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医療法人財団 日扇会第一病院

(東京都 目黒区)

八辻 賢 院長

最終更新日:2023/06/15

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生き方に寄り添い、暮らしをともに考える

1949年、小さな診療所から始まった「日扇会第一病院」は、時代と住民のニーズに合わせて病院機能を強化しながら74年の月日を地域とともに歩んできた。亜急性期や在宅療養からの入院、外来、在宅医療、さらには長期療養者の暮らしの場となる介護医療院を備える中規模病院となった今も、開設当初に掲げた「医療は患者さんのために存在する」を理念に掲げ、地域に住む人、地域に住み続けたいと願う人のためにあるべき医療の姿を自らに問い続けている。「各領域の専門家集団であり、健康のことをなんでも相談できるかかりつけ医でもあるのが私たちの強み」と、3代目として同院を率いる八辻賢院長。敷居の低いクリニックのような気軽さと、病院ならではの総合力が共存する同院について、詳しく話を聞いた。(取材日2023年5月10日)

地域に根差した病院として、長い歴史があるそうですね。

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当院の始まりは、私の祖父が1949年に開設した「第一診療所」です。1975年に名称を「日扇会第一病院」と改めました。その後、時代と地域が求める医療を提供するため、設備と機能の強化を続けて今に至ります。私たちが病院として新たな1歩を踏み出す少し前、1970年に日本は高齢化社会に突入しました。2007年には総人口に占める65歳以上の高齢者の割合が21%を占める超高齢社会となっています。こうした中、地域に密着した私たちのような病院に求められているのは、「今は元気だけれど、何かあったらすぐに頼れるかかりつけ医が欲しい」「病気をしても住み慣れた場所で暮らし続けられるように支えてくれる病院が欲しい」といったニーズに応えることだと思います。治療から療養、看取りまで一貫して行える体制をさらに強化し、生涯のあらゆるフェーズに対応できる病院として地域の皆さんの暮らしを支えていきたいですね。

具体的な病院機能について教えてください。

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2002年に、病棟を一般病棟と療養病棟に分け、ケアミックス型に改築しました。この規模で、当院のように複数の機能を備えた病棟がある病院は少ないのではないでしょうか。さらに2010年には、現在の地域包括ケア病床を7床設置し、在宅療養支援病院の施設基準も満たしています。現在、地域包括ケア病床は26床となりました。ケアミックス型の強みは、患者さんの状態が変わっても、転院することなく一貫して当院内で診続けられることです。急性期を脱したもののまだ入院治療が必要な患者さんや、在宅医療中に状態が悪化した患者さんの治療や術後のケアから、療養、地域包括ケア病床とリハビリテーションを活用した在宅復帰支援までを一手に担い、患者さんが望む退院後の暮らしを実現できるように力を尽くしています。

在宅復帰後のケアにも力を注いでおられます。

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2013年に私が院長を引き継いでからは、それまで以上に訪問診療、訪問看護を強化してきました。在宅医療へのシフトは国の方針でもありますが、患者さんが「できることなら家へ帰りたい」と願うのは当然のことでしょう。であれば、患者さんが心地良く過ごせる在宅環境を実現することが私たちの役目です。在宅医療や、日常的な医学管理やターミナルケア、看取りまでを行う介護医療院の現場で求められているのは、「治す医療」ではなく「生活を支える医療」。やるべきこと、やると良いことがある程度決まっている入院医療やリハビリと違って、在宅では患者さんとそのご家族の状況や心情をくみ取ってベストな医療・介護の在り方を判断しなくてはなりません。スタッフには、患者さんのニーズを聞き取った上で、適切な選択肢を示せるだけの経験値と対応力が問われます。

在宅部門では、技術や知見のほかに人間力が問われそうですね。

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家がバリアフリーでない、独居である、老老介護であるなど、患者さんが置かれている状況はさまざまです。また、人生に対する考え方や、暮らしで重視することも一人ひとり異なります。何が必要なのか、何を大事にしたいのか、自分で把握できていない患者さんも少なくありません。そこで例えばリハビリでは、訪問を担当するスタッフには、初めに病棟での対応から基本的な技術や知見、患者さんに対する配慮の仕方を学んでもらいます。その後、デイケア施設での通所リハビリを経て訪問リハビリに移行すると、患者さんに必要な医療と介護を明確にイメージすることができるんですよ。安易な寄り添いではなく、適切な労わりの心をもって、患者さんが望む暮らしとの実現に貢献できる人を増やしていきたいと思っています。

最後に、地域の皆さんに向けてメッセージをお願いします。

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私が東京女子医科大学病院での勤務を終えて当院に戻ってきたとき、当たり前のことですが改めて強く実感したことがあります。それは、退院後も患者さんの生活は続いていくのだということ。大学病院では病を中心に人を診て治すことに専念していたけれど、地位密着型の病院では人を中心に病気を診て、その人の望む暮らしに近づけなくてはなりません。退院後の生活においては、医学的な正解がその人にとっての正解とは限らないのです。地域の人が、年を取っても病気になっても住み慣れた場所で生きていけるように、「何ができるか」「何をすべきか」を常に自分たちに問い、進化を続けていきたいですね。病院としての総合力と専門力を磨きつつ、いつでも気軽に相談できる診療所の気安さを忘れずに患者さんと接してまいります。どんなことでも、お気軽にご相談ください。

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八辻 賢 院長

横浜市立大学医学部卒業。東京女子医科大学病院にて内科研修後、同院消化器内科に入職。同院消化器内科助教。2009年、日扇会第一病院副院長に就任。2013年より現職。専門分野は一般内科、消化器内科、肝臓内科、在宅医療。趣味は料理と園芸で、子どもの弁当作りを積極的に担う良き家庭人としての素顔も。

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