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医療法人社団松和会 池上総合病院

(東京都 大田区)

繁田 明義 病院長

最終更新日:2021/08/05

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病病・病診連携を深め地域医療の輪をつなぐ

約100年の歴史を持ち、2021年に建て替えられた東急線池上駅から徒歩1分。前身の病院を含め70年近く、この地で診療を続けてきた「池上総合病院」は、病床数384床の中規模病院として地域のニーズに応え、急性期から慢性期まで包括的な医療を提供する。同院は、一般的なカテーテル治療やカテーテルアブレーション治療を得意とする循環器内科など25の診療科に加え、専門医療を行う4つのセンター、人間ドック・健康診断のための健診センターを持つ。同院の繁田(はんだ)明義病院長は、「当院には診療の窓口となる総合内科があり、新しくなった駅ビルの5階には当院付属クリニックも開設するなど、地域の患者さんが利用しやすい診療体制を整えています」と話す。同院がある大田区南部は、中規模以上の病院数、病床数が少なく、各医療機関が広い医療圏をカバーする必要があるのだという。「地域の医療機関との連携による『地域完結の医療』で、この地で最後まで過ごしたいという患者さんのご希望をかなえたいです」と語る繁田病院長に、同院の診療面での特色や地域連携などについて詳しく聞いた。(取材日2021年7月9日)

貴院の特色や地域での位置づけをお聞かせください。

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当院は384床の中規模病院で、一般病床248床、療養病床94床、地域包括ケア病床42床を備えた多機能病院です。一般病床では病状が急変した方や重症の患者さんへの急性期医療が中心で、循環器、脳血管、消化器、整形外科など医療ニーズが高まる分野に注力しています。さらにICU(集中治療室)14床、救急病床16床も含まれ、救急医療を24時間365日提供し、ドクターカーも備えるなど地域医療の充実を図っています。療養病床は長期療養の患者さんにご利用いただき、ご自宅では難しい医療的措置が必要な方も多く入院されます。地域包括ケア病床は、急性期治療後にご自宅・施設で自立した生活を送っていただくためのリハビリテーション、在宅療養中の患者さんの一時入院などに対応します。こうした包括的な医療を提供する当院と、近隣の医療機関との密接な連携で、患者さんを地域の力を合わせて診ていく「地域完結の医療」をめざしています。

どのような診療分野に力を入れていますか?

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患者さんの数では循環器系、外傷、腎尿路、消化器系が多く、これらの診療には特に力を入れています。循環器内科はカテーテル治療を中心に、不整脈治療に有用なカテーテルアブレーションも得意とし、2室あるカテーテル室のうち1室はアブレーション治療専用室です。さらに循環器内科と心臓血管外科によるハートセンターでは、循環器系の病気に対して内科・外科の一体的な医療を提供。消化器がんなど多様な消化器の病気を治療する消化器センター、静脈瘤などを対象とする大動脈センター、脳卒中の患者さんへの迅速な治療を行う脳卒中・神経センターなど、多くの分野で診断・治療を一貫して行う体制を整えています。しかも当院の医局は70数人と互いにコミュニケーションしやすい規模で、センターによる連携だけでなく、分野を超えた連携もスムーズです。また、当院の医療法人全体の強みである透析治療、内視鏡検査も診療面での特徴の一つとなっています。

総合内科や付属クリニックの役割を教えてください。

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当院の総合内科は軽症の患者さん、生活習慣病など長期にわたる診療が必要な方などが対象ですが、初診時にどの診療科に行けばよいのかわからない場合、最初の受診窓口としてもご利用いただけます。診断をもとに、引き続き同科で診るか、専門の診療科をご紹介するかといった適切な対応ができるのは、4人の常勤医師を含め多くの医師が総合内科を担当し、診療体制を充実させているからです。また、池上駅の駅ビル5階にある池上総合病院付属クリニックには内科、循環器内科、小児科を開設しています。循環器内科は当院のハートセンターと連携しており、循環器の病気を幅広く診療します。同クリニックでは、当院前病院長の臼井和胤先生も診療を担当されるのも、安心できるポイントではないでしょうか。駅直結で、しかも当院とも至近距離で連携しやすいクリニックを、多くの方にご利用いただきたいと思っています。

地域の医療機関とはどうやって連携されていますか?

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当院では「患者様支援センター」にある医療連携室が、地域の医療機関・施設との連絡窓口となり、患者さんをご紹介いただく医療機関、入院患者さんの転院先、退院後に在宅療養を担当される先生方など、各所と連絡を取っています。同センターは、医療連携室と患者相談窓口、医療福祉相談室が一体的に運用され、患者さんやご家族との連絡・情報交換も含め、スムーズな入退院をサポートできる点も強みの一つ。当院がある大田区南部は、人口に対する中規模以上の病院数、病床数が少なく、各医療機関がそれぞれ広い医療圏をカバーしています。このため病院同士の連携、近隣の医療機関との連携を強化し、不足する診療科を補い合って、患者さんを支える医療の網目を密にすることも重要です。医療連携室だけでなく、私や各診療科の責任者が地域の先生方と連絡を取り、安心してご紹介いただける顔の見える関係を築いていきたいと考えています。

地域の皆さんにメッセージをお願いします。

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大田区の試算では、2035年には地域の高齢化率は25%に達し、患者さんごとに異なる家庭環境や複合した病気に対応できる、オーダーメード的な医療がさらに求められます。当院は専門分野を超えた診療科の連携、近隣の医療機関との密接な協力、地域の皆さんへの積極的なアプローチなどにより、地域の中で医療の輪をつなげ、高齢社会への対応を早くから進めてきました。私の専門である整形外科では、運動機能の低下を意味するロコモティブシンドロームの予防を目的に、患者さんや地域の皆さんへの啓発活動などで、地域全体の健康寿命の延伸をめざしています。もちろん、これまでどおり全世代を対象とする急性期医療、救急医療に力を入れ、診療窓口の充実のため総合内科プラス総合外科という拡充も検討中です。地域の中核病院として、地域に必要な医療を今後もご提供していきますので、安心して当院をご利用いただければと思います。

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繁田 明義 病院長

1995年東海大学医学部卒業。同大学医学部付属病院での研修を経て、同院整形外科を中心に国立療養所箱根病院(現・国立病院機構箱根病院)、さがみ野中央病院などでも診療。2001年から東海大学医学部整形外科学教室助手、講師を歴任。2011年池上総合病院整形外科科長、同院副院長に就任。2021年から現職。医学博士。日本整形外科学会整形外科専門医。専門は肩関節、スポーツ整形外科など。

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