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医療法人社団恵生会 竹山病院

(神奈川県 横浜市緑区)

大矢 美佐 病院長

最終更新日:2025/10/15

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人々の健康をサポートする地域包括ケア病院

横浜市北西部の竹山団地内で、かかりつけ病院としての診療に取り組んでいるのが「竹山病院」だ。開院から50年以上にわたり、地域の人々に密着した医療を実践してきた同院。現在は64床ある病床すべてを地域包括ケア病棟として運用。加えて、グループ内の在宅医療・介護サービスや居住系施設と連携し、医療・介護の地域ネットワークを構成し、高齢になっても住み慣れた場所でその人らしく暮らせる社会にするべく「地域包括ケアシステム」の中核を担うことをめざしている。「開かれた病院をめざしていますので、介護や福祉のことも含めて、『ちょっと心配だな』と思うことがあれば、どうぞお気軽にご相談ください」と優しい笑顔で話す同院の病院長である大矢美佐先生に、病院の特徴や地域医療への取り組みについて話を聞いた。(取材日2025年8月21日)

最初に病院を紹介していただけますか?

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「住み慣れた地域で最期まで暮らし続けられるようにする」ことを目的としているのが地域包括ケアシステムで、それを支える目的で設立された病棟が地域包括ケア病棟です。当院の特徴は64床ある病床のすべてを地域包括ケア病棟として運用していることで、「地域包括ケア病院」と呼ばれる形です。現在特に注力しているのが高齢者救急です。高齢者でも手術が必要な場合はもちろん急性期病院に行きますが、例えば圧迫骨折の場合は基本的に手術はしない場合が多いです。ただし痛みが強いので自宅で安静にする必要があります。しかし、一人暮らしだったり、ADL(日常生活動作)が低下していたりすると生活ができなくなってしまう。そういうときに、急性期病院や地域の診療所の先生、ケアマネジャーさん、ご家族からご相談をいただきます。当院の地域包括ケア病棟は、そうしたケースを速やかに受け入れることに尽力しており、それが大きな強みだと考えています。

外来診療の特徴はありますか?

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メインは内科ですが、高齢者は視力・聴力の低下、排尿障害など多様な悩みを抱えていて、まずは内科でご相談いただくことが多いですね。そうしたときに、別の医療機関に行ってもらうのは大変です。そこで、内科に加えて外科や整形外科、泌尿器科、眼科、耳鼻咽喉科、皮膚科、形成外科、心療内科などの診療科を備え、おおむね院内で対応できる体制を整えています。大きな手術はできませんが、非常勤の医師は大学病院から来てもらっており、必要な場合には派遣元や専門医療機関とも連携して対応しています。今のところは、内科を受診した患者さまの症状からほかの診療科の受診を促すことが多いのですが、目や耳の症状の原因が実は別のところにあることも少なくありません。ですから、眼科や耳鼻咽喉科など、それぞれの診療科を目的に受診していただいた上で、全身を総合的に診ていくことにも力を入れています。

地域医療連携の取り組みも教えてください。

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当院への入院経路は、自宅・居住系施設・病院がそれぞれ3分の1程度で、ほぼ均等なんです。そう考えると、医療機関との連携はもちろんですが、地域の訪問診療の先生やケアマネジャーさんといった在宅医療の関係者との連携も欠かせないと思っています。医療機関との連携は、医師同士で顔が見えやすいところがありますが、在宅医療の関係者とは意外とそういう機会が少ないんですね。それに、在宅療養中に体調を崩したとき、急性期病院に相談するのはハードルが高いと感じられることもあります。当院は地域包括ケア病院ですので、その相談のハードルが低いというのが大きな違いなのかなと思っています。ですから、在宅医療関係者ともできるだけ顔の見える連携づくりを意識しています。また、当法人でも訪問診療や訪問看護、訪問リハビリテーションを提供していますので、当院だけでなくグループ全体で地域の在宅療養をバックアップできればいいなと考えています。

患者サポートにも力を入れていると伺いました。

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「最期まで自宅で過ごすにはどうすればいいんですか」といったご相談は少なくありません。それから、入院して初めて介護サービスなどの支援を考える方もいて、その時にならないと情報に触れない人が意外と多いんですね。本来は横浜市の地域ケアプラザがそうした案内や相談を担っているのですが、超高齢社会であるため当院でも、そういったご相談の対応や支援にも力を入れています。外来では診察と同時に、高齢者の一人暮らしや老老介護といった背景も把握し、必要に応じて介護保険の申請を促す、退院後に自宅での生活が難しければ施設につなぐなど、介護や福祉を含めた支援を行うよう心がけています。さらに、当グループには介護施設などもありますので、グループ全体として地域包括ケアシステムを推進し、患者さまやご家族が、自宅でなくても住み慣れた地域で生活を続けられるよう、サポートすることに努めています。

最後に、今後の抱負と読者へのメッセージをお願いします。

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当院では、医療から介護、福祉まで切れ目のない支援をめざしています。そのためにも特に大切なのが、入院前と退院の支援です。入院をスムーズに受け入れるためには、病床が空いていることが必要です。ですから、医療や看護、リハビリテーション、地域連携といった体制をさらに充実させて、退院をしっかり支えていくことが重要だと考えています。また、入院まで至らなくても、外来での介護保険の相談などを通して、在宅療養を支える取り組みも強化していきたいと思っています。そして当院は「地域のかかりつけの病院」と言っていますが、病気のときだけ来てもらう場所ではありません。今は暑い時期ですが、入り口すぐのところには給水機を置いていて、どなたでも利用していただけます。このように開かれた病院をめざしていますので、介護や福祉のことも含めて、「ちょっと心配だな」と思うことがあれば、どうぞお気軽にご相談いただければと思います。

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大矢 美佐 病院長

1993年聖マリアンナ医科大学卒業後、同大学第2内科(現・循環器内科)に入局。同大学病院勤務、都内クリニックの院長、竹山病院非常勤医師などを経て、2005年より常勤に。2010年から現職。3歳で竹山団地へ転居。幼少期に父が竹山病院で救急医療に携わる姿を見て育ったこともあり、現在は地域医療に貢献し、人々の健康を支える活動を続けている。

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