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恩賜財団 済生会横浜市東部病院

(神奈川県 横浜市鶴見区)

三角 隆彦 院長

最終更新日:2022/09/07

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救急医療や高度医療で地域医療の中核を担う

横浜市東部の地域医療の中核、高度急性期病院として、質の高い医療や患者サービスの提供をめざす「済生会横浜市東部病院」。病院運営を担う三角隆彦院長のモットーは「ここに集まった人たちが幸せになるような病院でありたいということ」。患者や家族はもちろん、職員や地域の医療関係者まで、あらゆる人々が医療というフィールドから幸せを実感できるように、働きがいのある組織づくりを構築し、地域に信頼される病院をめざす。もともと心臓血管外科が専門の三角院長。心臓弁膜症の新しい治療法の一つ「TAVI」やカテーテル治療とCTを同時にできるIVR-CT室、手術支援ロボット、ロボット型放射線治療装置など先進的な治療や設備も積極的に導入する。その一方、がん治療部門や包括的な患者支援など、診療科の垣根を越えた横断的な医療にも力を入れ、将来を見据えた総合的な視点で医療に取り組む姿勢が印象的だ。「常に一歩先の医療を実現するのが当院の理念。地域や時代に求められる医療で、地域の方々の健康的な生活基盤を整えていきたい」という三角隆彦院長に、病院の特徴や今後の展望を聞いた。(取材日2022年7月13日)

こちらの病院のあらましを教えてください。

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当院は2007年に開院し、医療を通じて地域に貢献することを基本理念に、横浜市東部の中核病院として質の高い医療技術や患者サービスの提供に努めてきました。先端の医療技術も駆使しながら、患者さんにとって最善の医療、「常に一歩先の医療」の実現を心がけている病院です。地域医療支援病院や災害拠点病院として地域全体の医療の質の向上にも貢献しています。さらに優秀な医療人材の育成も重要な使命と考え、医学系大学と連携協定を結ぶなど研修医や専門職の育成にもあたっています。診療面ではいわゆる5疾病5事業のうち、へき地医療を除くがん・脳卒中・急性心筋梗塞・糖尿病・精神疾患と、救急医療・災害医療・周産期医療・小児救急を含む小児医療を重視。救命救急センターも順調に機能し、24時間365日体制で最重症の患者さんを受け入れています。外国人住民の多い地域性から日本語以外の対応も行っています。

診療面にはどのような特徴がありますか?

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疾患別センター制を採用し、内科系と外科系の医師が連携して関わる「テーラーメイド医療」を推進しています。また、質の高い医療の提供という基本理念を実現するため積極的に設備投資を行い、早くからロボット型放射線治療装置や手術支援ロボットを導入。2021年には2台目の手術支援ロボットを導入し、泌尿器科、消化器外科、呼吸器外科、婦人科など対象手術を拡大しました。カテーテル治療を行うIVR-CT室のリニューアルなど、医療機器や設備も積極的に更新しています。横浜市から重症外傷者の積極的な受け入れを任されている救命救急センターでは、各分野の医師やスタッフが迅速に集結し、緊急手術を行える体制を整備。24時間365日にわたって重症患者さんを受け入れ、初療室・血管造影室・手術室・CT室の機能を備えたハイブリッドERで迅速かつ適切な診断と治療を実現し、重症外傷のほか産科救急など対応範囲も広がっています。

患者支援や障害児施設設置などにも特徴があるそうですね。

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医療と福祉を通じて社会に貢献するという済生会の理念のもと、先進的な医療と、患者さんの包括的な支援の両立を実現しています。例えば、手術前の服薬管理や口腔管理など多職種による周術期支援を発展させて、入院患者さん全体を対象とする患者支援センターを開設。患者さんの生活環境や持病、服用薬などを把握して、入院期間の効果的な過ごし方や治療計画に生かしています。また、院内に重症心身障害児(者)施設サルビアを設置しているのも特徴的だと思います。すべての診療科や部門と密に連携した診療を行う一方、横浜市立特別支援学校の分教室も併設し、医療と教育の両面から子どもたちをサポートし、長期入所、在宅の短期入所事業も行っています。急性期治療が中心となりがちな当院の中に、ずっと医療を必要とする患者さんを見守りサポートするセクションがあることは、病院全体にとっても学びとなり、意味のある存在だと考えています。

地域連携や地域貢献にはどのように取り組んでいますか?

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地域医療支援病院として、地域全体の医療水準の向上や、医療提供体制を整備していく役割が当院には求められます。例えば、鶴見区や神奈川区のがん患者さんの増加が見込まれるため、診療科を横断した組織として東部がんセンターを開設し、治療だけでなく生活指導や就労支援までを包括的にサポートしています。2019年には、横浜市のモデル事業としてICT(情報通信技術)を活用した医療・介護連携ネットワーク「サルビアねっと」もスタートしました。これは当院も参加する医療と介護連携ネットワークで、登録することで転院や在宅移行の際の専門職の情報共有がスムーズに行われます。また、医療者の働き方改革という観点からもチーム医療を重視し、幅広い医療行為が行える、特定行為を手順書により行う看護師を育成。地域における看護人材の育成・確保にも取り組んでいます。

今後の展望について聞かせてください。

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横浜市東部地域は、2040年ぐらいまで全国でも特に医療ニーズの増える地域と予想されます。開院以来15年の経験も踏まえ、今後の医療ニーズに対応できる体制を維持し発展させていきたいと考えています。ロボットなどの先端技術を駆使していくことも大切ですが、医療を支える人材の拡充も急務です。マンパワーを充実させ、働き方改革も踏まえながら、多職種が連携するチーム医療によって効率的に対応したいと考えています。そして、地域医療を構築する中核として、広く地域の皆さんに信頼される病院であり続け、地域のニーズや状況に最もフィットする医療、時代や社会から求められる医療を提供していきたいと考えています。そこで、今年度のスローガンは「Change and Challenge」としました。時代や社会の変化に機敏に対応し、常にチャレンジ精神を忘れず、一歩先の医療をめざして、より良く変わり続ける病院でありたいと願っています。

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三角 隆彦 院長

1981年慶應義塾大学医学部卒業。同大学病院、済生会神奈川県病院、足利赤十字病院、平塚市民病院などで外科、心臓血管外科の診療に携わり、2007年に済生会横浜市東部病院に入職。副院長・心臓血管外科部長を経て2011年院長就任。専門は心臓血管外科で大動脈解離や大動脈手術の診療経験も豊富。「医療は人が人に対して提供するもの。心の通い合う充実の医療で地域に貢献したい」と語る。

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