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横浜市立市民病院

(神奈川県 横浜市神奈川区)

長谷川 直樹 病院長

最終更新日:2026/10/02

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高度急性期医療で市民の命と健康を守る

1960年の開院以来、地域に親しまれてきた「横浜市立市民病院」は、横浜市の地域医療を担う中核病院として高度急性期医療に取り組んでいる。がん診療を柱に、幅広い分野で専門的な治療を行い、手術支援ロボットや先端の放射線機器を導入するなど、多様な医療ニーズに応えている。同時に、公立病院として、小児医療や周産期医療、感染症医療にも注力。また、地域医療の要として、地域全体で患者を支えていけるように地域の医療機関との連携を強化し、切れ目のない医療の提供をめざしている。2026年4月に就任した長谷川直樹病院長は、1987年から2年間同院で勤務した経験があり、「まさか病院長として戻ってくる日が来るとは思いもよりませんでした」とにっこり。懐かしさとともに40年の変化を感じながら、日々、業務に取り組んでいるという。医療の在り方の変化や少子高齢化が進むなど病院を取り巻く環境が目まぐるしく変わる中での同院について、長谷川病院長に聞いた。(取材日2026年7月1日)

現在、力を入れて取り組んでいることを教えてください。

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地域の中核病院として急性期医療に注力しています。救急医療では、近隣3区を含めた地域の二次救急を担い、入り口となる救急診療科を中心に全診療科でバックアップできる体制が整っています。災害拠点病院として災害時にも滞りなく医療を提供できるように備えているほか、隣接する三ツ沢公園に設置される臨時ヘリポートを活用して重症患者の搬送も行います。がん診療では、肺がん、消化器がん、泌尿器がん、婦人科がんをはじめ、幅広いがんを扱い、ロボット支援手術も導入しています。口腔がんを専門にする医師も加わったことで、地域を超えて紹介患者さんが増えていますね。放射線治療については、2020年に病院をリニューアルした際に、先進の照射装置を設置しました。緩和照射も積極的に行っており、近隣の病院から緩和照射のための短期入院も受け入れています。また、MRIは3台あり、地域の先生方のご依頼にも迅速に応えています。

公立病院としてはどのような役割を担っていますか?

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一般的に不採算医療といわれている小児医療や周産期医療はやはり当院が注力すべき分野になります。小児では、基幹病院として急性期の小児医療に積極的に取り組んでいます。また、周産期医療では、産婦人科を閉じる病院が増えている中で、多くの妊婦さんに受診していただいており、2025年4月~2026年3月の分娩件数の実績は1213件に上ります。ニーズの高い無痛分娩は、麻酔科との連携で進めており、現在、24時間無痛分娩ができる体制をめざして準備を進めているところです。ハイリスクの妊娠・出産も積極的に受け入れ、全診療科が連携し、安全にお産ができるように努めるとともに、新生児医療にも力を入れています。また、感染症も公的病院の担う役目であり、当院は第一種感染症指定医療機関であるとともに、感染症病棟を有しています。新興感染症が起きたときには、初動対応として県内の患者さんを率先して受け入れ、専門的な治療を提供します。

そのほか、特徴的な診療をご紹介ください。

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循環器の分野では、内科領域と外科領域の両方が充実し、連携をしながら、急性期から心臓リハビリテーションまで幅広く対応しています。2023年には心臓弁膜症に対する経カテーテル大動脈弁置換術(TAVI)も開始しました。呼吸器内科では主に肺がんの診療を行い、肺がんに関連する治験を多数実施。一方、呼吸器外科では2025年4月~2026年3月の間に144件の肺がんの手術を行っています。また、炎症性腸疾患に特化した診療は歴史もあり、手術療法しか選択肢がなかった頃から診療を手がけてきました。現在は内科的な治療も提供し、多くの患者さんの治療を行っています。さらに、形成外科の慢性の顔面神経麻痺の専門的な診療や、整形外科の人工関節置換術をはじめとする膝関節治療、乳腺外科の初期の乳がんに対する低侵襲のラジオ波焼灼療法など、多様な医療を展開しています。

地域医療連携の中ではどのような取り組みをしていますか?

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近隣の医師会との密な連携や、地域の先生方を対象にした勉強会を開催するなど、積極的に交流しています。医療圏の先生を訪問し、連携を深化させ顔の見える関係を構築することで、課題などを率直にご指摘いただけるような関係性を築いていければと考えています。また、急性期病院では、患者さんが入院された時点から、その後の転院先を見据えた支援が必要となるケースも少なくありません。そこで当院では患者総合サポートセンターを設置し、前方だけでなく、近隣17の病院と連携し、患者さんの居住地や病態に応じた医療機関へスムーズに連携できるよう、後方連携の強化にも取り組んでいます。地域医療構想が進む中、医療は、一つの病院が急性期から慢性期までを担うのではなく、地域全体で支える方向に変わろうとしています。当院の役割やミッションを患者さんにも理解していただけるよう努め、地域に貢献していきたいと思います。

最後に、地域に向けてのメッセージをお願いします。

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地域の皆さんには、ぜひ信頼できるかかりつけ医を持っていただきたいです。日頃の健康管理はかかりつけ医が担い、必要に応じて当院と連携しながら診療を進めていけるように、地域の医療機関との連携をより一層深め、協働して質の高い医療を提供していきたいと考えています。そして、安全性の高い医療を大前提に、患者さんから「何かあったらまたこの病院を受診しよう」、「家族や知人にも勧めたい」と思っていただける病院になれるよう、患者さんの声にしっかり耳を傾け、優しく温かい医療を実践してまいります。世の中でさまざまなことが激変する中で、病院も変化をしていかなければなりません。過去にとらわれず、新しいことに積極的に取り組む姿勢を大切にしていきたいと思います。

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長谷川 直樹 病院長

1985年慶應義塾大学医学部卒業。同大学病院、横浜市立市民病院、Stanford University Medical Center 、南横浜病院を経て2000年から慶應義塾大学医学部で勤務し2015年より同大学教授へ就任。2025年6月に横浜市立市民病院統括副病院長に就任し2026年4月より現職。専門は感染症学・呼吸器病学。病気のメカニズムや背景を捉え、受診して良かったと思える医療を心がける。

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