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横浜市立市民病院

(神奈川県 横浜市神奈川区)

小松 弘一 病院長

最終更新日:2021/09/08

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地域のリ―ディングホスピタルをめざして

1960年、内科、小児科、外科、産婦人科の4科42床の病院として保土ケ谷に開院した「横浜市立市民病院」。時代の変化とともに増科、増床を重ね、2020年5月に緑豊かな三ツ沢公園に隣接するパークホスピタルとして新たなスタートを切った。34の多彩な診療科、うち個室178床となる650床の病室、約1600人の職員体制で、地域に必要とされる高水準の医療の提供に努めている。従来から注力している小児救急と周産期母子医療、高度急性期病院の要となる集中治療に加え、がんゲノム医療連携病院、災害拠点病院、第一種感染症指定病院など数多くの役割も担う。「安心とつながりの拠点」をコンセプトに掲げる同院は、地域の医療機関や行政との連携を促進する患者総合サポートセンターや市民講座の開催などにも活用できる大講堂など、市民とのつながりを意識した仕組みや施設も充実させた。そんな同院をけん引するのは、2021年4月から病院長を務める小松弘一先生だ。消化器内科のスペシャリストとして長く診療に携わり、研修医の教育、育成にも尽力してきた小松病院長に、時代のニーズに合わせ変革し続ける同院の話を聞いた。(取材日2021年7月2日)

新病院の特徴と設備について教えてください。

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従来より高度急性期病院として、小児救急・周産期母子医療、24時間365日の救急対応、がん診療、感染症医療などに力を入れてきましたが、新病院となり、より先進的な医療サービスの提供が可能になりました。ICU、NICUなど重症系集中治療室の拡充、手術室や血管撮影室、LDR(分娩室)の増室に加え、ロボット手術支援機器も導入しました。ロボット手術支援下の手術では、執刀医がコンソールで手術を行うのですが、当院はこのコンソールを2台備えており、手術中の切り替えや教育用として活用しています。また、集中治療室はベッド数が増えただけでなく、全室個室にしています。これにより感染症の重症者を診ることが可能になりました。当院は、エボラ出血熱や天然痘などの患者も収容できる第一種感染症指定病院で、SARS、MERSにも対応する第二種感染症指定病院でもあります。

地域にとって必要な医療を提供する体制を整えているのですね。

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旧病院の感染症病棟は2人部屋だったため、感染症患者の場合2人部屋に1人しか入院できませんでしたが、新病院ではすべて1人部屋の個室にしています。感染症病棟や重症系病棟の一部の病室は、廊下よりも圧を下げる陰圧室になっており、患者さんのいる病室の空気が廊下に流れ出ないような構造です。もう一つの当院の特徴は、災害に強いエネルギーシステムを備えた災害拠点病院であること。多くの災害拠点病院は、外からのライフラインがカットされても3日間は耐えられるよう備えていますが、当院は地下を整備して7日間自立できる体制を整え、救急・災害医療に備えています。また、屋上にヘリポートを造ると建物の高さ制限のため病院の規模縮小を余儀なくされるため、隣接する三ツ沢公園にヘリコプターを発着させ、そこからの搬送というかたちを取っています。院内の食堂やカフェからは三ツ沢公園の緑を眺めることができますよ。

注力している診療や取り組みについて教えてください。

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当院には多くの診療科と、さまざまな特色ある部門があります。従来から、がん診療には力を入れてきましたが、2018年にはがんゲノム医療中核拠点病院と連携して治療にあたる「がんゲノム医療連携病院」となりました。がん治療では、緩和ケア部門、肺がん治療部門、化学療法部門、婦人科内視鏡手術部門といったがんに関わる部署が連携し、より専門的な診療を実現しています。ほかにも意識障害や言語障害のある急性期の患者さんを迅速に治療する脳卒中部門、循環器内科と心臓血管外科のチーム医療で対応する心臓血管部門、全国から患者さんが訪れる炎症性腸疾患部門、さらに充実した検査体制で健康寿命の延伸を図る予防医療部門など、多彩な分野に注力しています。また、以前から特徴としている医師臨床研修部門では、初期研修から専門研修までの臨床研修病院として、医師の資質の向上に取り組んでいます。

先生が入職されたのは1997年と伺っています。

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大学院を卒業し、2年間アメリカで研究に従事していました。長く研究職に時間を費やした後、同大学の関連病院で臨床医として勤務し、「病める人が元気になっていく姿を見ることの価値」を再発見しました。当院に入職して今年で25年になりますから、当院のことはよく知っているつもりです。病院長職に専念したいところですが、長く診させていただいている患者さんもいらっしゃるので、現在も外来の時間は確保しています。そこで感じることは当院の職員の皆さんは非常に優秀で、プロフェッショナリズムを持っているということです。実は、横浜に入港したクルーズ船内の新型コロナウイルス感染症の患者さんを早い時期に受け入れたのは当院でした。まだ治療法もわからない中、職員にとっても怖いことだったと思います。しかし、実際にはその年の離職率は例年よりも少なかった。志高く医療を提供するという気持ちで対応してくれた職員には感謝しかありません。

最後に今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

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コロナ禍において、当院は本来の実力をまだ十分に発揮できていないのではないかと思います。例えば、現在26床ある感染症病棟に、病床数を超える患者の入院が必要になった時には、一般病棟を急遽コロナ専用病棟とし、必要な人材も一般病棟から動員して重症患者に充てていました。その当時は、病院の機能が相当落ちていました。今後もしばらく続くであろうコロナ禍において感染症指定病院としての使命を果たしつつ、高度急性期病院として一般診療の質を落とさないこと。それが「今」の状況に合わせた展望です。そして、職員全員に同じベクトルで医療に取り組んでもらうこと。それが僕の使命であると考えます。高度急性期病院として、皆さんが本当に必要な時の「最後の砦」としていただきたい。横浜市は人口に比例して中核病院が多くある地域です。当院はその中のリーディングホスピタルをめざし、市民の皆さんの「安心とつながりの拠点」でありたいと思います。

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小松 弘一 病院長

1982年慶応義塾大学医学部卒業。1987年同大学院医学研究科修了後、同大学病院や米国カリフォルニア州立大学ロサンゼルス校などで消化器内科の臨床、研究に携わり、1997年に横浜市立市民病院に入職。消化器内科部長、医師臨床研修センター長、副病院長などを経て、2021年4月病院長に就任。専門は消化器内科。

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