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医療法人社団 森と海 東京 東京蒲田病院

(東京都 大田区)

小山 豊 院長

最終更新日:2026/06/19

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継続的・横断的な医療提供で地域社会を守る

大田区蒲田で2012年から診療する「東京蒲田病院」。急性期治療から回復期のリハビリテーション、さらに継続的な医療を必要とする人の療養まで、状態に応じた切れ目のないサポートで地域医療を支えている。住宅地が多く、人口における高齢者比率の高い蒲田地域にあって、「救急」「慢性疾患」「在宅復帰支援」を横断的に支えられる同院の存在意義は大きい。2015年に副院長として着任し、専門のカテーテルインターベンションを軸に循環器医療の強化を図ってきた小山豊先生は、2017年の院長就任後もより機能的な病院づくりに奔走。妥協しない「患者ファースト」を掲げ、経営と診療の二足のわらじでスタッフをけん引している。診療の柱である、循環器・整形外科・高齢者医療を中心に、地域との深い結びつきに基づく包括的な医療連携、経営方針などについて話を聞いた。(取材日2026年5月15日)

まずは、病院の成り立ちから教えてください。

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療養型の病院だった黒田病院を前身として、2012年から現在の西蒲田の地で診療しています。移転を機に、医師の増員や心臓血管カテーテル室の開設で循環器医療の充実を図り、東京CCUネットワークにも加入。重症の心臓疾患を24時間体制で受け入れる救急医療にも尽力してきました。こうした地道な取り組みが実を結び、今では救急隊や地域の皆さんの安心材料となりつつあると感じています。自院では対応しきれない患者さんや、判断に迷う患者さんに関して、クリニックの先生方から直接電話が来ることも少なくありません。救急医療の本質は、重症度や緊急度に応じて治療の優先順位を決め、適切な振り分けをすること。満床であっても断らず、必要な初期診療や救命処置を速やかに行う柔軟な対応こそ、私たちの使命だと考えています。

救急以外の強みについてもお聞かせいただけますか。

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まずは、救急医療に関する話でも少しふれた循環器医療ですね。循環器は、重篤な心血管疾患から、狭心症、不整脈、心不全、末梢血管疾患など、広く診療しています。特に近年は、検査をしても心血管に異常が見られないにもかかわらず、胸痛が続く「INOCA(イノカ)」と呼ばれる症状の診断・治療に力を注いできました。INOCAが疑われたら、カテーテル検査で微小血管の機能を評価し、原因を見極めて適切な薬物治療につなげて症状の緩和を図ります。原因不明の胸痛に苦しみ、多くの医療機関を転々としている方は驚くほど多く、全国から患者さんがいらっしゃいます。「安心した」と言っていただくと、やりがいを感じますね。また、重症下肢虚血についても、足の切断の回避をめざす高度な治療を提供することが可能です。

ほかに注力している領域はありますか。

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循環器に加えて、整形外科と高齢者医療が現在の3本柱です。整形外科は、「転んだ」「大腿骨を骨折した」といった外傷と、腰椎の椎体が圧迫されてつぶれてしまう腰椎圧迫骨折をはじめとした脊椎疾患が中心で、専門性の高い医師がフル稼働で手術をしています。高齢者医療は、高齢化が進む地域の喫緊の課題であり、避けては通れません。在宅診療を担う医療機関や施設から、誤嚥性肺炎などでのご紹介を受けた場合、入院加療を行い短期間での改善をめざします。入院のきっかけが骨折や腰痛である場合や、直接的な原因となった疾患に心不全が付随している場合も多く、整形外科や循環器との関連性も非常に深いんですよ。認知症の患者さんもストレスなく治療できるよう多職種連携でサポートしているので、「病院に連れて行きにくい」とお考えのご家族にもご相談いただきたいですね。

地域連携の強化にも取り組まれているそうですね。

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地域のクリニックの先生や看護婦さん、薬剤師、ケアマネジャーなどが集まってグループディスカッションや講義を行う、蒲田医師会主催の「梅ちゃんカフェ」と呼ばれる取り組みがあります。この取り組みを推進するとともに、自分自身も積極的に参加し、周囲の医療機関との顔の見える関係性の構築に努めてきました。心不全の患者さんに日々の状態を記録してもらい、自己管理と適切なケアにつなげる「ハートノート」を通じて、近隣で循環器診療を提供している病院やクリニックとも連携しています。デジタル全盛の世の中ですが、血の通った温かなつながりはアナログな取り組みだからこそ生まれるのかもしれません。住み慣れた地域で暮らし続けられる患者さんが一人でも増えるように、周囲と協力し合って包括的にケアしていきたいと思っています。

最後に、今後の展望とメッセージをお願いします。

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どんな時も「患者ファースト」を忘れず、患者さんのニーズを踏まえた最善の対応をしようとスタッフには呼びかけています。例えば、来院当日に血液検査から心電図検査、超音波検査、冠動脈CT検査まで実施して検査結果をお伝えできれば、何度も病院に来る手間が省けます。一刻を争う循環器疾患でも、速やかに必要な医療につなぐことができるでしょう。患者さんが自分の父親だったら? 母親だったら?と常に自らに問い、家族にされてうれしい行動が自然とできる病院でありたいですね。ただし、患者さんを笑顔にするには、職員が幸せで、自分の置かれた環境に満足できていなければなりません。患者さんの満足度を高めることによって病院の収入が増え、増えた分をスタッフに還元できる。それによってスタッフのモチベーションが高まり、患者さんにより温かく接することができる。そんな好循環が持続する病院をめざして、今後も真摯に医療と向き合ってまいります。

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小山 豊 院長

1988年帝京大学医学部卒業。循環器内科へ進み、国内外で研鑽を積み、岩槻南病院副院長、北茨城市立総合病院副院長、総合新川橋病院心臓血管センター長 などを歴任。2015年4月より東京蒲田病院に副院長・心臓血管部門長として着任し、2017年より同院長に就任した。専門領域は冠動脈、末梢動脈のカテーテルインターベンション。「患者ファースト」を掲げ、スタッフとともに地域医療に力を尽くす。

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