 5620円
・麻疹ワクチン 5600円
・おたふくワクチン 5500円
・インフルエンザワクチン 3000円~
・HPVワクチン 2万3000円~
無痛分娩 7万円
性感染症検査 4200円~