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医療法人社団清惠会 田村外科病院

(神奈川県 川崎市幸区)

田村 哲郎 院長

最終更新日:2023/12/07

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多様な診療分野で地域から頼られる病院に

さまざまな症状で気軽に受診できる病院として知られる「田村外科病院」。同院は地域の医療ニーズに合わせて診療分野を拡充し、外科病院という病院名ながら外科・内科の一般的な症状に幅広く対応する。田村哲郎院長は「私の父が前身となる医院を開設して約60年、困っている患者さんを助けたいとの思いで診療を続けています」と話す。整形外科とリハビリテーション科では、主に急性期病院での治療を終えた患者を受け入れ、自宅での生活が可能になるよう支援することを目標にしている。循環器疾患や糖尿病については、それぞれ専門の医師を招いて診療する。また肛門外科は、患者が気後れして、病気が進んでから来院することも多いが、田村院長はそんな患者の気持ちに寄り添い丁寧に診療を進めていく。「今後は地域の健康寿命の延伸をめざして、高齢の方の健康管理、内視鏡による病気の早期発見にも力を入れたい」という田村院長に、地域医療に対する思いを聞いた。(取材日2023年10月17日)

外科病院ですが外科・内科を問わず診療されていますね。

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もともと当院は父の代に肛門外科の医院からスタートし、地域の医療ニーズの多様化に合わせて、整形外科、消化器、循環器なども診るようになりました。小児外科と肛門外科は私の専門ですし、循環器と糖尿病は専門の医師を招いて週1回の外来診療で対応しています。当院がある川崎市幸区は、2023年5月時点で人口約17万人と川崎市の中では特に少ないのですが、首都圏全体を見ると人口が17万人を下回る市は数多く存在しています。このように地方の中核都市レベルの人口を擁し、しばらく人口増が続くと見込まれる一方で、幸区に病院は4つしかなく、当院のような、広く患者さんを診る外来診療を行っている病院はほとんどありません。そうした状況を踏まえ、当院では一般の患者さんが気軽に受診できるような体制を整えることを大切に考えています。

急患にも24時間対応されていると伺いました。

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当院は救急告示病院として、通常の診療時間・診療日以外でも患者さんを受け入れ、救急車による搬送、ご家族と一緒の来院のどちらでも対応しています。内科の病気も診ていますが、外科の救急で、重篤ではない比較的軽傷の患者さんを診る救急医療機関は少ないため、川崎市全域から患者さんがいらっしゃるのも特徴でしょう。例えば、包丁など刃物による浅めの切り傷でも、高血圧で血液をサラサラにするための薬を飲まれている方の場合、血が止まらずパニックになるケースも考えられます。そんなときに「この病院に行けば何とかしてくれる」といった場所を知っていれば安心でしょう。私は神奈川県医師会理事で救急医療を担当しているので、県内全体の救急医療について詳しいのですが、当院のように軽度の救急の患者さんを診療分野を問わず診る病院は、貴重な存在なのではないかと感じています。

診療内容も多彩ですが、どのような特徴がありますか?

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リハビリテーションを用いて、患者さんがご自宅で暮らせるようサポートする役割も担っています。急性期病院で治療を終えても、ご自宅で暮らすには身体機能や体力の回復がまだ必要な場合、栄養管理にも配慮したリハビリテーションが提供可能です。栄養管理の併用によりリハビリテーションの成果がより高まることが期待できます。入院されるのは脊椎圧迫骨折、大腿骨近位部骨折や人工関節置換術の治療後、誤嚥性肺炎などの患者さんが多く、通院または訪問リハビリテーションも行っています。また、循環器や糖尿病の外来を設けたのは、生活習慣病は身近な医療機関が定期的に診療し、タイムリーに手を打つことが大切だからです。循環器の外来はむくみや血圧などの状態を診て、心臓超音波検査なども行い、必要なときは専門の医療機関をご紹介します。糖尿病の外来では専門の医師が診療し、さまざまな薬の中から患者さんに合ったものを選んで処方しています。

肛門外科での診療について教えてください。

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当院の発祥でもある診療分野で、特に私は痔の治療に力を入れています。痔はイボ痔(痔核)、切れ痔(裂肛)、痔瘻に大別され、いずれも血便、肛門の出血や痛みといった症状からわかることがほとんど。対処法として、辛さや刺激のある食事を避ける、便座に長く座らない、定期的に運動するといった生活習慣の改善から、軟膏や座薬の使用、手術などがあり、患者さんの病状とご希望に合わせてご相談していきます。ほとんどの治療は日帰りで可能ですが、入院手術にも対応できます。痔をはじめとした肛門の病気は、気後れして受診できず、病気が進行し痛みに我慢できなくなってから来院される方が多いので、当院は地域に根差した病院として受診しやすい雰囲気づくりを心がけています。また、自分の意思とは関係なく起こる尿漏れも相談しづらい症状の一つですが、適切に対応できれば改善も期待できますから、早めにご相談いただければと思います。

先生の地域医療に対する思いをお聞かせください。

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私の父が1965年に開設した田村外科医院が当院の母体で、患者さんのために身を粉にして診療する父の姿を間近で見て育ちました。私が医師になったのは、そうした父の努力の積み重ねと地域の方に頼られ、大きくなった病院を潰すわけにはいかないと感じたからです。宮崎医科大学(現・宮崎大学医学部)卒業後は、慶應義塾大学医学部外科学教室で小児外科を専門にしました。単にお子さんを診るだけでなく、全身を対象とする小児外科での経験は、当院のように患者さんを丸ごと診る病院での診療に役立っています。その後、父と同じ肛門外科を専門にして現在に至ります。診療分野の拡充、24時間対応の救急医療などは、困っている患者さんを何とか助けたいからで、今後はADL(日常生活動作)が低下した方の短期リハビリテーション、上部・下部の消化管内視鏡検査の強化などで、フレイル(加齢による虚弱)の予防、病気の早期発見にも努めたいと思っています。

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田村 哲郎 院長

1985年宮崎医科大学(現・宮崎大学医学部)卒業。慶應義塾大学医学部外科学教室に入局し、小児外科を専門にする。大学病院、関連病院で勤務する中、肛門外科でも専門的な診療経験を積む。田村外科病院では、外科全般、肛門内科、小児外科などを担当。内科の診療も行う。2015年6月から現職。川崎市外科医会医会長、神奈川県医師会理事。

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