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東京労災病院

(東京都 大田区)

森田 明夫 病院長

最終更新日:2024/12/04

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勤労者医療と地域医療をけん引する総合病院

大田区大森南・大森地区にある「東京労災病院」。終戦後間もない1949年の設立で、全国の労災病院の中でも長い歴史を持つ病院の一つだ。バラック建ての建物が立ち並ぶ設立当初から75年、町は変わり、疾病構造も変化した。しかし、勤労者と地域のために尽くす病院の姿勢は変わらない。2024年4月に就任した森田明夫病院長は、地域医療を担う基幹病院として今求められる医療の充実を図るとともに、アウトリーチ型へのシフトで「開かれた病院」をめざすべく、豊富なアイデアを生かして未来への種まきを始めている。現在の取り組みや、描いている未来像について、森田病院長に話を聞いた。(取材日2024年10月15日)

まずは病院の成り立ちからお話しいただけますか。

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当院は、終戦の4年後の1949年5月に設立された病院で、今年で75周年を迎えます。労働災害による疾病の治療が当初の目的でしたが、時代とともに労働環境は改善し、私たちも従来の「勤労者医療」に加えて「地域医療」を重視した体制へと変化しました。高齢化が進んで通院が困難な人も増えるこれからの地域医療は、医療を必要とする人、あるいはこれから必要とするかもしれない人がいる場所に出向いて行くアウトリーチ型支援が必須です。就任後は、当院の強みの発信に努めるとともに、地元の学校の生徒たちの作品を院内に飾ったり、ベーシックライフサポート(一次救命処置)について教えに行く計画を立てたりと、地域との関わりを深めてきました。彼らが医療者を将来の選択肢の一つに加えてくれたら、それも地域の病院として意義深いことですよね。ほかにも近隣の会社と連携して、当院の栄養士監修による健康お弁当プロジェクトも進めているんですよ。

勤労者医療についても、現状をお聞かせください。

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労災病院は、勤労者の職業生活を脅かす疾病について、早期社会復帰、あるいは治療と職業生活の両立を支援する勤労者医療を担う病院として設立されました。現在は、当初の対象であった京浜工業地帯の勤労者だけでなく、働くすべての人の仕事と治療の両立支援に力を入れ、「治療就労両立支援センター」を併設して充実を図っています。がん、脳卒中、糖尿病、メンタル疾患など、長い付き合いになる疾患は少なくありません。当院では、両立支援コーディネーターが医療スタッフと連携し、患者さんの勤務先の産業医や人事課などと業務量や勤務時間、仕事内容などを細かく打ち合わせて両立を支援します。当院以外に通院中の患者さんの相談も受けつけていますので、お悩みの方はぜひご連絡いただきたいですね。羽田空港から近い立地を生かして以前から取り組んでいる国際医療と合わせて、大田区から世界に向けて勤労者医療をリードしていくつもりです。

救急医療についてはいかがですか。

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東京都指定二次救急医療機関として、24時間体制で救急医療に取り組んでいます。特に、スピーディーで正確な診断と治療が明暗を分ける脳卒中については、国内の脳卒中救急医療を日本医科大学脳神経内科・脳卒中集中治療科、昭和大学脳神経外科からも優秀な医師の派遣を受け、内科・外科が連携して緊急治療を実施。脳梗塞に対する血栓溶解療法(t-PA)、カテーテルによる血栓回収療法、くも膜下出血に対する脳動脈瘤頸部クリッピング術、コイル塞栓術など、さまざまな術式に対応できる体制を整え、患者さんの状態に応じたスピーディーな判断で適切に対応しています。スタッフたちが最大限の努力をしてくれた結果、以前は7割台だった救急応需率も現在では9割まで上がりました。「断らない医療」を掲げ、今後もさらなる受け入れ拡大に努めてまいります。

各診療科の強みについて教えてください。

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呼吸器内科・外科による呼吸器センターをはじめ、消化器外科・内科が連携した消化器部門も良いチームで、特にがんについては二大巨頭として豊富な治療実績を誇ります。虚血性心疾患や心房細動などの不整脈治療、閉塞性動脈硬化症の治療を強みとし、カテーテルアブレーション治療を数多く行っている循環器内科も当院の柱の一つでしょう。泌尿器科や皮膚科といった、以前から専門性の高い治療を行う診療科については、未来を担うモチベーションの高い若い医師もいて今後にも期待できると感じています。泌尿器科については、近い将来、ロボット支援手術にも対応していきたいですね。さらに、しばらく診療体制が縮小され、入院診療がストップしていた整形外科についても、2025年の4月には常勤医が増えてこれまで以上に強いチームになりそうです。

最後に、読者にメッセージをお願いします。

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即時的な体制の強化と並行して、これから先も長く地域の皆さまに信頼される病院であるために、未来に向けた基盤づくりにも力を入れています。診療面では、予防医療にさらに力を入れ、人間ドックの充実を図ります。枠を増やすだけでなく、患者さん自身が不安に思う部分を重点的に検査するオーダーメイドの人間ドックや、患者さんの希望に合わせて医療スタッフがメニューを組む提案型の人間ドックなど、新たな形も模索していきたいですね。また、患者さんの命の輝きはもちろん、職員の命の輝きを追求することも私の使命です。働きがいのある病院をつくり、優れた医療スタッフと意欲あるコメディカルの力をさらに伸ばすことによって、地域医療と勤労者医療をけん引する存在であり続けたいと思います。

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森田 明夫 病院長

1982年東京大学医学部医学科卒業。同大医学部脳神経外科での研修後、米国ミネソタ州Mayo Clinic脳神経外科を経て、George Washington大学脳神経外科講師を務める。東京大学脳神経外科で助教授を務めた後、NTT東日本関東病院脳神経外科部長、日本医科大学大学院教授、医学研究科長、名誉教授。2024年より現職。

自由診療費用の目安

自由診療とは

人間ドック/4万700円~

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