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医療法人 横浜未来ヘルスケアシステム 大田池上病院

(東京都 大田区)

橘 秀昭 院長

最終更新日:2023/08/28

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患者の満足を優先した包括的医療を

1951年の設立から半世紀以上にわたり、「地域に根差した真心の医療」に努める「大田池上病院」。東急池上線池上駅より徒歩10分、池上本門寺の近くに位置する同院は、内科・外科・整形外科・皮膚科・婦人科・眼科・リハビリテーション科に加え、今年から新たに脳神経外科の診察を開始。中でも整形外科においては、一般外傷から高齢者の脊椎圧迫骨折や大腿骨頸部骨折、変形性関節症など、さまざまなケースへの対応に力を入れる。そのほか、人工透析などの専門の外来に加え、二次救急指定病院として急性期医療も展開。また、「大田池上訪問看護ステーション」を1994年に設立し、退院支援看護師やソーシャルワーカーを配置して退院後の生活や社会復帰をサポートするなど、包括的な医療の提供にも積極的に取り組んでいる。診療の特徴や同院が担う地域での役割、今後の展望などについて、院長の橘秀昭先生に話を聞いた。(取材日2016年8月18日/情報更新日2023年8月8日)

こちらは60年以上の歴史がある病院だそうですね。

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当院の設立は1951年ですから、60年以上にわたり同じ場所で医療を続けてきたことになります。初代院長の松井卓爾先生は元軍医で、終戦後はとある企業の診療所で診療をしていました。そこは終戦のゴタゴタで閉鎖したのですが、「ここで医療を続けるんだ」という思いがあり、診療所の隣で当院を開設されたと聞いています。私が勤務を始めたのは1992年のこと。当時、研究を行っていた昭和大学から派遣される形で着任しました。1994年には卓爾先生のご子息である松井秀夫先生が2代目院長に就任、その後2007年に埼玉県戸田市の戸田中央総合病院を中核とする「戸田中央メディカルケアグループ」へ参画が決まり、合わせて宮田一先生が3代目院長に就任されました。宮田先生から引き継ぎ私が4代目院長になったのは2016年4月のことです。当時、20代後半だった私も今は50代。かなり長いお付き合いをさせていただいている患者さんも多いです。

病院の特徴をお聞かせください。

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一言でいえば「地域に密着した病院」です。以前は産婦人科や小児科もあったため、「この病院で生まれたんです」「出産の時お世話になりました」とお声がけいただくことも多いです。その一方、「祖父母を看取っていただきました」という方もいらっしゃいます。高齢の患者さんを看取った後、ご家族から「私もこの病院で診てもらいたい」と言っていただけると、医師として信頼していただけたんだといううれしさ、やりがいを感じますね。当院の基本理念である「やさしい、わかりやすい医療を通じて地域社会に貢献する」のもと、地域の方々から末永く愛される病院でありたいと思っています。当院は前院長の在任時、東京都の感染症入院医療協力機関への登録と二次救急告示医療機関の指定を受けたことをきっかけに、診療の幅を広げてきました。現在も救急受け入れを行っており、特に整形外科では専門の医師が24時間常駐し急な手術や治療に対応しています。

入院設備や診療の特色についてはいかがでしょう。

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病床数は144床で、集中治療が必要な急性期の患者さんが入院する一般病棟のほか、病状が安定した方に在宅や介護施設への復帰に向けた医療・支援を行う「地域包括ケア病棟」を備えています。近年、住み慣れた地域で生活を続けられるよう、医療や介護、生活支援などの福祉サービスを包括的に提供する「地域包括ケア」という考え方が広まっていますが、当院では早い段階から退院支援に取り組んできました。看護師やソーシャルワーカーなど退院支援専門スタッフを通常の倍の人数で配置したり、入院中から地域のケアマネジャーと連携したりと、地域への復帰をサポートする体制を整えています。また、ここ数年では通院が困難になった高齢の患者さんに向けて在宅医療や訪問リハビリテーションも導入しています。訪問リハビリでは、当院のスタッフが患者さんのご自宅まで自転車で伺って、日常生活動作の練習や動作の自立へのサポートを行っていますよ。

地域医療連携にも注力されているのですね。

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当院の役割の一つに、地域のクリニックと、大学病院などの高度医療機関の橋渡し役となることが挙げられます。救急医療協力機関である昭和大学病院や東京都立荏原病院、東邦大学医療センター大森病院をはじめ、グループ病院・施設である田園調布中央病院、奥沢病院、世田谷神経内科病院、carna(カルナ)五反田、併設の大田池上訪問看護ステーションと密接に連携をとり、患者さんに最善の治療を振り分けられるように体制を整えています。スムーズな関係性を実現するべく、地域連携室のスタッフが近隣のクリニックに直接出向くことも多いですし、年1回、近隣の医療機関や施設の関係者を招いて地域医療連携懇談会を主催するなど、顔の見える関係づくりにも努めています。「地域に根差した病院」というスタンスを守りつつ、病診連携や病病連携を推進し、地域包括ケアシステムのレベルアップに貢献していきたいですね。

最後に今後の展望と、地域の方へのメッセージをお願いします。

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日々、「病気ではなく、人間を診る」ということを大切にしています。現代の医療はエビデンスに基づいた治療が大前提であり、医師はエビデンスをもとに作成された診断基準や治療指針に沿って治療を進めます。しかし、こうした治療を採用したくても、患者さんがそれを望まない場面もあるでしょう。患者さんの人生観や価値観があることを理解して一緒に治療計画を考えなければ、医師の自己満足になってしまいます。患者さんの生活背景や気持ちなどを共有し、患者さんの満足を優先した治療を提供したいです。当院は医局が一つという小規模の病院ですから、診療科間や多職種の連携がとても活発で、アットホームかつ温かな雰囲気が漂っています。今後もチームワークを発揮し、病気の治療と患者さんの生活を支える医療を提供し、地域の方々のお役に立てるよう、スタッフ一丸となってまい進してまいります。困り事があれば、お気軽にご相談ください。

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橘 秀昭 院長

昭和大学医学部卒業後、昭和大学医学部第三内科(現・循環器内科)入局。同大学院で病理学教室の協力のもと研究に励む。1992年から同院にて勤務開始。「医師の満足ではなく、患者の満足を優先した治療を提供したい」との思いから、患者の生活背景まで考慮した診察を心がける。スタッフ一人ひとりが生き生きと能力を発揮できるよう、ドクターや看護師の職場環境づくりにも尽力。

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