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国立研究開発法人 国立成育医療研究センター

(東京都 世田谷区)

笠原 群生 病院長

最終更新日:2022/05/31

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親子の笑顔を支える小児・周産期医療を追求

世田谷区の砧公園にほど近い住宅街にある「国立成育医療研究センター」は、小児・周産期医療に特化した専門病院だ。国レベルで高度な医療を築いていくことを追求し、小児・周産期医療の各分野で先進の医療を提供。併設する研究所、臨床研究センターとともに医療の発展にも寄与する同センターには、難病の子どもや妊婦、妊娠を望む女性たちが全国各地から訪れる。開放的な吹き抜けの天井が印象的な院内には、家庭で起こりうる事故について楽しく学べる「セーフキッズトレイン」や、子どもたちが遊べる「豆の木広場」など、子どもたちが喜びそうな仕掛けがいっぱいだ。2022年4月に病院長へ就任した笠原群生先生は小児の臓器移植手術のエキスパートで、病院長と執刀医の二刀流を貫く。手術前には練習を欠かさず、過去に使用してきた手術道具は壊れた今も病院長室に保管して、患者一人ひとりとのつながりを胸に刻み治療にあたっている。「院長となり今までとは違う目で小児・周産期医療を見られるので視野が広がった」と語る笠原病院長に、自身が大切にしている「Face to Face」の対話や小児医療の課題、今後の展望まで聞いた。(取材日2022年5月13日)

こちらの病院の特徴を教えてください。

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当センターは小児・周産期・産科・母性医療を専門としており、成育領域を担う国立高度専門医療研究センターです。成育医療とは受精、妊娠から、胎児、新生児、乳児、学童、思春期、大人へと成長・発達し、次の世代を育む過程を継続的に診る医療のことです。小児分野の診療科を多数持ち、全領域で高度専門医療を追求しています。また、妊婦さんや不妊症・不育症で悩む女性など全国から多くの患者さんが受診され、一般病院では困難なお産の年間件数が非常に多いことも特徴でしょう。併設する研究所では小児・周産期医療の発展のために、幅広い分野における先進の研究も行われています。重症または希少疾患のあるお子さんやハイリスク妊産婦さんの最後の砦となり、患者さんやご家族の希望となる医療を提供することに努めると同時に、地域のお子さんや特に何の問題もない通常分娩の妊婦さんも受け入れ、地域医療にも積極的に貢献しています。

小児医療の代表的な診療や強みをご説明ください。

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私の専門である臓器移植では肝臓、腎臓、小腸移植を年間数多く実施しています。国内の小児臓器移植手術の多くを当センターで担い、中でも小児肝移植は世界でも豊富な症例数を誇ります。小児がんでは臨床研究の推進、治療法の開発、長期フォローアップ体制の確立などを通じて日本の小児がん診療をリードすることを目標とする一方で、医師、看護師、保育士など多職種がチームを組んで患者さんやご家族をサポートする、優しい小児がん医療の提供をめざしています。アレルギー疾患の中心拠点病院でもある当センターでは食物アレルギーやアトピー性皮膚炎をはじめ、重症のアレルギー疾患にも広く対応しています。食物アレルギーの診断に重要な食物経口負荷試験も数多く実施してきました。治療においては、症状を誘発させない程度に原因食物を継続的に摂取していく方針です。

周産期医療の特徴についても教えてください。

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受胎前ケアから不妊・不育、胎児治療、無痛分娩、産後ケアまで網羅した周産期医療を提供しています。コロナ禍では新型コロナウイルスに感染した妊婦さんが、大学病院からの紹介で来られるケースが非常に多く、どんな難症例でも積極的に受け入れています。出産年齢が上がるにつれて、近年はハイリスク管理が必要な妊婦さんが増えています。当センターはそういった方々のための最期の砦といったイメージが強すぎるのか、「何か理由がないと受け入れてもらえない」と誤解されている方もいらっしゃるようです。実際はすべての妊婦さんをサポートしていますので、気軽にお問い合わせください。また、お子さんのことで夜間や休日に心配なことがあれば、24時間対応の救急科外来をご利用ください。特に夜間救急で小児を診られる病院は限られていますので、遠慮なく受診いただければと思います。

先生の診療のモットーをお聞かせください。

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外科の医師になって約30年、医療者として大事にしているのは患者さんの喜び、悲しみ、苦しみと真摯に向き合うことです。お子さんの進学、就職、結婚・出産といった人生のサイクルをしっかり回していけるように、お手伝いさせていただいているという姿勢で常に診療にあたってきました。ご家族との信頼関係はとても大切で、コロナ禍で面会時間が限られていても、できる限り直接お顔を見に伺うようにしています。この想いはスタッフとも共有しており、忙しい中でもみな実践してくれています。医療の進歩により救える命が増える一方で、自宅で医療的ケアを継続しなければならない子どもが増えました。そこで、重い病気を持つ子が子どもらしく過ごせ、ご家族にはくつろぎと休息のひと時を感じてもらえる第2の家として開設したのが「もみじの家」です。ハウスマネジャーを務める内多勝康さんが同じ志を持つ施設が全国に広まるよう熱心に活動を続けてくれています。

今後の展望と読者へのメッセージをお聞かせください。

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再生医療は当センターが力を注いでいる分野の一つで、これまでES細胞からの腸の作製や、ヒトES細胞由来の肝細胞の移植の実用化をめざし研究を進めてきました。今後も研究を続け、生殖医療ならびに再生医療に貢献することがわれわれの使命だと考えています。2022年は国立成育医療研究センター開設20周年の節目の年。オンラインイベントの開催など、当センターのことをより広く知っていただくための情報発信も強化していきます。患者さんの利便性向上を目的に入退院支援センターを開設したほか、特定の疾患に特化した専門の外来も開始。また近年は子どもたちの置かれている環境が大きく変化し、課題が複雑化しています。そこで病院や研究所の枠にとどまらず、身体的な健康と心理・社会的な部分も含めた包括的な支援に取り組む「成育こどもシンクタンク」を2022年4月に設立。すべての子どもが笑顔になれる社会を創ることをめざし活動していきます。

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笠原 群生 病院長

1992年群馬大学医学部卒業後、同大学外科入局。1999年京都大学移植外科助手、英国キングスカレッジホスピタル留学 、京都大学移植外科医長などを経て2005年国立成育医療研究センター病院に移植外科部長として赴任。臓器移植センター長、特任副院長などを務め2022年4月から現職。小児の移植分野のエキスパートでインドネシア大学、シンガポール大学などの客員教授を務める。趣味は砧公園の散歩と子どもとの釣り。

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