
プロフィール医学博士。1979年横浜市立大学大学院医学研究科修了。ドイツチュービンゲン市マックスプランク研究所免疫遺伝部助手、横浜市立大学医学部産婦人科学講座講師・助教授、国際医療福祉大学附属熱海病院産婦人科教授などを経て、2009年医療法人産育会堀病院産婦人科勤務。2019年8月同院長に就任。日本産科婦人科学会産婦人科専門医。
安心安全な分娩と女性の一生を強力に後押し

当院は、1959年に初代院長である堀健一の手によって「堀産科婦人科医院」として開設され、1972年に「堀産科婦人科病院」へと改称。1979年の小児科開設を経て、1989年に現在の形である「医療法人産育会 堀病院」となりました。私自身は創立50周年を迎えた年である2009年からこちらでの勤務をスタートしました。2016年末、2代目の堀裕雅院長のご逝去にあたり、理事長に就任して法人組織を改変。2018年8月より院長代行を、2019年8月より院長を勤めさせていただいています。常勤での勤務自体は10年前からですが、大学院在学時代から当院との関わりがあり、週1の外来や当直などでご縁が深くありました。産婦人科医師として成長させていただいた当院の継続にお役に立てていることをうれしく思っています。

当院には、この地域の方だけでなく、さまざまな地域からいらっしゃいます。当院では確かに分娩の件数は多いのですが、分娩件数にこだわるよりその質の維持に力を注いでいます。「質の良い医療、おいしい食事、心遣い、快適な病室」の3つにこだわり、安心安全なお産の提供と、女性の人生に寄り添うトータルヘルスケアを支える最高級の医療とサービスの展開を志していくのが当院の使命。長年続けてきた努力で多くの皆さんにご支持をいただいていることはたいへん光栄です。また、来院の利便性向上のためにマイクロバスでの送迎も行い、来院へのご負担を減らせるようにしています。

救急設備の整った救急車を保有し、ご要請に応じて助産師もしくは看護師同乗の上でご自宅などへのお迎えを実施しています。突然始まるお産の際の交通の問題は、妊婦さんにとって大きな不安の種。「間に合わないかもしれない」という不安を払拭するために、「来ていただくのではなく迎えに行く」という考えで初代院長が始めたものです。近隣の二次医療機関、三次医療機関との連携も強固に保ち、緊急時の母体・新生児搬送にもこの救急車を活用しています。また、当院は小児科も併設しており、小児科の医師が24時間365日常駐していますので、出産時はもちろん産後も安心していただけます。

他院では断られることも多いという、帝王切開を経験した妊婦さんや骨盤位(逆子)、双胎(双子)などの自然分娩も、安全に配慮した対応ができると判断できた際にはお引き受けしています。帝王切開も経膣分娩も同じお産として優劣をつけるものではありませんが、以前に行った帝王切開による母体へのリスクがあるのは確か。当院で帝王切開された方以外の方では、前回の分娩を担当した病院に問い合わせ、帝王切開の理由や状況、経過などを確認した上で問題がなく、リスクを理解して同意いただけた場合に限って経膣での自然分娩を実施しています。産院を選ぶ際には入院生活を重要視される方も多いと思いますが、当院ではより快適に過ごしていただけるおもてなしにも注力。毎食2種から選べる食事やエステのサービス、全個室に完備したタブレットでスケジュール管理や各種予約、子育て基本知識のビデオ学習が可能となっている点など、ご好評いただいているようです。

現在も助産師が妊娠初期の対応などを専門的に行っていますが、今後は中期、後期にも広げ、ゆくゆくは医師のバックアップによる、安全に努めた助産師主体のお産もご選択いただける体制を整えたいと考えています。また、当院ではお産に限らず思春期、周産期、産褥期、更年期とさまざまなライフステージがある女性のトータルヘルスケアを支えることもめざしています。婦人科領域でもそれぞれの医師が高い専門性を有して連携を取りながら診療にあたっています。産婦人科もかかりつけ医が必要となる時代です。お子さまの発育と発達を見守る小児科も含めて、ぜひ身近なかかりつけ医としてお気軽にご活用いただけたらと存じます。