佐々木病院
(神奈川県 横浜市鶴見区)
佐々木 啓吾 院長
最終更新日:2025/10/20


迅速な検査・診断で地域医療の窓口をめざす
横浜市鶴見区で100年近い歴史を持つ「佐々木病院」は、幅広い診療内容で地域のニーズに応える医療を行ってきた。そのために各種の検査機器を備え、必要な検査を迅速に実施し、できる限り当日中に検査結果を説明するなど、「より専門的な医療機関への紹介も含め、患者さんにとって望ましい医療を早く実践することが私たちの目標なんです」と穏やかな笑顔で佐々木啓吾院長は話す。「当院の患者さんで通院が難しくなった方の在宅医療でも、訪問リハビリテーションや併設の施設による訪問看護サービスなどでサポートしています」。さらに地域包括ケア病棟では退院後の生活を考えたリハビリテーションに力を入れ、医療療養病棟では医療依存度の高い患者を受け入れるなど、これから地域で必要となる医療も展開していく。生活習慣も含めたトータルなアプローチで、患者にとって良好な健康状態をめざす「ウェルネスシップ」を理念とする同院の特徴や強みについて、佐々木院長に詳しく聞いた。(取材日2024年7月19日/情報更新日2025年9月25日)
この病院の診療面での特徴や強みなどを教えてください。

祖父が1927年に開設した医院が当院のルーツで、1950年に「佐々木病院」となり、地域医療に尽力してきました。現在は内科、整形外科、眼科は月〜土曜日まで診療し、耳鼻咽喉科、乳腺外科、泌尿器科も開設しています。さらに当院の患者さんで通院が難しくなった方を主な対象に、当院からは訪問リハビリ、併設の訪問看護ステーションでは訪問看護を提供し、在宅医療にも取り組んでいます。また患者さんの不安を早く取り除き、診断を迅速に行うため、各種検査を原則当日に行い、結果までお伝えするよう体制を整えています。MRI、CT、腹部超音波検査、心エコー検査、血液検査に加え、食事をしていなければ最短で即日の胃内視鏡検査も可能です。整形外科では保存的治療だけでなく、小さな切開部で治療可能な関節鏡下手術、変形性膝関節症に対する骨切り術や人工関節置換術にも対応しています。スポーツ外傷・スポーツ障害の診療も強みの一つです。
地域医療の中ではどのような役割を担っていますか?

受診された患者さんを適切に診断して治療を行い、症状によっては専門的な治療ができる病院にすぐご紹介するといった地域医療の窓口となっています。地域のクリニックに通われる患者さんが、必要な検査のために当院を利用されることもありますね。また、当院はさまざまな症状の患者さんが入院する一般病床26床に加え、地域包括ケア病床28床、医療療養病棟34床があります。地域包括ケア病床では、当院の整形外科などに入院された患者さんが、ご自宅での生活に必要な体力や身体機能を回復できるようリハビリテーションを行うほか、ほかの病院で治療を受けた患者さんをご紹介いただき、同じようにリハビリテーションを提供しています。医療療養病棟では、中心静脈栄養など医療依存度が高い患者さんの療養が主な目的で、そうした方を地域の医療機関から受け入れています。
では地域の医療・介護施設との情報共有も重要になりますね。

当院では地域医療連携室に在籍するメディカルソーシャルワーカーが、患者さんやご家族からの相談に対応するとともに、地域の医療・介護施設との連携役となっています。加えて、横浜市鶴見区および隣接する神奈川区を対象とした医療介護連携ネットワークシステム「サルビアねっと」に、2019年の創設以来参加しています。これはネットワークに参加した患者さん、医療機関、薬局、介護施設などで医療や介護に関する特定の情報を共有し、処方箋の履歴、画像検査・内視鏡検査の結果などを医療・介護施設が互いに確認できるシステム。当院では近隣の基幹病院にご紹介するケースが多いのですが、「サルビアねっと」を通して紹介後にどんな検査を受けられたかなども迅速に確認でき、他院での治療を終えて当院に戻られたときの連携も非常にスムーズです。患者さん自身がネットワークに参加申し込みをしていただく必要がありますが、メリットは大きいと思います。
眼科での診療について教えていただけますか。

眼科では幅広く一般診療に対応しており、中でも白内障治療と、硝子体手術には力を入れています。地域には高齢の患者さんも多いので、ご相談も多いんです。白内障治療と硝子体手術は常勤の医師が専門として研鑽を積んできた分野なので、大学病院まで行かなくとも、当院で高度な治療を受けていただけますよ。お忙しい方には日帰りでの手術も可能ですが、必要に応じて入院もできるので、術後が心配な高齢の患者さんや、一人暮らしの方も手術を受けやすいのではないでしょうか。手術は基本的に常勤の医師が執刀し、術後の経過までトータルで診ますのでご安心ください。また手術日でも、通常どおり外来も受診していただけるように、常勤医と非常勤医の2人体制としています。検査については、眼科の検査技師と、視能訓練士が在籍しており、専門的な検査にも対応可能です。
最後に、地域の皆さんにメッセージをお願いします。

幅広い診療内容と検査機器を持つ当院は、検査結果のご説明まで可能な限り当日行い、早く適切な治療につなげるよう心がけています。治療後も以前のような生活に戻れるようリハビリテーションに力を入れ、原則として患者さんごとに担当の理学療法士がつき、その方に適した回復支援を行うのも特徴で、地域包括ケア病棟、2024年10月に開設した医療療養病棟でも地域のニーズに広く応えていきます。また、糖尿病と深く関連するとされる睡眠時無呼吸症候群(SAS)の診断・治療にも力を入れるなど、生活習慣も含めたトータルアプローチでその方にとって良好な健康状態をめざす「ウェルネスシップ」が当院の理念。地域医療の窓口として「ここへ来てよかった」と思っていただけるよう、それぞれの患者さんに適した医療を提供し続けるつもりです。予約制でなく基本的に受付順で診療しますから、気軽に受診できる「コンビニエンスな病院」としてご利用ください。

佐々木 啓吾 院長
1977年日本大学医学部卒業。埼玉県の基幹病院のほか、国立がん研究センターで内視鏡、慶應義塾大学病院で放射線診断、心臓血管研究所付属病院で循環器診療の経験を積み、1990年から現職。父親と設計アイデアを出し合い、外部の専門家の協力も得た病院の新築工事も同年に完了した。





