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医療法人社団 総生会 麻生リハビリ総合病院

(神奈川県 川崎市麻生区)

菅 直樹 院長

最終更新日:2024/03/04

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市内の大規模回復期リハビリテーション病院

柿生駅から徒歩約8分の場所にある川崎市内の大規模な回復期リハビリテーション病院が、「麻生リハビリ総合病院」だ。急性期病院での治療が終わった脳卒中や大腿部頚部骨折などの患者を速やかに受け入れ、一人ひとりに医学的管理のもとで質の高いリハビリテーションを十分に提供することで日常生活動作を改善し、在宅復帰をさせることに努めている同院。より質の高いリハビリテーションやケアの提供をめざし、フランスで生まれたコミュニケーション・ケア技法を導入しているほか、川崎市地域リハビリテーション支援拠点としての地域貢献にも力を入れている。そんな同院の取り組みについて、菅直樹院長に詳しく話を聞いた。(取材日2023年12月1日)

最初に病院を紹介していただけますか。

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当院は2001年に開院しました。1990年頃より急性期リハビリテーションが重視されるようになり、その後に介護保険制度の準備期間として生活期のリハビリテーションが整備されてきました。そして、2000年に回復期リハビリテーション病棟が制度として創設されて、当院はその1年後に開院しましたので、歴史的には長い回復期リハビリテーション病院と言えると思います。基本的には、脳卒中や大腿骨頚部骨折などの急性期を脱した患者さんに医師や看護師、リハビリテーションのスタッフなどの専門職がチームとなりリハビリテーションやケアを提供し、できるだけ早く住み慣れた自宅や地域でもとの生活レベルに戻れるようサポートする病院です。また、病院の質を第三者が評価する日本医療機能評価機構の評価を受けています。現在もこれに慢心することなくレベルアップに努めています。

特徴はどのようなところでしょうか?

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まず、外来でのボツリヌス製剤療法に対応していることです。脳卒中の患者さんの中には、手足の筋肉が強く緊張して動かしにくくなってしまう痙縮に困っている患者さんは少なくありません。やわらかくし、動きをよくするために、ボツリヌス製剤を注射し日常生活動作の向上をめざしています。装具の外来も行っていて、入院患者さんだけでなく地域の患者さんから依頼があれば対応します。さらに、川崎市が運営する相談機関となる「川崎市地域リハビリテーション支援拠点事業」の取り組みも行っています。高齢化が進み要介護や障害者の数が増加していく中で、当院のリハビリテーションのスタッフが、介護支援専門員やケアマネジャーの後方支援として、利用者自宅への同行訪問やカンファレンスの同席、身体や認知の機能に問題がある方の生活環境の整備、医療に関する相談、福祉用具の選定、サービスの調整など、よりよい生活に向けて助言や提案をしています。

ユニークな取り組みをしているそうですね。

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フランスで生まれたコミュニケーション・ケア技法を取り入れています。当院では、リハビリテーション専門病院として支援が必要なすべての患者さんへ質の高い医療や看護、リハビリテーションを提供することをめざし、昨年から病院全体でこの技法に取り組み始めました。このコミュニケーション・ケア技法には、「人間らしさ」という意味が込められていて、人間性を尊重し優しさを伝えるため、「ケアする人とは何か」「人とは何か」を問う哲学と、それに基づく実践的な技術から成り立っています。具体的には、基本の4つの技術「見る」「話す」「触れる」「立つ」を同時に用いながらケアしていきます。このコミュニケーション・ケア技法によって高齢者や認知症、せん妄、高次脳機能障害などがあっても、安心してリハビリテーションに取り組んでいただけるようにすることをめざしています。

ほかに力を入れていることはありますか?

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回復期リハビリテーション病院で人工関節センターがあるところは少ないですが、私の専門ということもあり、隣にある麻生総合病院の整形外科と連携して人工関節手術に取り組んでいます。人工関節手術が必要な場合には当センターが窓口になり、手術は麻生総合病院で行っています。また、麻生総合病院で手術をしたら5日目前後と早い時期に回復期リハビリテーション病院である当院に移ってもらって、集中的なリハビリテーションに取り組むことで、少しでも早期の日常生活動作の回復や在宅復帰をめざしています。リハビリテーションについては、リハビリテーション支援ロボットをはじめ先進のデジタル技術を用いた装置も多数、導入し、質の高いリハビリテーションに努めています。

最後に今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

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一番は、コミュニケーション・ケア技法を定着させることです。まだ取り組みはじめたばかりですが、これが徹底できるようになれば、病院全体の雰囲気も大きく変わると予想しています。特に、看護やリハビリテーションの仕方や、患者さんへの接し方、思いやりなどが変わってきて、それがスタッフのやりがいにもつながるのではないかと考えています。川崎市地域リハビリテーション支援拠点事業も試行錯誤なところがありますが、地域包括ケアシステムのモデルになれるような形で地域貢献をしていきたいですね。そして、病気をして入院された時には、患者さん本人やご家族も、家に帰れるだろうかと不安な気持ちでいっぱいになると思います。当院では、多職種のチームが連携して質の高い医療、入院中はもちろん、退院後のことも視野に入れたリハビリテーションやケアに全力を尽くし、患者さんの自宅復帰をサポートしますので、安心して入院してほしいと思います。

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菅 直樹 院長

1992年昭和大学卒業。同大学藤が丘病院整形外科や関連病院勤務、ドイツ HELIOS Klinikum Emil von Behring留学などを経て現職。専門は、整形外科一般、股・膝関節、人工関節、関節リウマチ。日本整形外科学会整形外科専門医、日本リウマチ学会リウマチ専門医。

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