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社会福祉法人 聖隷福祉事業団 聖隷横浜病院

(神奈川県 横浜市保土ケ谷区)

大内 基史 病院長

最終更新日:2024/01/15

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多様な診療科や病棟で地域医療に広く貢献

横浜駅からJR横須賀線などで1つ目の保土ケ谷駅が最寄りの「聖隷横浜病院」は、キリスト教の「隣人愛」をもとに保健・医療・福祉・介護サービスなどを全国展開する社会福祉法人聖隷福祉事業団が母体。以前の急性期を主体とした病院から、現在は地域で多様化する医療ニーズに対して病床機能の変更や診療科の拡充を進め、回復期リハビリテーション病棟や地域包括ケア病棟を持つケアミックス病院となっている。同院で長く診療する大内基史病院長は診療体制の変化を現場で感じながら、「そうした進化によって地域の皆さんに必要とされる病院であり続けたい」と話す。「心臓や脳の血管内治療といった救急医療のニーズには24時間365日応え、患者さんがご自宅に戻られるまでをフォローするリハビリテーションも行う、幅広い診療分野が当院の強み。そのほかの診療科でも『隣人愛』に基づき質の高い医療提供をめざしています」。さらに、がん治療や健診業務などを通して、地域の健康寿命の延伸にも力を入れる同院の特徴や診療方針について、大内病院長に詳しく聞いた。(取材日2023年9月29日)

この病院の地域での役割をお聞かせください。

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以前は一般病床のみで救急医療と急性期医療が中心でしたが、2015年に地域包括ケア病棟を、2020年に回復期リハビリテーション病棟と緩和ケア病棟を開設しました。また、地域の皆さんの健康維持、病気の早期発見を目的に健診業務も充実させています。このように病気の発見から急性期の治療、ご自宅に戻るサポートをするリハビリテーション、在宅医療からの短期入院まで幅広く行っています。さらに新型コロナウイルス感染症拡大時には、感染症対策をとりつつ面会禁止ではなく制限にとどめ、入院中もご家族と過ごせる時間を提供するなど、ご利用される方の視点に立ったサービスを提供しています。この地にあった国立横浜東病院が戸塚区の国立病院機構横浜医療センターと統合される際、「病院を残してほしい」と多くの要望が寄せられ、当法人が運営を引き継いだ経緯があります。地域に必要とされている病院として今後もニーズに即した診療を行っていきます。

診療面ではどのような特徴や強みがありますか?

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心筋梗塞や脳梗塞に対し、カテーテルによる血管内治療を24時間365日行う心臓血管センター、脳神経血管・高次脳機能センターを設けています。加えて心臓血管内科は不整脈のカテーテルアブレーション治療、心臓リハビリテーションも得意としています。さらに心臓血管外科のスタッフも充実させ、内科・外科の両面で心疾患に対応可能になりました。整形外科では股関節・膝関節の人工関節置換術だけでなく、それ以外の治療法も積極的に行い、「まだ人工関節には早い」と考える患者さんのご希望に応えています。また骨粗しょう症の管理に詳しい看護師、薬剤師、管理栄養士、理学療法士など多職種が連携する「骨粗しょう症リエゾンチーム」が、骨折リスクが高い方の予防などに取り組んでいます。このほか、リウマチ科ではステロイド薬の長期服用を避け、症状に応じた生物学的製剤を用いる治療方針が特徴で、多くの患者さんが来院されています。

がん治療や各病棟での診療について教えてください。

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肺がん、胃がん、大腸がん、乳がんなど日本人に多いがんの治療は当院でも十分に対応できます。早期の大腸がんのESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)での治療をはじめ、各種の外科手術、抗がん剤による治療も行っています。多職種で構成された緩和ケアチームがあり、病気になった時から痛みを緩和するためのケアを入院・外来で提供できるのも強みでしょう。病棟別の特徴としては、回復期リハビリテーション病棟はリハビリテーション専門の医師と理学療法士、作業療法士、言語聴覚士が密接に協力して、急性期の治療を終えた患者さんが、ご自宅で自立した生活が送れるよう回復を支援します。地域包括ケア病棟は51床でスタートし、2021年に60床に増床しました。回復期の入院対象でない患者さんのリハビリテーションが中心ですが、在宅療養中の方の病状悪化などによる短期入院(レスパイト入院)にも対応し、地域医療で求められる役割を果たしています。

設備や医療機器などで整備された点をご紹介ください。

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2019年に新病棟としてA棟を設けた際、受付・会計、診療室、各種の検査室や健診施設を配置して利便性を高め、外来診療や健診はほぼA棟内で終わるようしました。同時に救急医療の機能と手術室も拡充。救急の受付と検査機器を同フロアにして迅速な対応を可能にし、手術室は5室となりました。さらに術中神経モニタリング装置、ナビゲーションシステムなどを導入し、より安全な手術環境をめざしています。加えて性能にこだわった3台のCT、2台のMRIを院内に設置。必要に応じて新しい機種に更新することで、精度の高い検査ができる環境を整えています。また、当院は保土ケ谷駅から少し離れた高台にあり、駅からのアクセス改善も課題でした。そこで2018年から当院、井土ヶ谷駅、南太田駅、黄金町駅を巡回する無料送迎バスの運行を開始しています。このほか路線バスも当院敷地内や近くのバス停に止まりますので、ご利用いただければと思います。

今後の展望や地域の方へのメッセージをお願いします。

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当院は診療体制を変更しながら、地域に必要とされる医療を提供してきました。その方針は今後も同様で、ニーズが高まる長期入院に備え、病床の一部を療養病棟に転換することも計画中です。また、A棟に健診施設を集約して充実させたのは、病気の予防や早期発見にも力を入れたいと考えたため。当院の整形外科や耳鼻咽喉科などに通院されていても、定期健診を受けていないケースが意外に多いようです。そうした患者さんをはじめ、多くの方に健診施設をご利用いただきたいと考えています。もちろん、地域の先生方も診ておられる患者さんに何かあったら、当院への紹介をご検討いただきたいと思っています。特に心臓血管センターと脳神経血管・高次脳機能センターは24時間対応で、登録された先生は電話で担当医と直接連絡ができますし、必要なときはより高度な医療が行える病院にご紹介します。医療機関同士で密接に連携して、地域医療を守っていきたいと思います。

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大内 基史 病院長

1987年北里大学医学部卒業。北里大学病院胸部外科での診療後、1994年から国立病院機構南横浜病院呼吸器科。2008年に聖隷横浜病院呼吸器外科に入職し、同科部長、同院副院長などを務め、同院の電子カルテ導入、新病棟建築にも深く携わる。2022年から現職。休日はウォーキングで20kmほど歩くこともあり、数年前からダイビングを始めるなど体を動かすことが趣味。

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